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34話 ユズの森歩き


 世界システムの導入によって謎の森に飛ばされていたユズは普段感じる時より遥かに大きな精霊の気配を感じ取っていた。


 「かなり気配が強いですねぇ……お社でもあるのかなぁ?」


 そこそこに魔術も覚えているユズは襲撃はないと断定しつつも警戒しながら気配のする方向へ歩き出した。


 暫く進むと今まで雑然と生えていた雑草が無くなり、芝生に囲まれた小さな社があった。


 「うん……ここに少し強い気配の精霊が居るね」


 そう呟いて近くに寄ろうとすると目の前に光の粒がたくさん現れた。


 「うわぁっ!……って下位精霊?」


 目の前に現れた光の粒―――もとい下位精霊とは属性を持った精霊達の王たちを束ねる神にして祖の精霊神から余り出た力から生まれた存在である。


 精霊神や精霊王、上位の存在の様に意思や思考を行うことはできないがそれでも尚大きな力を秘めている。


 そんな下位精霊だが稀に自ら他生物等に寄っていく事がある。


 人類の中ではエルフ族が最も好かれやすいが、龍から植物に至るまで精霊は寄っていくのである。


 今回ユズは下位精霊に纏わり付かれている様に見えるが実は寄られているのである。


 「もしかして……よって来たのかな?いや違う……急に出てきたし……もしかして」


 1つだけ思いつき心のなかで断って社の扉を開けると―――


 「やっぱりあった」


 小さくも大きな力を持った水晶が鎮座していた。


 「【魔導眼】」


 魔導眼は魔術―――つまり魔法に関する情報の閲覧に特化した眼である。ユズの装備にも付与されている【精霊魔術】も分類上魔法なのでこの水晶にも効果があると踏んだのだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 召喚水晶【精霊】


 関連魔法陣:範囲拡大、限定力場【神聖力】、

 選別結界


 付与術式:自動召喚


 資格のある者のみが立ち入れ、精霊と契約を交わせる様にできるよう施された水晶。



 限定力場【神聖力】:異空間に存在している精霊の力が散らないよう神聖力で満たされ、安定している空間。邪悪な存在が忌み嫌う。


 選別結界:定められた条件を満たした者しか立ち入れない様細工された結界。

 条件:1、聖属性のアイテムの所持。

    2、レベル20以上

    3、精霊の知識を持っていること。


 自動召喚:選ばれたものが結界に立ち入って30秒後にその者に相応しい精霊を召喚する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 ちなみに「精霊の知識を持っていること」とは初めの街の図書館で『魔術大百科』という蔵書の『精霊』の項目で得ることができる。


 また図書館で本を買って読めば簡単に魔術を習得できる。ただし高額ではあるが……。


 「へぇ〜……じゃあこの子達は私が仲間にしていいのよね?」


 そう言ってユズが下位精霊たちの方を見ると精霊達は少し輝いた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 水の下位精霊Lv1×3


 生命:5 MP:1000

 スキル:学習


 風の下位精霊Lv1×2


 生命:5 MP1000

 スキル:学習


 無の下位精霊Lv1×1


 生命:5 MP:1000

 スキル:学習


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「うん、みんなよろしくね。『貴殿との契約を望み、共に生きようぞ』」


 そう言って手を差し出した。


 精霊魔術には基本的に詠唱は必要ない。何故なら精霊の力を借りているからである。


 だが契約時は作法に則り言葉と所作で契約をする。


 決まった作法は無いがそれ次第で後の親和性に影響が出る。


 ユズの取った作法は相手と対等に接する「相棒の所作」というものだった。


 少し緊張した表情で待つユズに精霊達は少しだけ左右に揺れたあとすべての精霊が(・・・・・・・)ユズの手に触れた。


 『精霊との契約に成功しました。スキル【学習】が発動し、契約主との在り方の最適解を導き出しました。自然現象:【精霊昇華】が発生しました。存在が変質します。自我の発生を確認しました。最も近くにいたプレイヤー「ユズ」の装備に適性が確認されました。装備進化開始します。』


 「な、何がおこっ…………てぇーーー!?」


 突如として精霊たちがぶつかり合い、その形を歪め混ざり2つの光球に成り果てた。


 更にユズの装備に光の粒の残滓が集まっていき装備が進化した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 氷雪の精霊Lv1


 生命:100 MP20000

 スキル:憑依

 

 憑依:物に入り込むことができる。


 無属の精霊Lv1


 生命:100 MP20000

 スキル:パレット、リセット、テクスチャー


 パレット:受けた属性攻撃を記録する。

 リセット:自身の属性を無くす。

 テクスチャー:記録していた属性に変化する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 巫女の首飾り【破壊不能】【慈悲】【無慈悲】

 生命+400、INT+100


 巫女の舞踊衣【破壊不能】【舞闘術】

 生命+400、DEX+200


 巫女の数珠【破壊不能】【精霊箱】

 生命+400、DEX+100


 巫女の草鞋【破壊不能】【天舞】

 生命+400、AGI+200


 聖法術の錫杖【不変】【聖天】

 生命+400、INT+400


 守護騎士霊【破壊不能】【守護】

 VIT+200


 慈悲:敵意のない者に対して治癒や保護を行える。


 無慈悲:敵意のある者に対して与えるダメージが増す。


 舞闘術:身体と武器を用いる格闘術。主に護身用。


 精霊箱:契約した精霊が待機する空間。最大所有数は十桁レベルごとに1つずつ増える。


 天舞:天翔の上位スキル。消費MPを抑えつつ滞空時間が増えた。


 聖天:浄化、退魔、対魔障壁、精霊魔術の統合スキル。常時自身を覆う退魔結界を展開し、攻撃が聖属性になり、低いコストで精霊魔術を使用できる。


 守護:発動時、自身は一切の攻撃行動が不可能になる。その間一切ダメージを受けない。効果時間:30秒。クールタイム:3分。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前 ユズ 女 Lv25/100


 職業:魔術師


 ステータスポイント 0


 スキルポイント 0


 生命 3000(+2000)/3000(+2000)


 MP 2000(+1000)/2000(+1000)


 STR 0


 VIT 220(+200)


 DEX 360(+300)


 INT 650(+500)


 LUK 0


 AGI 220(+200)


 スキル


 魔導眼Lv3、魔力操作Lv5、魔術付与Lv1

 火炎魔術Lv2、暴風魔術Lv1、雷鳴魔術Lv1

 水魔術Lv8、土魔術Lv7、光魔術Lv3、

 闇魔術Lv3、回復魔術Lv1、補助魔術Lv5

 呪怨魔術Lv5、魔力消費削減Lv9、

 魔術強化Lv8、詠唱短縮Lv6、同時詠唱Lv3

 魔力収束Lv2、範囲拡大Lv1、魔術創造


 装備


 頭:巫女の首飾り【破壊不能】【慈悲】【無慈悲】

 生命+400、INT+100


 体:巫女の舞踊衣【破壊不能】【舞闘術】

 生命+400、DEX+200


 腕:巫女の数珠【破壊不能】【精霊箱】

 生命+400、DEX+100


 足:巫女の草鞋【破壊不能】【天舞】

 生命+400、AGI+200


 杖:聖法術の錫杖【不変】【聖天】

 生命+400、INT+400


 副装備:守護騎士霊【破壊不能】【守護】

 VIT+200


 称号


 火炎術師、暴風術師、魔術の使い手


 契約精霊


 氷雪の精霊、無属の精霊


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「能力が凄いことになってる……!」


 きっかけが精霊契約という珍しい装備の進化のおかげか装備スキルがかなり使い勝手のいいスキルになっている。


 余談だが当初の強い精霊の気配はこの召喚水晶の発する高密度のエネルギーを精霊と誤認していたためであった。


 「やったーーっ!……って……?……あれなんだろ?」


 装備の進化と精霊契約ができた喜びでクルクル回っていると視界の隅に何やら小屋のような建物が見えた。


 深い森の中の小屋。少し、いやかなり怪しいが……


 「行ってみようかな……?何があるかも知れないし……危なかったら逃げよう、うん」


 警戒心より好奇心が勝ちその小屋に向けて歩いて行ったのだった。

結城 蓮です。

布団から出られないくらい寒いのでそのまま書いてる時期になった。早く春来てほしい。

面白いと思ったらブックマーク登録や評価をよろしくおねがいします。

また次回合いましょう。

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