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きっかけは面白くなかった

2014/09/12 投稿

 夏の日が過ぎるのは早いかと思われたが、驚くことにまだ四日目だった。

「こうでもないか」

 紙に文字として書いた魔法の発動が見られなかった。一応、頭の中でも起動式を描いてみるが、鮮明に起動式が浮かんでも反応が薄く、思い通りの魔法の効果を得られていないようだ。

「さっきの方が良かったか?」

 まだに四日目なのだが、紙の切れ端でゴミ箱と部屋が散らかってしまっている。その中から一つ前の紙切れを探し出し、もう何枚書いたのか知れない山から適当に見比べる。こういう時のために、端っこに番号を降っておいた。現在、二千回目をもう超えている。試行錯誤の末に魔法の基礎は完成したが、起動式がうまくできない。やはり俺には魔法を創るなんてのは無理なんじゃないか。

「頭痛くなってきた」

 夏休みに入ってから必要最低限の時間を除いて、ほぼ休憩なしだったせいだろう。頭より精神的な部分が叫び声を上げだした。そういうこともあり、休憩ついでにテレビでも見ることにした。

「昼前のテレビってやっぱ面白くねぇな」

 どこもどうでもいい世間の話題ばかりを特集している。夏の特番というやつだろう。そう思いながら、リモコンをカチャカチャやっていると、昔の魔法少女もののアニメの再放送が映る。しばらくあの頃は魔法が現実に存在するなんて思ってもいなかったなぁ、と思いながらボケっと見ていたが、あることを思いつき自室に走る。鉛筆を走らせ、約二千回の経験値で素早く魔法起動式を書き上げる。

「これで、どうだ」

 頭の中に書き上げた起動式を思い浮かべる。やがて鮮明になってきて、他の魔法を使うときにように、起動式が弾け飛ぶのを感じる。

「よっしゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

 一頻り近所迷惑も気にせずに叫び散らし、我に返る。そういえば魔法を発動したままだった。自分の身体に変化がないことを確認して、魔法を解除する。

 時計を確認すると、いつの間にか正午を過ぎていたので、とりあえず昼飯を食って寝ようと考え、高揚した気持ちで適当にパンを食べる。いつもは面白くもないテレビ番組も、この時ばかりは結構いけるじゃないかと思えた。

 そして愛崎から呼び出しの電話が来たのは、パンを食べ終わった頃だった。

「どこから俺の連絡先を聞いた……あぁ智勇か。で、なんだ」

 軽く腹が膨れたことで、途轍もない睡魔に襲われながら、愛崎からの用件を聞く。

「(人手が足りないの。お昼から顔出して)」

「俺は今、非常に眠い」

「(どうせ、何かに没頭しすぎて寝てないだけだよね。いいから来てね!)」

 一方的に通話を切られ、このまま寝てしまおうかとも思ったが、まずは愛崎の電話番号を登録し、制服に着替えることにした。

「あー超眠い」

私も書いていて眠くなりましたww

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