表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/57

契約者の真実の探求

2014/10/19 投稿

 部屋の片隅にあった本の開く。迷わずある魔法が書かれたページにたどり着く。特に破られてはいなかったので、気にすることもなかった。俺は何度も目を通しながら、全くそれを見つけられなかった。

「それって、意識を相手に移す魔法だよね」

 相手の意識を一瞬だけ乗っ取り、その間に自分の意識を相手に移す。しかし当人の意識を乗っ取るわけではなく、あくまで相手の意識の合間に自分の意識を混在させる魔法だ。

「愛崎、俺とお前が出会ったのは、何時だ」

「どうかしたの」

「良いから、答えてくれ」

 不思議がるのも無理はないが、今はそんなことを言ってられない。

「入学式だよ」

「俺に不審な点はなかったか」

「は?」

 自分でもおかしな質問だとは思う。

「頼む」

「特に無いんだけどね。強いて言うなら、祐希からは匂いがした」

「匂い?」

「魔法の匂いだよ」

 匂いがしたとか言うが、そんなはずはない。その時、俺は魔法を知らなかったし、知っていたとしても、オカルトの一つくらいにしか思っていなかった。それなら彼女が言うことに矛盾する。

「誰だ」

「え?」

 契約じゃない。それ以前だ。恐らくは、誰かが俺を誘導したんだ。

「風里……」

 風里和佳。考えられるのは一つだけ、彼女だ。思えば不自然だったんだ。どうしてほぼ初対面の俺を、第二生徒会に誘う必要がある。愛崎も無駄に素質と連呼していたが、あれは俺に魔法の知識があるのかを試すためだろう。だとするならば、あのタイミングで魔法で首を縦に振らせる彼女の行動には無理が生じる。

「今日ここに来ること、誰かに伝えたか?」

「誰にってさ、みんなに伝えたじゃん」

「それだけか」

 彼女は首を縦に振る。

 魔法の起動式を頭に思い浮かべる。そして俺のものでない魔法を見つける。それは俺が最初に手にした魔法の知識を記した本。

「今から言うことをしっかり聞け」

「ほんとにどしたの?」

 魔法を使い、魔法を空間から隔離したことを確認する。

「良いか。お前のことは知らないが、俺は多分誰かに魔法使いにされた。いや正確には、そう誘導されたんだ。それが出来たのは、風里和佳も含んだ風里家の人間だ。今は隔離してるが、俺を魔法で監視してる。契約を結ばされたんじゃないんだ。俺は、契約を押し付けられたんだ」

「ゆ、祐希。何言ってるの?」

「く、もう限界か。愛崎、この部屋にある魔法を全部壊せるか」

 何かに魔法を妨害されているようだ。

「うん」

 彼女が魔法を使う。俺の魔法と部屋に使われていたもの、そのいくつもの魔法が壊れていくのを感じる。エスケープオブウィムプが魔法をしているんだろう。

 そして魔法が完全に壊れるのを感じることなく、俺は意識を失った。

急展開!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ