番外１話 死にぞこないと暗殺者
別の所に書くのめんｄ……大変だったから移しました。
《運営からのお知らせです。大型アップデートをリリースしました。詳細はヘルプより参照できます》
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ヘルプ：アップデート情報
・ＮＰＣ、ＭＯＢのＡＩ強化。
・ゲーム進行状態の記録を使用したＮＰＣの各個体の過去イベントの搭載。
・スキル、称号の追加、取得条件の追加、変更。
・新職業【勇者】、【魔王】追加。
・職業の新上限追加。
・迷宮産アイテムの修正。
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こんな運営の知らせがあったのだが俺は正直あまり関係ないと高を括っていたのだがこんな形で関わるとは思わなかった。実際に俺は君臨ではなく仕えるといった立場だから新職業や過去イベントには縁が無いと思っていた。そう―――
『おい糞餓鬼。さっさと獲物を寄越せ。』
サナに貰った『滅刀・奈落』からかつて討伐した黒魔狼が話しかけて来るなど思いもしなかった。
※
「ギョギュギャッ……！」
巨大な蛸のようなモンスターが心臓を貫かれて絶命した。その心臓を貫いた漆黒の刀身はあたかも獰猛な獣の様なオーラを放ちながら蛸を【捕食】した。だが、それは肉体ではなくまるで内面―――魂魄を食らっているように見える。その証拠に死後間もない蛸―――劣化巨怪蛸に残っていた生物特有の艶が見る見るうちに消え去っていった。
《滅刀・奈落にスキル【再生１】を復元しました。劣化巨怪蛸固有スキル【副心臓】を獲得しました。不要と判断され装備者：ガリルに還元されます》
アナウンスが響く。半ばその内容を聞き流しながらガリルは滅刀・奈落を納刀する。この刀を所持して以来ずっとモンスターを討伐する度にこのようなアナウンスが流れるため既にガリルは聞くことを諦めていたのだ。今日までは。
『不味いな……せめてもう少し食い応えのある獲物を狩れないのか？』
「っ！何者だ」
「今になって『何者だ』とは笑わせるな。我を殺しておいて存在すらも忘れるとはな。我は貴様の武器の礎になった狼だ。糞餓鬼》
大型アップデートによりＮＰＣのＡＩ強化が行われたがその対象に【闇霊狼】スキルも対象に入っていたのだ。このスキルは魔石の主の霊対を召喚することが本質であるため元ＭＯＢだった黒魔狼に明確な意識が芽生えたのだった。だが、本来は会話などできないが装備と装備者の関係と奪っていた通話スキルの効果が相まって会話が成立していた。
「……あの時の狼か。俺の殺した獲物を食っていたんだろうが、選り好みをするな雑魚狼」
ただ、その会話が温厚だとは限らないが。
『まあ、貴様に殺されたことは基本的に恨むつもりはないが、粗悪な食事しか喰えんことだけは許せん！死に損なって唯一の楽しみを無駄にするなど万死に値する！』
「殺された身で贅沢言うな。すでに死んでいるお前に言われても説得力がない」
『ではこうしよう。貴様は一日一体以上の我が満足する獲物を狩れ。さすれば我は貴様に対価となるスキルを渡そう』
「そんなことを―――」
―――誰がするか。とガリルが言う前にガリルに呪いが掛かった。武器の中に装備すると呪いの掛かる物があるが、今回は【闇霊狼】に掛けられていた。武器が自分の意志で呪いを掛けることなど無いのだがスキルがＡＩ認識されるとは予想してなかったサナが制限を掛けていなかったため呪いが掛かったのだが、こればかりはサナを責めるわけにはいかないだろう。
《滅刀・奈落から呪いを受けました。》
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闇霊狼の呪い
内約：一日一体以上のモンスターを【闇霊狼】に与える。
報酬：モンスターに見合ったスキル。
不達成時：１２時間の全ステータス半減。【闇霊狼】の活動性能半減。
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『精々いい獲物を狩ってくるがいい。糞餓鬼」
「やってくれたな。まあ、どうせ雑魚ばかりだ。軽く食わせてありがたみを教えてやろう」
こうして奇妙な協力関係（？）がここに成立したのだった。
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名称：滅刀・奈落 Ｌｖ１→３９
種族：？？？
攻撃力：６６６
耐久力：ーーー【破壊不能】
保有魔力：６６６６
魔力の色：漆黒１０
暴食値 ５００／２０００
リンクスキル
冥人
固有スキル
闇霊狼、霊装展開、捕食１→１２、
スキル
重量変化、再生１、頑強３、堅牢２、硬化６、毒刃４、炎刃５、水刃３、闇刃９、風刃４、
麻痺刃３、光刃４、睡眠刃５、破壊耐性５、龍鱗鎧化３、種子創造４、成長促進７、空間跳躍５、
毒牙１、麻痺鱗粉７、強靭糸３、消化強化３、胃酸強化６、軟体２、保護色３、剣術４、斧術５、
槍術３、弓術６、紅の魔眼３、威圧８、爪撃９、属性魔術４、倉庫１、火系統無効、闇系統無効、
etc
装備者：ガリル
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結城 蓮です。
（以下略）
