第九章 第一話 進撃!魔装ゴーレム!
ティア・トラルティア王女はすぐさま、世界各国の王・指導者を招集した。
彼らの中には、ティアを見て驚く者もいた。
若さもそうだが、それ以上に人間中心の国家の次期国王が半人狼であったことを始めて知った者もいたのだ。
しかし・・・
「事は、一刻の猶予もありません!近いうちに連合軍を結成し、勇者を旗印に、大魔王ダイアレートの復活を止めなければなりません!」
そう宣言したティアは、黄金の鎧も相まって輝いて見えたという。
「じゃあ、僕ら竜族は空からの支援でいいかな?」
提案したのは、竜族代表の金竜王だった。
二代目レイストの頃は少年だった彼も、青年に成長していた。
それを皮切りに、自分のところは何が苦手で何が得意かを主張し始めた。
「ついにきたか。」
ウォルストは、城の尖塔から集まってくる軍船を見た。
どこの船も、鉄張りで、ルーンブラスターを大型化したような魔法力砲を主砲として備えている。
襲い掛かってくる魔物の属性によって、砲手を担当する魔導師が、攻撃魔法を打ち分けているのだ。
「まさに技術開発戦争だな。」
グラストが言った。
「そうだな。『父レイスト』の頃には、存在しない兵器ばかりだ。
特にあれなどは・・・」
「魔装ゴーレム隊前進!」
トラルティアが誇る、最新兵器魔装ゴーレム・・・
これは、本来魔導師が仮の命を与えて操るゴーレムとは違い、五感の優れた魔導師が直接乗り込み、その魔法力で操る一種の魔導機械服である。
火器としてルーンブラスター、大型破壊砲・ルーンランチャー、連発式ルーンマシンガンを備えている。
それだけではない。
近接戦闘用に、魔法力を刃に変換するルーンブレードまで備えている。
「勇者の道を切り拓け!」
ティアが、剣を振り下ろすと同時に、魔装ゴーレム隊のルーンランチャーが一斉に火を噴いた。




