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27話 βプレイヤーと妹ゲーマー、負けじと奮起する。


 「いやー、久しぶりにログインしたなぁ〜」


 部活動の大会を済ませたシズがそう言って今日の待ち合わせの人物を探す。


 イベントに出られなかった事は少し惜しいが、部活動である剣道は優勝できたので特に気にしたことではない。


 「サナはイベントどうだったんだろ……今度聞こうかな」


 まだ結果を聞いていないパーティメンバーの事を考えている内に待ち合わせていた人物が駆けてくる。


 「シズさ〜ん!ごめんなさい〜!遅れましたぁ〜!」


 サナの妹のユズである。今回は二人で協力して強くなりサナを驚かせようという目的の為に集まったのだ。


 「いいよいいよ、来たばっかりだし」


 「ありがとうございますっ!じゃあ……行きましょうか」


 「うん」


 そう言って二人はリミスル鉱山―――少し離れた山に位置する少し難度の高いフィールド―――へと歩きだした。


           ※


 「はあっ……!」


 「ギィ……ッ!」


 ゴブリンに振り下ろされた直刀が深々とゴブリンを切り裂き光へ変える。


 「ふうっ……そっちはどうだ?」


 一息つき味方を案ずる。


 「終わりましたよ〜。一応レベルは高いんですから〜」


 味方―――ユズがそう返しながらやってくる。


 「だって見てくださいよこのステータス」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前 ユズ 女 Lv25/100


 職業:魔術師


 ステータスポイント 0


 スキルポイント 0


 生命 2000(+1000)/2000(+1000)


 MP 2000(+1000)/2000(+1000)


 STR 0


 VIT 120(+100)


 DEX 210(+150)


 INT 400(+250)


 LUK 0


 AGI 120(+100)


 スキル


 魔導眼Lv3、魔力操作Lv5、魔術付与Lv1

 火炎魔術Lv2、暴風魔術Lv1、雷鳴魔術Lv1

 水魔術Lv8、土魔術Lv7、光魔術Lv3、

 闇魔術Lv3、回復魔術Lv1、補助魔術Lv5

 呪怨魔術Lv5、魔力消費削減Lv9、

 魔術強化Lv8、詠唱短縮Lv6、同時詠唱Lv3

 魔力収束Lv2、範囲拡大Lv1、魔術創造


 魔導眼:鑑定進化系統の一つ。対象の構築している魔術の把握や鑑定、MP残量などを読み取ることができる。


 魔力操作:魔力を効率よく操作することで消費MPの削減及び魔術効果上昇の効果を得る。


 魔術付与:武器に魔術の効果を付与(エンチャント)して威力の向上を行える。


 同時詠唱:複数の魔術を並行して使用できる。レベルが上がる毎に並列詠唱の数が増える。


 魔力収束:範囲攻撃系統の魔術に対して使用でき、効果範囲を一点に絞り威力を劇的に増加させる。制御が難しい。


 範囲拡大:範囲攻撃系統の魔術に対して使用でき、効果範囲を広げより広い範囲に魔術の効果が及ぶ。魔術の効果が落ちる。


 魔術創造:魔術を扱える職やスキルを持った者がレベル25で習得する。オリジナルの魔術を作り出す。



 装備


 頭:精霊の髪飾り【復活】【成長】【浄化】【スキルスロット】生命+200、INT+50


 体:精霊の羽衣【復活】【成長】【退魔】

【スキルスロット】生命+200、DEX+100


 腕:精霊の腕輪【復活】【成長】【精霊召喚】【スキルスロット】生命+200、DEX+50


 足:精霊の軽靴【復活】【成長】【天翔】

【スキルスロット】生命+200、AGI+100


 杖:精霊の杖【破壊不能】【成長】【精霊魔術】

【スキルスロット】生命+200、INT+200


 副装備:水晶盾【破壊不能】【成長】【対魔障壁】

【スキルスロット】VIT+100



 浄化:悪霊、不死性魔物(アンデット)を浄化する。また、状態異常:呪いを快復できる。


 退魔:魔の性質を帯びた対象へ与えるダメージが2倍になる。


 精霊召喚:一定時間精霊を呼び出し戦闘の補助を得られる。


 天翔:MPを消費して空中を駆けることができる。


 精霊魔術:精霊の力の一端を借り、魔術を行使する。地形ごとに使用できる魔術が異なる。


 対魔障壁:魔系統の物理、魔法攻撃を防ぐ障壁を10秒間作り出す。



 称号


 火炎術師、暴風術師、魔術の使い手



 火炎術師:火魔術を極めた者の称号。火系統のスキルの威力補正。


 暴風術師:風魔術を極めた者の称号。風系統のスキルの威力補正。


 魔導の使い手:数多の魔術を使用できる者の称号。魔術の効果に補正。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「強いわね……ユズ……」


 「いや〜とにかく安全地帯からぶっぱしてたので……」


 「何時間……?」


 「このステータスにするのに……不眠不休で22時間ですね」


 サナは運チートだが、ユズはやりこみガチ勢と言うことらしい。


 (まさかここまでやってるなんて……)


 自分だったら諦めていたと考えている中で、頑張ろうとも考える自分もいる。


 それに気付いたシズは、気合を入れ直す。


 「よしっ……ここからはボスだね」


 「そうですねぇ。何が来ますかねぇ」


 扉を開けるとそこには、巨大な蟹がいた。


 岩のような外殻と力で断ち切るような見た目の大鋏を持ったボスは二人を認識すると突進してきた。


 「うわわっ!」


 「おっと……」


 慌てて避けるユズと冷静に対処するシズ。


 やはり巨大蟹はそこそこの重量があったらしく物凄い音を立てて壁を破壊した。


 その惨状から威力が推し量れる。


 「ユズ、援護おねがい」


 早急に討ったほうがいいと考えたシズは駆け出した。


 「わかりました!」


 ユズもすぐに切り替え魔術の構築を開始する。


 「【魔力収束】【魔術付与(エンチャント)

【フレア・バースト】【トルネード】!!」


 そしてユズが魔術を使用しシズの朧霞の直刀に収束されその上暴風魔術で強化された火炎魔術が付与される。


 シズはそのまま巨大蟹の鋏の根本に斬りつけた。


 「ギュワアァァ!」


 巨大蟹が苦悶の声を上げて、鋏が綺麗に切断された。


 切れ味の高かった直刀に加熱されて切れ味の増した斬撃が叩き込まれたのだから当然だろう。


 「まだまだ行きますよ〜?【魔術収束】【スピードアップ】【パワーアップ】【オートヒール】【範囲拡大】【束縛の鎖】!!」


 今度はAGI、STRを上昇させ、効果範囲を広げて確実に掛かるようにされた拘束魔術を放つ。


 拘束は見事にかかりボスを足止めする。その間にシズが素早く巨大蟹を切り裂いていく。どんどん体力ゲージが減っていき半分を切ったところで手応えが変化した。


 硬くなり剣が通りにくくなったのだ。行動パターンも変化し、シズたちにブレスを放つ。


 しっかり躱した二人の間を通り抜けて壁に大穴が開く。


 「食らっちゃ駄目ねアレ」


 「そうですね……一気に削るので時間稼いでくださいっ!」


 「お任せあれ」


 「【魔力収束】【同時詠唱】【魔術創造】―――!!」


 高速で魔術を詠唱し、範囲を狭め魔力を収束して威力を上げる。


 (イメージは―――自然の精霊たちの怒り)


 精霊魔術と雷鳴魔術2つの長所を融合させ新たな魔術を作り出す。そして―――


 「行きます!離れてくださいっ!」


 危険を察知したのか急いで逃げるシズ、それを確認してユズは魔術を放つ。


 「【精霊達の怒りエレメンタル・クエイク】!!」


 刹那、聖なる属性を帯びた1条の(イカヅチ)が巨大蟹を貫く。


 それはいとも簡単に巨大蟹の体力全てを消し飛ばし、光に変えた。


 それを見届けた二人は互いに新たなスキル獲得の通知が届き、その確認に入った。


 「【属性剣】?便利そうだね」


 「【神聖術】……ああ、今作った魔法の事かな?」


 確認が終わるとドロップアイテムを確認した。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 岩石蟹の大鋏×1


 岩石蟹の甲殻×8


 岩石蟹の味噌×1


 岩石蟹の足×8


 岩石蟹の宝珠×1《レア》


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「足と味噌はサナにでもあげようかな……レアアイテムはユズが持っておきなよ」


 「良いんですか?」


 「だって1番活躍したじゃん」


 「ありがとうございます」


 その後話し合って鋏はシズが受け取り分配した後、ダンジョンを出た。


 「今日はありがとう。私はまだやるんだけど、ユズは?」


 「今日はもうログアウトします。今日はありがとうございました」


 ユズがログアウトし、シズは今度は別の方向に向かい歩きだした。


 「頑張らないとね」


結城 蓮です。

1回ランキングで10位になりました!

読んでくれてる皆さんありがとうございます。

是非これからも読んでください。目指すは書籍化です。


面白いと思ったらブックマーク登録や評価をよろしくおねがいします。

また次回合いましょう。

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