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51話 この世の中というのは意外と退屈なものです2


 父の部下に強制的に自宅に連れ戻された私は部屋に戻されることなく父のいる執務室に呼び出され叱責を受けた。


 ごちゃごちゃと長ったらしく語られたその内容は要約すると「政略結婚の見合い候補が来ているのに何故下賤な者たちの店に入り浸っているのか」と言いたいらしい。


 「いくらおまえが特別だからと相手に迷惑を―――」


 うっさい。この話もこれで3回目だからわざわざ自分から時間を伸ばさないでよ。


 話を繰り返す。これは父の悪い癖で頭に血がのぼるとこうやって何度も同じ話を繰り返す。こういったときは3時間は動けないんだけど今はどうでもいい。


 勝手にこっちは妄想でもしてやり過ごすから。


 え?ちゃんと聞け?……無理無理。そもそも今回の事の発端の見合い相手は絶対にお断りだから。


 ちゃんと会ったこともあるけどキモイの一言では表せないくらい嫌だった。


 まず見た目は、甘やかされて育ちましたーって言ってる位の太りよう、趣味はバイキングを一人で食べきることらしい。


 大手企業の株を持ってるとか何とかで、金に物を言わせて好き放題してると大輝から報告を受けてる。その大体は借金を支払う代わりに女の子を(ピー)したり、(ピー)店で働かせたりしてるそう。


 しかもストライクゾーンはとても広くて、いかにも女の敵といったクズ野郎。まさか私の貧相な胸部装甲とか首筋とかを絡みつくような目で凝視されるとは思わなかったから、混乱して動けないところを大輝が連れ出したことは私の黒歴史だ。


 とまぁ最低変態下半身暴走下衆ゴミ野郎のデブはまさかの私と同じ16歳なんだとか。よく捕まらないね?


 そういうことだから私としては今から交通事故にでもあって欲しいくらいには嫌悪感を抱いている男なんだけど他人にはその本性を隠しているので父の形だけの目の穴にはとても良い相手に見えたそうな。


 いいのか父よ。私があの最低変態下半身暴走下衆ゴミ野郎の嫁に行ったら見も心も穢されて汚されて壊されて廃人って言葉も生ぬるいくらいの調教を受けると思うよ。


 後で大輝に頼んで父にはゴミの資料(罪状)とその被害者の数を知ってもらおう。


 ああ、もうこんな鬼畜変態のことを考えるのは嫌だから。明日からの商売を何処でやるかを考えないとね。作ったアイテムはかなり多いけど癖が強いから自然と装備者を選ぶんだよね。


 だからひっそりと売るつもりだけど、こう、プレイヤー全員が行くことのできる場所とかないかな?


 露店を開くのもいいし、むしろ放浪しながら売っていく怪しい感じでもいいかな。店の名前はどうしよう?ああー悩むなぁ。


 あ、そう言えば解体スキルが実装されたからモンスターとかの死骸は消えなくなったんだっけ。解体包丁の出番だね。素材は素材屋から買ってたけどそろそろ自分で狩って集めないとね。


 やることはたくさんだ。オリジナル装備も改造はまだまだだから、頑張らないと。


 「もう、部屋に戻っていろ」


 っと。説教が終わったみたいだ。やっと引き籠もれる。あ、専属メイドさん。父さんでも部屋に入れないようにしておいてね。


 さーて、ログインログイン〜♪


私はやっと開放された喜びのままOMOにログインした。


           ※


 ログインが完了して目を開けると魔界の宿屋の天井が映った。寝転んだ形でログアウトしていたからそうなったのだろう。


 「さて、装備の性能を改造しようっと」


 装備を外し深淵シリーズ(見た目は既に生産者)を作業台(仮設)に並べる。うん?今の格好?裁縫スキルで作った作業着を着てるよ。裸だと思った?残念!ゲームの仕様で裸は無理でーす。


 とりま前回の改造(見た目)の結果はこうなった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 深淵のゴーグル


 黒緑色→闇色、頭に装備→首にかけて装備


 深淵のマント+シャツ


 マント→白衣、闇紫色

 シャツ:赤、紫基調→闇紫、右二の腕に輪状の赤ライン


 深淵の手袋+包帯


 包帯→髪結いの布


 深淵のブーツ+スカート


 スカート→ショートパンツ

 ブーツ:変更なし


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 少しちぐはぐだとは思うけど前よりはマシだから。次は性能だけど武器の魔導書だけ改造することにする。この装備性能だけはいいのにね。性能だけは。


 まあ、改造って言っても使いづらいから、使いやすいようにするだけだからすぐに済む。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 深淵の魔導書


 魔導書()→指輪


 見た目:シンプルな血色の無骨な指輪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これで、無駄にでかい本を持って戦わなくて済む。これは簡単な魔術なら低コストで打てるから両手も空いて武器も持てるようになるから戦術の幅が広がる。


 改造終了っ!


 「いやー、何とか出来た〜。あとは品物の準備をして……ん?」


 システムメッセージが届いた。読んでみると空中大都市に行くことのできる権限が付与されるみたいだ。


〜~~〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 いつもOMOをプレイしていただき誠にありがとうございます。

 この度18時よりプレイヤーとの交流のための都市が実装されます。生産職プレイヤーの不足、出身地近くにプレイヤーがいないプレイヤー等の救済措置のために実装されます。空中大都市ではプレイヤーのアイテム売買や決闘、パーティ結成等が行なえます。

 また、イベントも実施する予定ですのでこの機会にぜひ空中大都市をおとずれましょう。


                 運営より


〜~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


 これで商品を売る目処がついた。あの妄想は無駄じゃなかった!


 「明日シズ達と合流したら早速行ってみようっと」


 そうとくればもっと在庫を増やさないとね。


 私は【倉庫】の中身を確認してから作業を開始した。

結城 蓮です。


「転生したら『吸収』スキルでした」を応募してみました。最近応募できると知ったのでこれで試してしたいと思う。


面白いと思ったらブックマーク登録や評価をよろしくおねがいします。

また次回合いましょう。

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