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54話 最高の武器を目指して


 ガリル、ファントムの依頼を受け二人の武具を作ることになったサナは目の前に山のように積み上げられた素材を前に唸っていた。


 積み上げられていく素材の質は最低でもBランク3級の希少素材であり少しサナがアイテムを制作するのに手を焼く素材達だ。


 「熟練度が足りないかもしれない……」


 かれこれ高品質の武具やアイテムを作ってきたサナでも、Bランク程の製品はまだ数えるほどしか制作できていないため少し不安を覚えてしまう。


 「「これで最後だ」」


 極めつけには二人はAランク3級の素材を取り出していた。ガリルは『黒魔狼の魔石』と『黒魔狼の巨大牙』を、ファントムは『時空亀の魔石』と『時空亀の巨大甲』をサナに明け渡してきた。


 「……【天龍眼】』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 黒魔狼(こくまろう):成体となった瞬間から単騎で行動を強いられる魔狼族の一種。極めて凶暴で、狼系の中で最も高い攻撃力を持つ。


 魔力の性質:あらゆる属性と混じり独自の追加効果を付与する。


 魔力の色:漆黒10

 適正属性:暗黒☆


 親和度:闇系統☆☆☆、その他○



 時空亀(じくうき):永き時を生き、また時を辿り逆らう老亀。甲羅は時計のように生きた経験を持続して記録を刻んでいる。


 魔力の性質:時空に干渉する。


 魔力の色:時5、天空5

 適正属性:時空☆


 親和度:時空☆☆☆、その他✕


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「今までのどれよりもいい素材だけど……扱えるかな?いや、扱えるようにしないと」


 素材の元となった魔物を見ればかなり希少そうなモンスターで扱えないと肌で感じてしまったサナだが、弱音を追い出すように首をふる。そんなところに丁度システムアナウンスがサナに告げる。


 《今までの鑑定結果の記録が一定量を超えました。スキル【鑑定記録】が【鑑定辞書】に進化しました。機能が追加され鑑定辞書に【魔物図鑑】、【植物図鑑】、【アイテム図鑑】が追加されました》


 《鑑定経験の蓄積により、読み取れる情報量が増加しました。ステータスにおける『隠しレベル』の識別が可能になりました》


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 鑑定辞書


 機能


 魔物図鑑:鑑定を行った魔物の記録をまとめた図鑑。特殊個体等の鑑定成功でさらに精度が向上する。


 植物図鑑:鑑定を行った植物の記録をまとめた図鑑。突然変異等の鑑定成功でさらに精度が向上する。



 天龍眼


 機能


 目利き、レベル鑑定


 レベル鑑定:生物以外のレベルの鑑定を行えるようになる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「う〜ん、暫くは失敗しまくりかな」


 能力が強化されてもそれがいつも都合よく使えるわけではない。今回は外れてしまっただけである。それに二人の提供したはそれこそかなりの量で失敗も考慮して集めてくれていたのだろう。


 「どんなのを作ればいいですか?」


 「完成の期間は問わないので納得行くものをよろしく頼む」


 「刀を頼む」


 最後に求める形状や性能を聞くとファントムは自由に、ガリルは刀と指定した。


 「分かりましたっ!じゃあ作ってきまーす!」


 「お姉ちゃんっ!?」


 「あ、ちょっ、待っ」


 やる気を出してしまったサナはシズとユズの制止を聞かず早速天空大都市から出ていってしまった。


 「まあ、お姉ちゃんらしいというか……」


 「こうなったら周りが見えてないよね」


 残された五人の心情を代弁するようにユズとレンが呟いたのだった。

    

       ※


 魔界に帰ってきた私は早速鍛冶道具を広げて素材の質を見ていく。その中の殆どは劣化が無く加工にとても向いていた。


 そして、さっき手に入れたレベル鑑定の効果を試してみたいと思う。何かしらいい効果があるかも知れないし。


 生物以外と記されていたからアイテムのレベルが見えるようになってるかも知れないから試しに黒魔狼の魔石をレベル鑑定してみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 黒魔狼の魔石  A3級


 Lv50 色:漆黒10


 魔石能力


 闇魔術Lv10、暗黒魔術Lv3、

 斬撃強化Lv5、暗黒障壁Lv7、


 説明:黒魔狼の心臓部に位置する魔石。欠片一つで日用魔導具を一週間程使用できる程の魔素(MP)を含んでいる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 おー、見えた。レベルは多分生前の黒魔狼のレベルだと思う。


 魔石能力はいまいち分からないかな。でも、こんな時の為の【解析】だからね。使えて良かった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 魔石能力:魔物の体内に必ず保有している魔石に刻まれたスキル。主に魔術スキルや補助スキルの様な肉体を介さないスキルが刻まれている。加工次第で特定の魔石能力が加工品に付与される。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 なるほどなるほど。つまり武器にスキルを持たせるための素材というわけね。


 でも、あまり魔石を加工したことはないけどスキルを持つ武器もあった気がするけど……今度は黒魔狼の巨大牙を見てみる。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 黒魔狼の巨大牙  A3級


 Lv−−− 色:漆黒10


 素材能力


 黒魔毒牙Lv6


 素材能力:魔物の肉体から得た素材に刻まれたスキル。肉体に関連するスキルが刻まれている。加工次第で加工品にスキルを付与できる。


 説明:黒魔狼の巨大な牙。黒魔毒牙スキルを確定で保有しており、武器としての需要が高まっている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 なるほど、素材能力でもスキルが付くんだ。魔石に比べるとスキルは少ないけど効果は武器や防具に向いてるかも。レベルがないのは本体になる魔石とか魂―――はあるか分からないけど―――にレベルが行くからかな。


 他には……この石とかはどうだろう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 炎の魔鉱石  A5級


 レベル−−− 色:紅9、魔1


 適正属性:火☆、火炎☆

 融点:5000℃


 素材能力


 火系統属性強化Lv8、水属性耐性弱化


 説明:火系統属性の魔力を帯びた鉄。火山地帯でよく発見され通常の鉄より融点が高く加工が困難。この炎の魔鉱石は高品質である。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 もしかして、武器とかって素材と魔鉱石の組み合わせで作るものなのかも。性質の似通った者同士なら互いに補強し合えるし。レベルは多分石だから無いんだと思う。


 あと見ていないのは植物系かな?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 一夜竹  B1級


 レベル60 色:深緑8、魔1、聖1


 素材能力


 成長10、再生10、火属性耐性弱化


 説明:たった一夜で完全成長する竹。寿命は50年程で、一夜竹の筍は凄まじい量の栄養素を含んでおり高級食材として高値で取引されているが非常に入手が困難なため、一つに付きかなりの金額で売買されている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 結果として分かったことは元が生物ならレベルがあること―――今は仮定だけど―――だ。他には素材能力とかだったり。それにしてもこの一夜竹って筍状態のときは凄く使い道がありそう。いつか手に入れたいな。


 取り敢えず貰った素材とかを整理するとこんな感じになった。


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 ・各属性の魔鉱石、各×10

 ・狼系魔物素材

 ・鳥系魔物素材

 ・植物系魔物素材

 ・ゴーレム素材

 ・蜥蜴系魔物素材

 ・鉱石系素材

 ・植物系素材 

 ・液体素材


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 これなら素材が尽きる心配はないので早速作るとする。因みに加工するために魔界の鍛冶屋の部屋を借りて作業をしてるよ。自分の家なんてまだ持てないからこんなことができるシステムには感謝しかない。


 まずはガリルの要望の刀を作るために練習のために鉄鉱石を加工する。とは言っても【生命錬成】で鉄を抽出してそこから炭素成分を2〜3%取り出すだけ。


 ちなみに生命錬成は人造生命体を作り出すスキルに特化しているけど他のことが出来なくなった訳じゃない。


 そうして鋼を作ってから【上級鍛冶術】で刀を選択して鋼を槌で叩く。とにかく叩く。


 今回は100回で完成するので一定のリズムで叩いていくだけ。まあ、他もそうなんだけど。


 暫くカーンカーンと金属のぶつかり合う音が二分くらい続いて、最後の一回を叩くと刀が完成した。持ち手はヒノキを使ってみた。


 さてさて、性能はどうかな?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 鋼の刀  C2級 Lv1


 攻撃力:100

 耐久度:200

 保有魔力:0


 スキル


 なし


 (制作者:サナ)

 (材料:鋼×1、ヒノキ×1)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 あれ?レベルがある。なんで?生き物じゃないのにレベルなんて……あ、もしかして戦闘経験を武器が積むって考えたらレベルもアリなのかな?


 もしかしたら使い古されてる武具もといダンジョンとかの宝箱にある武具の性能が良いのはそのせいかも知れない。


 こうなったら沢山作って検証するしかないや。もっと沢山作っちゃえ!

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