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25話

「紗耶香これ見て見て~」


 そう言って見せられたのは黒い子猫だった。


 とても可愛い。黄色の目をしててあざといぐらいの可愛さ。モコモコな毛玉。モフりたい。


 こんど陽凪ちゃんと猫カフェでも行こうかな?


「可愛い!!どうしたのこの子!!」


「うちで最近飼い始めた子なんだけど可愛すぎでしょ!」


 そういえばネコって1人暮らしの人が飼うには少しハードルが高いんじゃない?それに子猫ならなおさらなのに。


「そういえば舞って1人暮らしなの?」


「いや、実家暮らしだけど、それがどうしたん?」


「1人暮らしで子猫飼うってすごいなーって思ったけど違うならそんなこともないなーって」


「たしかに1人暮らしで生き物飼う余裕はない。こうやって仕事してるならなおさらよ」


 ふむ、やっぱり可愛い。


 にゃぁって鳴いたらもっと可愛いんだろうな。そしてそれを慈愛に満ちた目で見る陽凪ちゃん。


 うん。今度の休み絶対に行こうっと。眼福なことは実行せねば!!


「とまぁネコのことはここまでにして、紗耶香あんたの恋人って工藤沙那さんよね?」


 え?.................ちょっと待って!?私舞には名前は教えてないはず!!


「はぁ............なんで私が知ってる!?って顔してるわね。紗耶香が酔った時さんざん私に惚気てきたでしょ?その時に知ったのよ」


「...................いつごろ?」


「去年の4月くらいだったかな?」


 うそ...............。なにしてんのよ私!なんでそんなこと話すかな!アホか私は!!


「それでね工藤沙那さんってこんな人だった?」


 そう言って子猫の画像からスライドさせて出てきたのは1人の少女で、私の恋人のさーちゃんを幼くさせた子だった。


「私が初めて会った時よりも幼いけどこれは沙那で間違いないけど、これどうしたの?事と場合によっては私、舞のこと軽蔑するけど?」


「事と場合ってどんな時よ...........。これは私が中学生の時の卒業アルバムから取って来た写真よ」


「じゃ、じゃあ舞って沙那のこと知ってたの!?」


「知ってたって言ったら知ってたけど話したことは数える程度よ。階段から落ちかけてた時工藤さんが助けてくれた時に少しね」


 さすがさーちゃん。カッコイイことするね。


「でもなんで今更思い出したの?」


「この前会った義妹さんの陽凪ちゃんを見た時にどっかで見た人に似てて、誰か探してたら工藤沙那さんにたどり着いたってわけ」


「ふーん。で、確認するだけの用事だったの?」


「ここから本題だから安心して。中学生の卒業式の前に卒業文集って作らされたよね?」


「うん」


「工藤さんのを見つけたから紗耶香に見せようと思ってね」


「なんで?」


「まぁ読んでみたら分かる」


 渡されたのは一枚のプリント。そこには「理想の未来」って題名で書かれてたものがあった。


 1文1文じっくり読む。そして涙が出そうになる。


 そこには「私の理想の未来はお母さんと私と妹が笑いあえる未来です。お金が苦しくても、一緒に過ごせる時間が少なくても、喧嘩しても最後には3人で笑って過ごせるような未来が私は欲しいです」ってあった。


「それでね、その理想の未来ってやつは紗耶香、あんたに会うことで変わったよ。母親が亡くなって理想の未来は2度と来ないって分かって、それでもあんたが工藤さんの恋人になってからはその理想は工藤さんとあんたと妹さんの3人で笑いあえる未来に変わったって言ってたさ」


「...............ど、こで、それ、知った、の?」


「友達だよ。私の友達には工藤さんと同じ学校に行って、工藤さんと仲が良くてあんたの惚気話をよく聞いてたそうだよ。それである時にこの卒業文集のことについて聞いてみたらさっきの言葉が返ってきたんだって」


「.......................。」


「もうそろそろお盆でしょ?だから今の内に言っておこうと思ってね。あんたはたしかに愛されてたんだって事実を教えたくてね」


「..........................バカ」


「そうだよ私はバカだよ。これだけを言いたいがために色々調べたりしたんだから」


「..............................ありがとう舞」


「お返しは高級チョコで許してあげる」


「分かった。今度買ってくるね」


「ほんとに?」


「うん。さっきの言葉は本当に嬉しかったから。それを調べて教えてくれた舞には当然のことよ」


「まいどおおきに!」


「ふふふ、なんで関西弁なのよ」


 ほんとありがとう舞。


 あなたが友達で本当に良かったよ。



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