107/128
第九章
「ついに実用化したか。」
「はいウォルスト様。
「本来ならば、魔導師が搭乗しなければ稼動できない魔装ゴーレムですが、擬似思考回路を組み込むことで無人自動化に成功しました。」
「何せ、こちらには『人』がいない。『連合軍』に対抗するには、魔王とその軍勢だけでは足りん。」
「殺人機械か・・・さすが『魔女様』だ。恐ろしいものを作る・・・」
ウォルストとファルストの間に割り込むグランデ。
「お褒めに頂き恐悦至極・・・」
ファルストが、不気味に笑った。
「!!」
さすがにグランデもひきつった。
「おいおい・・・ファルストはこれでも心から喜んでいるんだ。そんな顔をしないでやってくれないか?」
く・・・狂ってやがる・・・!
グランデは、心底恐怖した。
目的は同じなのに、なぜここまで恐怖を感じるのだろうか。
「あるいは・・・」
『人間』としては最高クラスの一族であるがゆえに、その『光』と『闇』をそれぞれ背負い込んでしまったのだろうか・・・




