85話 天使侵略5日目4
こんにちは。ユズです。お姉ちゃんが壊れてしまいました……
「アッハハハハハッハハハハハッ!!」
《薬草、多分清潔な湧き水が投入されました。錬成を開始……し、ま……【サナの狂気】が混入しました。錬成を開始します……………………ガガガガガガガッ!ピーッ!!ピーッ!!…………ゴボゴボゴボゴボッ!!…………ポンッ!!》
《狂気の素が生成されました》
さっきから目に付くものを全部すっごく怖い見た目をした鍋に投げ込み続けてます……
《薬草の種子×10、レッサーワイバーンの骨×10、オーガの血液×10、が投入されました。錬成を開始します……………………ポンッ!!》
《ドラゴンシード×10が生成されました》
見るからにヤバそうな物がどんどん生まれて何が何なのか私にはよく分からなくなってきました。これ、本当に大丈夫なんでしょうか?
「オラオラオラオラオラオラオラァッ!!」
お姉ちゃんは休む間もなくアイテムを投げ入れ―――ってそのアイテムの組み合わせはヤバイ!
《メスバインダー、謎の触手、興奮剤、スライムオイル、繊維分解剤が投入されました…………エマージェンシー!エマージェンシー!超危険配合の為自動で錬成が停止されま―――あらぁ?イイモノの気配がするわねぇ……やっちゃいなさぁい?―――レンセイヲカイシシマス……ポンッ!!》
《??????????????????が完成しました》
……………………ヤバイ。とにかくヤバイ!あ、あんな薄い本に出てくるようなモンスターをお姉ちゃんが作っちゃった!!
というかログに割り込んできたの誰ですかぁっ!!
「わっせろーい!アッハハハハハッ!!」
《戦闘ログ:プレイヤー:サナが『??????????????????』を投擲しました。着弾点にモンスターが出現します》
「なっ……何アレ!?」
「何か飛んでき……」
ガシャンと瓶が割れる音が響いてその中身が解放された瞬間、それは凄まじい勢いで膨張してあっという間に巨大な触手になりました。
「きゃあああああっ!なにこれぇええええええええっ!?」
「な、なんじゃこりゃあ!?」
「誰だよ!?こんな同人誌みたいな危険物作ったのはぁあ!!」
ああ……阿鼻叫喚です……お姉ちゃんの作ったモンスターが見境なく女性だけを拘束していってます……これどうしたら……………………
《狂気の素、ドラゴンシード×10、レギオンフラワーが投入されました。錬成を開始します……………………ポンッ!!》
《特殊魔法植物『狂群龍花の種子』×10が完成しました》
「おいッ!また天使が沸いてきたぞ!!対処を―――」
「わっせろーい!」
お姉ちゃんが何かを作り終えた途端に天使がまた飛び出てきました。天使を誰かが対処しようとしたその瞬間お姉ちゃんが作ったばかりの物を天使のすぐ近くに投げ入れました。
「アレは―――?種?」
モミジさんが不思議そうに落ちていく種を目で追い、その種が地面に着いた瞬間あっという間に発芽して急成長を始めました。
そしてその植物が育ち切りとった姿は五体の龍。湧き出て来る天使に食らいついた牙は天使の抵抗を許す間もなく切り裂いた。咀嚼し飲み込み、また食らい、三十秒程それを繰り返すと、彼らの身体が茶色く変色し崩壊して、周囲に細かな粒―――種子をばら撒いたようです……………………ってそれって……………………
次の瞬間、予想通りに無数の狂群龍花が一斉に発芽し始めました。そして再び始まる龍花の猛攻。再び枯れた花は種を地に落としてまた咲く。まさに地獄です。
「ぎゃああああっ!」
「うわああああっ!くっ食われるぅううう!」
しかもよく見てみると無差別に他のプレイヤーまで巻き込んでいます。これ本当に地獄じゃないですか…………。
「ユズッ!!ぼさっとしてる場合じゃない!!アレどう見ても巻き込まれるよ!!回避!!」
シズさんの声でハッとして意識を切り替えると、すぐ目の前に大きな顎が私を飲み込まんと大穴を開けていました。
「【霧化】」
咄嗟に精霊術を発動して躱すとちょうど龍花は枯れはじめた。そしてその種子が落ちた瞬間、手の平で包むように種を拾った。
「【鎮静化】」
お姉ちゃんが作ったアイテムが気になって自然に精霊眼で鑑定をした瞬間【狂乱】の状態異常が付いていました。とりあえず法術で無害化しましたけど、無差別に襲うのはこれの原因でしょうか?
「なら…………【範囲拡大】、【広域化】―――【鎮静化】」
あの龍花の大軍に一回一回丁寧に鎮静化を使っていたらとてもじゃないけど間に合いません。なので単体捕捉効果を複数捕捉効果に変更する広域化スキルを使って広範囲に鎮静化を使ってようやく龍花の暴走が止まりました。
「あれ?私今まで何してたっけ?」
どうやらお姉ちゃんの暴走も一緒に止まったみたいです。ホッと胸を撫で下ろすと一斉に枯れた龍花から種がドロップしました。
『群龍花の種子を入手しました』
「って何あのクッソ卑猥な触手は!?」
そうでした!気を抜いている暇も無いんでした!まだお姉ちゃんの作ったあのモンスターが残っていました。そしてお姉ちゃん…………作った事忘れてるんですか…………
「【精霊召喚:ユキナ】、【精霊武装:獄氷華刃】、はぁっ!【フリージングエンド】!」
ユキナを召喚して飛行する無数の氷の刃に変えて触手を切り裂いていく。このスキルは切りつけた周辺の活動を停止させる絶対零度の攻撃。狙い通りに触手の動きが鈍くなっていった。
「【精霊召喚:ダイチ】、【精霊武装:地砕巨槌】、これでっ終わりっ!【グラビティスタンプ】!」
最後に触手を地砕巨槌で叩きつけると砕け散って光の雨になって消えた。
「いや~なんか助かった~ありがと~」
お姉ちゃんが礼を言いながら抱き着いてくる。
「…………これ、作ったのお姉ちゃんですが?」
「…………………………マジで?」
「マジでです」
お姉ちゃんが凄い顔をしました。普段なかなか見れない真顔です。
「…………【千変万化】【魔術変色】【極炎獄炎陣】!!」
次の瞬間お姉ちゃんがやらかしました。
「えっちょっ…………」
視界がドス黒く染まりました
結城蓮「うん、いいところで完結させてリメイクしよう。作者なのに訳分らなくなってきました」
サナ「えぇ(困惑)」
結城蓮「もっと描写とか世界観増やさないと自分でもつまらないって感じてしまったんですよ」
サナ「見切り発車するから…………初めから分かってたはずなのに…………」
結城蓮「正論すぎて何も言えませんね」
多分リメイクは別物感しかないと思う




