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夜這いされたわたし

私はベッドの上をごろごろと転がっていた。

世界が回る。目も回る。


飽くなき回転運動を続ける私。


「あーあ」


ため息が出ちゃった。

しょうが無いよね。


私は疲れていた。


私達王国は侵略者である聖国を追い返したばかり、やるべき仕事は山積みだ。


負傷者の経過を確認したり、被害状況を確認したり、書類上すっからかんになっている国庫や貯蔵庫がやっぱり空っぽなのをこの目で確認したりと私は大忙しで働いていた。

街の状況を遠望して、ほぼ壊滅ということも確認した。


籠城戦の最終的な損害は戦死者八十七名。負傷者千百六十名。


やたらと負傷者は多かったけれど、案の定と言うべきか戦死者は少なかった。

雑草みたいにしぶとい連中だし、「元気にならなきゃ、私が泣くわよ」と脅しておいたのでそのうち元気になってくれると思う。

「傷病兵を脅迫しないで頂きたい!」とか言われた。


知るか。


聖国兵なんぞに不覚をとったおっさん達の事情など知ったこっちゃないのだ。

か弱い女王を守るために、早く良くなって仕事をしろとがんがん釘を刺しておいた。

奴らは優しい女王の激励に泣いて喜んでいた。


実務はもっぱら閣僚の皆が主導して進めてくれている。

ボルワースは有能だ。

あんなに仕事が出来るんだから、もっと大きな国でも働けるはずなのに……。


ほんと馬鹿な男である。


一応、今日もオスカーさんとちょっとだけお話しした。

彼は明朝、聖国軍の残存部隊の追撃するために王都を発つそうで、とても忙しそうに指示を出していた。

最低限のことだけお話しして私はお暇した。

いざという時の連絡の方法とか確認してから、「どうかお気をつけて」みたいな言葉をかけて。


まぁ、逃げ出したのだ。


自信が無かった。

彼と釣り合える自信が。


自分のことばっかりが気になって、私は彼の顔を見ることが出来なかったのだ。


帝国軍の人たちもオスカーさんも、私達のために命がけで戦ってくれるというのに……。


「あーあ」


またため息がこぼれたちゃった。

もう何度目よ。

酸素の無駄づかいじゃ無いの、私?



もう一度言うけれど私は疲れてた。

もうへとへとだった。


十年以上頑張ってようやく復興した王国が、みんな、みんな無くなってしまった。

ぼろぼろに荒れ果てた町並みを城壁上から眺めるのは、やっぱり辛かった。


結局なにも守れなかった……。

私、駄目な女王だ。


天蓋も無い簡素な寝台の上に両手を常夜灯の光にかざす。


ぴっちりと切りそろえた爪、荒れてボロボロのお肌が黄色い明かりの中にすけて見えた。


私は性懲りも無く泣いていた。


悲しいときも嬉しいときもこらえ性の無い私はよく泣いて、その度にみんなをおろおろさせてきた。


でも私のハートはコットンハートだ。

吸湿性と速乾性は折り紙つきだ。

一晩泣けば、また元気に戦える。


よし!

決めた!


今日だけは思いっきりめそめそしよう。

そして明日から頑張るのだ!


私は泣き出した。


うおーん!


あまりの悲しさとやるせなさに!


うおーん!


無くなってしまった十年間の頑張りに!


うおーん!


そしてもうお姉さんじゃなくておばさんに近い歳になっちゃったこの事実に!


愛用の枕ちゃんは私の不細工な泣き顔をふんわり優しく受け止めてくれた。

ちょっとだけ汗臭いけど、優しい奴だ。




どのくらいの時間が経っただろうか。

体の水分を無駄に垂れ流した私は、ぐすぐすと鼻をならしつつ、枕に顔を埋めていた。


もう深夜だ。

少しだけすっきりした。

やっぱり涙の力は偉大だ。


さて、気分も良くなったことだし、そろそろ寝ようかしら?

ごろんと私が寝返りをうったとき、ひんやりした風が私の濡れたほっぺを撫でた。


秋も深まる季節、夜はもう寒い。

当然、窓は閉めている。


つまりこれは隙間風だ。


ぼろい王城ではあるけれど、私は女王だ。

当然私室は一番マシなお部屋を使っていた。


その最上級のお部屋に隙間風……。


ひどい。

また泣きそうだ……。踏んだり蹴ったりじゃ無い。

神様もっと私に優しくして!


私はのそりと起き上がる。

穴を見つけて塞いでおこう。

なんか適当なものがあるはずだ。


深夜に箪笥を一人動かす女王とか、ちょっと間抜けだけれど仕方ない。

絵面は誰にもみられなければ問題無いからね。


「ぼろいぼろいと思ってたけど、ここまでとは思わなかったわ……。隙間風とか、ほんとついてない……」


ぼりぼりと頭をかきつつ問題の場所を探す。


「部屋の補修も手配しないと……」


その時だ。


「いや、補修は不要だ。警備はもう少し厚くした方が良い気もするが……」


男の人の声がした。


私は固まった。




誰、と聞く気にはなれなかった。

聞き慣れたわけでは無いけれど、間違いようも無い低い声。

そしてちょっと聞きたいなーと思ってた声でもあった。


「オスカーさん、ですか?」


「ああ、俺だ」


やはり、お前か。


黒々とした影の中から彼は姿を現した。

常夜灯の明かりの中に、掘りの深いオスカーさんの顔が浮かびあがる。

「どこから?」と私が問えば「窓から」と簡潔な答えが返ってきた。


私は安堵の息を吐いた。


いやね。

寂しさのあまりに私の脳が生み出したイマジナリーボーイフレンドを疑ったのだ。


さすがにこの状況で、脳みそまでやられちゃうのはまずい!

幸いと言うべきか、そこにいたのは実体を伴った一分の一スケールのオスカーさんであった。

よかったー。


来てしまったと謝る彼に、構わないと返す私。

私も会いたかったと彼に言うと、彼は少しだけ驚いた顔をしてから笑ってくれた。


その時、私は冷静に混乱していた。

現実感のあまりの乏しさ故に。


深夜、自分のお部屋に男の人が進入。

しかしそのお相手は、今し方ベッドの上で想っていた人であった。

この場合、私はどうすべきなのだろうか。


なじったり、大声で人を呼ぶべきだろうか。


勿体ないな。

私は思った。


その時私は、彼と夢の中で会えたら良いな、なんて考えていた。

それで、優しく慰めてもらうおうと思ってたのだ。


私のお爺さまがしてくれたみたいに。



私達は闇の中、二人でしばし見つめ合った。


彼はちょっと緊張してるみたい。

ふふ、変なの。

自分から来たくせに。


私は肩の力を抜いた。


「どうぞ、おかけになって。何も無いお部屋で恐縮ですけれど」


ベッドに腰を下ろし、彼を隣にいざなう。


私に促されたオスカーさんはおずおずと寝台に腰を下ろした。

身のこなしには隙が無いけれど、でも今の彼は、どことなく落ち着きが無い感じがした。


「……俺をとがめないのか。深夜に女性の部屋に入り込むなど、無作法の極みであるが」


「もう、そんな気力も無いのです。私、元気なだけが取り柄なのですけど」


私、弱り切ってる。

しおしおエリザだ。ちょっとおいしそう。


でも本音でお話しするには好都合。

嫌でも素直になれちゃうしね。


私はなんとか微笑んだ。


「こんばんは、オスカーさん。お会いできて嬉しいです」


彼もまた安堵した様に笑ってくれた。


「ああ、エリザ。俺も会いたかった。出立前に一目だけでもと思ったのだ。昼はあまり話せなかったから」


「それは、申し訳ありませんでした……」


昼は、すぐに逃げてしまったのだ。

昨日と同じ服なのが恥ずかしかったのだ。

申し訳ないことをした。


私が黙ると、沈黙が落ちた。


「……泣いていたのか?」


「はい。辛くって」


彼は一瞬口を閉じてから言った。


「……俺との交際が嫌だったか?」


そんなことは無いよ。


「それは嬉しかったです。こんな年増女で申し訳ないとは思ってるんですけれど」


「嫌で無いならそれでいい。あと、俺は年増などとは思わないぞ。エリザはとても綺麗だと俺は思う」


「ありがとう存じます。……その言葉を信じられたら、多分楽になれるんでしょうけど」


私は笑った。


ま、基本的な問題はそこなのだ。


私は彼からの好意が信じられなかった。


理由は私の経験故だ。

私の……、口にするのも嫌なのだが、私の父、前王リチャードが母と私と国を捨てたことが私を臆病にさせるのだ。


美しい愛妾のために、ただ美しいだけの愛妾のために、私達全員はそれよりも価値がないと切り捨てられた。

嫌で嫌で仕方が無いけれど、どこかでそれに縛られてるんだろう。


俯く。

彼からしてみれば、さぞかし面倒くさい女であろう。


そんな時のことだった。


オスカーさんが私の体を捕まえた。

それから、まっすぐに私をみすえて彼は言った。


「なら、命令だ」


と。


「俺の言葉を信じろ。エリザは俺に恩があるはずだ。命の恩が。その恩を返してくれ。俺を信じろ」


彼の目を見る。

オスカーさんは真剣な顔であった。


私はどんな顔をしてるのかな。

わからないけれど、笑ってることだけは確かだと思う。


「……はい」


命の恩人から命令されちゃったのだ。

だから私は彼を信じることにした。


単純な解決策であった。






信じてしまおう。


そう決めたら途端に気持ちが楽になった。


ああ、なんて単純なんだ私。

原核生物もびっくりの単純さである。

これはどんな環境でもしぶとく生き延びますわ。

無酸素でも生き残れちゃいそう……。どんだけだ、私。


でもでも、だったら、いろいろとお願いしてみようかな。


ほら、オスカーさん、私のこと好きらしいし……!


今、とっても寒いのだ。

だから温めてもらいたい。


彼の体に身を寄せる。

彼の体は固くて、でもほのかに暖かかった。


「お願いがあるんです。頭をなでてくださいませんか?」


「わかった。……こうか?」


差し出された大きな手が、私の頭に触れる。

ごつごつした手だ。


髪の毛を撫でる感じが懐かしくって、私は胸がきゅっと切なくなった。


「それで、頑張ったなって褒めて下さい。偉いぞって、よくやったぞって撫でてください」


「……ああ、よく頑張ったな。偉いぞ、エリザ」


暖かい言葉にうるっとくる。


私が無理矢理言わせてるんだけど、もうこの際どうでもいい。

コレットも昔こういうサービスで稼いだそうである。本当にどうでもいい。


私がお願いすると、彼はその度に繰り返し繰り返し私の事を褒めてくれた。


「抱きしめて下さい。それで優しく慰めて」


私の肩に彼の手が回った。

それから彼は私の体を引き寄せてくれた。

私は彼の肩に頭を乗せて目を閉じた。


「……お願い。私を守ってください」


彼の腕に力がこもる。

私は彼の腕に抱かれたまま、ただじっとしていた。


ああ、こんな風にだれかに守ってもらえたらなぁって、ずっとずっと思っていた。

涙がこぼれる。

そして一緒に鼻水が溢れ出す。

いかんいかん。

ずびー。へへへ。


私は彼を見上げた。

間近で見る彼の顔は、涙の向こう側ににじんでいてよく見えない。


彼はどんな顔をしてるんだろう。ちょっと知りたい。

私はどんな顔をしてるんだろう。絶対知りたくない。


もう、ここまで来たのだ。

最後までいってしまおう。


「……キスして下さい。唇に」


「……いいんだな?」


私は答える代わりに目を閉じた。


今が夜で良かった。

しわくちゃの顔をまじまじ見られなくて良かった。


暖かい湿り気が唇に触れて遠ざかる。


初めてのキスだ。


最初の唇を命の恩人に捧げられるなら、これでいいかな、と私は思った。

二日前に出会ったばかりの人だけど。

でも十分だ。


「ありがとう」


もう、大丈夫です。


その言葉は私の口から出る前に、喉の奥で潰れて消えた。


体を捕まれて、私の口が彼の唇で塞がれたのだ。

腰に彼の手が回る。

そして私の体が拘束された。


私の頭をかき抱くようにして、オスカーさんが私を抱きしめていた。

彼の舌が私の口に入り込み、私の舌をからめとる。


そこで私は、頭の中が真っ白になった。




気がつけば、口の中が唾液の味でいっぱいだった。


息ができない。

鼻で呼吸するらしいけど、そんなテクはこのときの私には無かった。


完全にパニックだった。


呼吸困難に陥ったのだ。


実は私の性知識は、概ね青少年向けの小説レベルで止まってる。

だいたいの結末は主人公とヒロインがちゅーしてめでたしめでたし。

それ以上のシーンがあると有害図書として没収されてしまう。


経験豊富なコレットからちょくちょく話は聞いてはいるけれど、彼女も詳しい部分はぼかしちゃうのだ。

「エリザには教えちゃいけない気がする……」って、言われて教えてもらえない。



故に私は大いに慌てた。


やめて!

お願い、苦しいよ!


私が抵抗して暴れると、彼はようやく私の体を離してくれた。


はっ、と外気を求めて口を開く。

開け放った口からは、唾液がつーっと一本いとを引いた。


荒い呼吸が口から漏れる。

二人見つめ合う闇の中、私の視線は彼の両目にぶつかった。


そして私は呆然とした。


自分のあまりの迂闊さに。



誰かに甘えられた私は、どんどん元気になっていた。


我ながら現金極まりない。お手軽高速チャージだ。

庶民派女王と名高い私は、燃費だって非常に良くって復活もすごく早い。

ガス欠をおこしても、ちょっと優しくしてもらえればまたばりばり動き出す。


そんな私は気力と一緒に理性のほうも回復させていた。


そして、現状と自分の言った台詞の意味に気付いちゃったのだ。


「優しく慰めて下さい」って私は言った。


優しく慰めて。


私は、「頭をよしよししておくれ!」とか「優しくちやほやしておくれ!」ってつもりで言ったのだけど……。

でもこれ別の意味にしか聞こえないよね!?


時刻は深夜を回っていた。

今、私と彼は二人きり、すぐ後ろにはベッドがあって、しかも私は寝間着姿。


この流れだと、ラブシーンまで一直線だ!


あるいはコレが戯曲なら、殺人鬼の強襲があるかも知れないが、オスカーさんは強いから普通に撃退してしまうだろう。

斧振り回す程度の暴漢では相手にすらなるまい。

侵入者が不死身でも、「なら死ぬまで殺してやる」とか言っちゃいそうな雰囲気がある。

そして血みどろの戦いを潜り抜けたオスカーさんは、その興奮もさめやらぬまま、私の寝間着を脱がせるのだ。


すると一皮剥けたカボチャパンツの女が現れるというわけだ。


あかん!


しかも十日以上お風呂に入っていないから、とっても臭い。


もっとあかん!


私は体をかばって身を引いた。


「あ、あの。ごめんなさい。私、お風呂に入ってないんです。だからこれ以上は許してください……」


顔がひたすら熱かった。


思わず懇願してしまう。

私、なんて馬鹿なのだろう。


ついつい舞い上がってしまった……。


許してもらえるだろうか。

彼の顔をうかがう。


でも粗忽な私と違ってオスカーさんは本当にしっかりした人であった。

彼は、ただただ慌てる私にこう言ってくれたのだ。


「……そうだな。今日はここまでにしておこう。俺の方こそすまなかった」


「いえ。あの……。ありがとうございました。嬉しかったです」


彼は「それなら良かった」と、私の言葉に頷いてくれた。


感想を言った方が良いのかな。

キス素敵でしたと伝えたところ、オスカーさんは少しうつむき加減で頷いた。


ありがとう、オスカーさん。

おかげで元気になれました。




それから私達は少しだけお話しをした。

彼の事をもう少し詳しく聞きたかったけれど、意外とそっちについては口が重かった。

残念だ。


代わりに私の昔についてお話しをした。

昔の私は悪ガキだったこと、今でも食い意地が張ってることなんかをお話ししたら、オスカーさんは楽しそうに笑ってくれた。


本当はもっとお話ししていたかったけれど、彼は明日に出陣を控えていた。

時間はすぐにたってしまった。残念。


「もう時間か。名残惜しいが、お別れの時間のようだ」


「はい、残念ですけど……」


私の頬に触れてから、ゆっくりと撫でてくれた。

くすぐったい。うれしいな。


「あまり体を冷やさない様にな。……あと、もう少し用心してくれ。安易に男を近づけては駄目だ」


「はい、気を付けます。……でもオスカーさんは特別、ですよね?」


「……そうだな! 特別扱いしてもらえるなら光栄なことだ」


「じゃあ、特別で」


今度から、貴方を信じて甘えちゃいます。


オスカーさんが立ち上がる。

時間が経つのが早いなぁ……。


次に会えるのは何日後だろうか……。


でもだったらなおさら、笑顔で送り出してあげないとね。


「オスカーさん、どうかお気を付けて。ご武運をお祈りしています」


オスカーさんは力強く頷いていくれた。


「俺のことなら問題無い。奴らには二度と王国の地を踏ませない。一兵たりとも生かして帰さん」


流石軍人さんと言うべきか、物騒な冗談だった。


口元に笑みを閃かせたオスカーさんは、すたすたと窓辺まで歩いて行きひょいっと身を翻して私の部屋を出て行った。

まるですぐ外のお庭に出るかの様な気軽さであった。


ここ五階なんだけどね。


そして私は、部屋に一人取り残された。




一度きちんと窓を閉めてから、とことことベッドに戻る。


パタリ。

寝台の上に倒れ込んだ私は今の出来事を回想した。


今のはなんだったのかしら。


今日、私は悲しくて泣いていた。

そしたら、想い人が窓から颯爽と現れて、私を優しく慰めると去って行った。


すごい。

わけがわからない。


あるいは喪女をこじらせると、夜の私室に優しいイケメンが突然あらわれたりするのだろうか。

でもそうしたら、喪女はこの世からいなくなってしまうのでは無かろうか。


私の中で遠大なる喪女の存在確率論について思いを馳せた。


でも、よくわからないなりに、わかったこともいくつかある。

オスカーさんは優しい人だってこととか、多分本当に私のことが好きだって事とか。


彼の手の感触を思い出す。

そうすると、心がぽかぽかと温かくなって。

うえへへへへへ!


私は恋をしていた。


彼氏いない歴二十七年の私に初めて訪れた春だった。




私の妄想力は豊かだ。

私はこれ一本を武器に、からからに乾ききった砂漠のごとき人生を生き抜いてきた。


そんな妄想に実体験まで加わったのだ。


こうなったらもう無敵であった。

私は幸せいっぱいになってしまい、しばらくベッドの上でもぞもぞしていた。




翌日からは、平和で忙しい日々が続いた。

心機一転、頑張って王国を立て直そう。

素敵な恋人までできちゃった私は精力的にお仕事に励んだ。


そしてこの夜から三日後のこと。

オスカーさんが、聖国軍一万五千を殲滅したという報告が私の元へと届けられた。

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