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98話 サクヤと七人の女達(前編)

 「おまえさん達、本当に人間か?」


 なんて命がけで要塞を守って帰った勇者な私たちに、建築師長さんからありがたい言葉をいただいた。

 それはともかく、その後魔物の襲撃もふたたび来ることはなく、要塞の改修は順調に進められた。

 その間、防衛のための部隊もひとつふたつとやって来て、ついにひと月半後の今日、大多数の部隊が到着した。これをもって国境警備師団の始動だ。

 しかして、それを率いてきたその師団長さんが―――


 「どうして君が来ているの? ラムス」


 偉そうな服を着て、いっそう偉そうになったこの男だった。


 「なんだ文句があるのか、サクヤ? 総督権限で自分をねじ込んだのだ」


 「その総督ってのは、いわば国軍のトップだよね。そのトップが前線に出るとか有りえるの? 総督の仕事はどうすんのよ」


 「ええい、うるさい! そんなのはセリアやジジイどもが勝手にやっているわ! 総督など肩書きだけで、まったくする事がない。とにかく、けったくそ悪い王都を離れたかったのだ」


 「”英雄になる”って夢はどうしたの? 王国を救って、その功績が認められて、国軍の重鎮になって。絵に描いたような成功物語じゃない。吟遊詩人の歌も多く作られているくらいなのに」


 「あんな息のつまる場所が英雄の終点であるものか! オレ様はもっと別の英雄となってみせる。総督など通過地点だ。サクヤ、どこか魔物どもの集まっている場所はないか? いっしょに潰しに行くぞ」


 「残念だけど、魔物は最初の日以来出ていないよ。私らも見張りの仕事さえなくなったから、毎日ヒマしてるよ」


 「なにいいっ、糞ッ、けったくそ悪い。オレ様は寝るぞ!」


 と、就任早々奥に引っ込んでふて寝してしまった。


 「やれやれ、本当に子どもだね。ま、若くて人一倍体力のあるラムスが、偉い人達の中でデスクワークとか無理なんだろうけど。ねぇノエル」


 私についているノエルは困惑顔。


 「でも、どうするんです? 総督がこんな前線にいたらマズイと思いますけど」


 「そういうのは王都のお偉いさんが悩むことだよ。私たちは適当に相手して放置でいいさ。さて、子供なラムスは放っておいて、私たちは大人な時間を過ごそうか」


 途端に、ノエルは可愛い恥ずかし顔。


 「もう……サクヤさまったら。今日は一日中ノエルのものになってくださいね」


 とにかく暇な時間は増えたが、この要塞を離れてはいけないとのお達しだ。そのため【栄光の剣王】のみんなとの濃密な時間が増えた。要は、みんなとヤってばかりの日々だ。

 さて、今日はノエルのモフモフな体を楽しもうか。



 ◇ ◇ ◇


 「ふうっ。ノエルってば、どんどんエッチになってくるなぁ。エロテク使いの私でも苦戦するようになっちゃって」


 とかノエルとの余韻を思い出しながら、どこかしら暇をつぶせる場所を探していた時だ。モミジが私に声をかけてきた。


 「サクヤさん、ちいっと来てくれんか。ようやく身体測定器が完成したんや」


 「身体測定器具? どうしてそんなものを、わざわざ作っったの?」


 「ウチもユクハもその他パーティーのみんなも、急速にレベルアップしたり、知らんスキルやら術やら使えるようになったりしたんよね」


 「うん、そうだね。それと私の身体測定と何の関係が?」


 と、とぼけてみたものの、その理由に検討がついた。そういう事か。


 「とぼけてからに。その原因はサクヤさんやろ。いまのウチなら大抵のもんは調べられる。ちいっとカラダ調べさせてくれんか?」


 「まぁ、いいか。つきあってあげるよ」


 さすがに、えっちは食傷気味だし。それ以外の楽しそうな事なら大歓迎だ。

 とか思って、この要塞内部に作られたモミジの研究室にお邪魔した。

 したんだけど―――



 「アン……アン……アン……」


 「……モミジ、これはどういう事かな?」


 なぜか、そこにユクハちゃんがいた。いや、二人は親友同士だから、それだけなら”何故か”とはならないんだけど。

 そのユクハちゃんは何故かベッドの上ですっかりエロエロ状態になって、ひとり「アンアン」やっていたのだ。


 「あーその、ユクハに身体測定器の試験体になってもらったんやけどな。体内の魔力とか調べてたら、妙な具合に暴走して体昂らせたんよ。で、この状態に」


 「そんなものを私に使おうとしたの? ユクハちゃんを放っておいて?」


 「かまわへんやろ。あとでユクハと仲良うすればええし。サクヤさんを調べ、ユクハもまかせる。これぞ錬金術師の合理的思考というヤツや」


 「このバカ錬金術師があああッ! なにドヤ顔してんだ!! もう、しょうがないな」


 『さっき、さんざんノエルやった後だというのに』と思いながらも私は服を脱ぐ。

 こんな状態の女の子を何とかする方法はただ一つ。愛のあるえっちで発散させるしかないのだ。


 「ありゃ、先にやってしまうんか? 測定のあとにやった方がムダがなくて、ええのに」


 とか、たわ言をほざくイタズラ小娘の腕を、つかんで引き寄せた。


 「ユクハちゃんをこんなにした報い、しっかり受けてもらうよ。モミジも服を脱げ! ただのえっちで済むと思うなッ!」


 「え? ええッ? ウチも参加!?」


 くっそう。えっちはしばらく止めようと思ってた直後だというのに、二人も同時に相手しなきゃならないなんて。

 しかも片方はエロエロ状態で、並みの攻めじゃ満足しそうにないし。

 もう片方はマッドサイエンティストな性根を叩き直すためにも、徹底的に攻めてやらないといけないし。

 どうしてこんなレベル高そうなハードレズに挑戦しなきゃならないんだ。 



 ◇ ◇ ◇


 要塞師団の起床ラッパの音で目をさました。

 朝のかすかな光が窓からさしている。


 「ふうっ、もう朝か。けっきょく一晩中えっちしちゃったな。ノエルとも合わせて、本当にまる一日えっちした事になるね」


 いくらヒマだからって、これはやり過ぎだ。しばらく不健全なことからは離れよう。

 自分の部屋で寝直そうとモミジの研究室を出たのだが、そこにノエルが駆け寄ってきた。


 「あ、サクヤさま。よかった、起きていましたか。いま緊急のお偉方の来訪がありました。サクヤさまも至急来ていただきたいと、ラムスさん……いえ総督がおっしゃられています」


 くはっ! こんなに疲れているのに面倒がやって来て。


 「はぁ。それで誰なの、そのお偉いさんって」


 「その……ここリーレット領の領主さまです。完成した要塞の慰問だそうです」


 「リーレット領領主さま? それじゃあ、そのお偉方って……」


 「はい。ロミアさまです」


 ああ、しばらく不健全からは離れていようと思ったのに。

 えっちの方が馬車に乗ってやって来ちゃったよ。

 

 クエストの締めくくりとして、サクヤを攻略した女の子たちと連続えっち疾走させることにしました。ハーレムは地獄と同義。

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[一言] >サクヤを攻略した女の子たちと連続えっち疾走させる まあいいけど。ハーレムは地獄になるか? 前の世界だと、ラムスは「ノエルの魔法でかなり絶倫にされてしまった」でしたが、サクヤも「エロテク」…
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