31話
辛い。
無視するのが辛い。話すことができないのが辛い。傷ついた顔をさせるのが辛い。そして何よりこんな方法しかとれない自分が辛い。
でも我慢しなきゃいけない。私が我慢するだけで済むなら耐えるしかない。
ごめんね美咲、未空。
ごめんなさい紗耶香さん、栞里さん。
でもこれしかないんです。私ができることはこんなことしかできないんです。
疫病神である私が、不幸を周りに伝染させないようにするにはこうするしかないんです。
だって私と関わることがなければ平和になるんですから。
「陽凪―!日本史の課題まだー?先出してくるぞー!」
「あぁ、さっき出したから大丈夫」
「は!?あの陽凪が!?日本史の課題出さない陽凪が!?」
「そうだよ。それじゃ私は帰るから」
美咲ごめん!ほんとにごめん!!今更こんなことしてごめん!!
少しだけ傷ついた顔をした美咲を見るのが辛くて逃げるように学校を出る。
といっても家に帰れば紗耶香さんがいるからできるだけ時間をかけて家に帰る。図書館に行ってガラにもなく勉強したり、本屋に行って雑誌コーナーを覗いてみたり小説、漫画を買ったり、ゲームセンターに行って意味もなくクレーンゲームや音ゲーをする。公園でひたすらボーっとすることも多い。
紗耶香さんにはどうしても会ってしまうし、会話もしてしまう。だから家にいる時間を減らすためにこんなことをしてる。
最近では紗耶香さんから栞里さん、美咲から未空、果てには美咲のお母さんまでに心配の連絡をたくさんくれる。
でも返信できない。返信してしまうとせっかく固めた覚悟が鈍るようで怖いから。
抜けられない沼にはまったことなんて分かってる。でもこれ以外に私はどうすればいいの!?
どうすれば私は大切な人を失わずにすむの!?教えれるものなら教えてよ!?私にはもう分からない!!どう考えても最後にはこうなってしまう。
.........................ダッタラシンダホウガマシ?
違う!そんなことはない!!そんな......ことはない。..........そん、な......こ、とは.......ないは、ず。...................ないよ、ね?
でも私がいるからお母さんが、沙那ねぇが死んだ。
あれ?もしかして、私っていないほうが良い?私が疫病神なら早くいなくなった方がみんなのためになる?
ならそうしよう。死ぬのは別に辛いことじゃない。みんなに会えなくなるのは嫌だけどそれだけ。
逆にそれだけしか生きる意味がないってことになる。
私1人の命と私の大好きな人達の命。どっちに天秤が傾くなんて改めて考える必要なんてない。
........よし。そうしよう。
まずはこれから1週間くらいは今まで通りの私を演じて悩みが解決したように見せかける。
そしてちょうど良い時期になったら近くの山に行けばいいんだ。さすがに自分の部屋ですると紗耶香さんに迷惑かけるし、なにより家だとどこかでお母さんと沙那ねぇに見られそうだから嫌。
するときはリスカでいいかな?市販の睡眠薬を飲んだら眠ったまま逝けるかな?
吊るやつは後々大変なことになるって聞いたことがあるからもちろん却下だからね。
.........ふーっ。
覚悟は決まった。後は準備とお別れをするだけ。
「ただいまー!!今日のご飯何ー?」
とりあえず、バイバイ。幸せでいてね紗耶香さん?それだけで私は十分報われるから
あらぬ方向に話が進んでしまう........。これからの展開が不安です.........。




