02話 寝ている間にゲーム世界転移
本日2話目です。
今日は5話まで投稿します。
「ここは……どこなのおおおおお!!!?」
気がつくと、私は見たこともない植物の生い茂る森の中にいた。
どっちを見ても、果てしのない森、森、森!
なんで、こんな虫のいそうな地面で寝ていたの、私!
ヤバイじゃん、早くシャワー浴びて着替えたいのに、できねぇ!
バチバチバチバチバチ!
頬をバシナシ叩いてみるも、景色は変わらず。
あー痛い。
ヒリヒリするほっぺをさすりながら、これは夢ではないことを確認する。
もしかして寝ている間に拉致!? 事件ですか奥さん!
ともかく、現状持っている物を確認してみる。
服は寝間着に使っているでっかく『アサガヤ』と書かれているTシャツにジャージ下。
靴は自分のものでない、やけに原始的な革細工のそれ。
こんな防御力の零の格好で、自然の森のど真ん中ににいるなんて狂気の沙汰だよ。
ホント、バカじゃねぇの?
そして持ち物は、これまた自分のものではないでっかい剣とスマホ。
「誰のかねコレ。とにかくこれで連絡をとるしかないか……繋がらない!?」
どこの番号にかけるも、コール音すらならずにウンともスンとも言わない。
次に情報を求めて操作してみると、メールが一件のみ入っており、そこにはこう書かれていた。
『【ラムクエワールド】へよく来た。歓迎しよう。
そしてこの場所は【ゼナス王国リーレット領ハージマル大森林】だ』
「はぁぁああ!? ふざけてんの!? それって、【ラムスクエスト】の地名じゃない!」
もしかして私は、最近のラノベに流行りの異世界転移……いや!
【ラムスクエスト】の世界だから、ゲーム世界転移した?
「なんなの、これ⁉ VRMMO⁉ 学校行かなきゃなんないのに、こんなのはじめた覚えないよ! 女子高生が18禁ブッチしてエロゲやるって、そこまでの罪だったの!?」
はぁはぁ落ち着こう。
現状、帰るための手がかりはこのスマホしかない。
未成年者エロゲプレイ罪の咎で、私に何してくれちゃったのか、まずは知らなくては。
『帰還するためには、以下のクエストをクリアせよ』
よし、やった!
やはりこれはゲーム。
ちゃんとクリア条件があるんだ!
して、そのクエストの内容は?
『奴隷娘 ノエル
リーレット領領主令嬢 ロミア・リーレット
召喚士 ユクハ・マーメル
錬金術師 モミジ・ルルペイア
ゼナス王国王女 セリア・メーラ・ロッテンマーク
ドルトラル帝国聖騎士 アーシェラ・レイナス
踊り子 シャラーン
以上、七人の女すべてをオトせ』
「………………は?」
いや、彼女らの名前は全員知っている。
みんなラムクエのキャラだ。
ついでに言えば、みんな鬼畜変態主人公にヤられて戦闘愛人にされてる。
とにかくラムスクエストというゲームは、フィールド上に点在するイベントをこなすかたわら、それに絡む女の子をヤって堕として仲間にするゲームなのだ。
「いやいやいや! 私、女の子だよ? なのに、ラムスみたいに女の子をオトすって……いや、もしかしたら、”オトす”って”落とし穴にオトす”かもしれない!」
いきなり脳内にすばらしい天啓!
「ハハハハハハ、きっとそうだよね。
”オトす”と書いてあるだけで、他の説明がないんだから、それでいいんだよ。
よーし、がんばって穴を掘っちゃうぞ!」
と、いきなりメールの文章が変わった。
『七人の女にエロいことをしてメロメロのアヘアヘにしてオマエの女にせよ』
「ふっざけんなあ! どっかで聞いてんじゃねえかぁ! 出てこい! 姿を現せえええっ」
たしかにラムクエも女の子を仲間にして進めるゲームだったけど、その仲間にする方法ってアレでしょ?
真似できないよ! 彼女らの大好きなマグナム生えてないし‼
せめて、あんな変態プレイな方法じゃなく、別のナニカで仲間にするってことにできない?
女の子どうしの絆とか友情とか百合とかで!
が、その下にはこう書いてあった。
『攻略ヒント:スキル【エロテク】のレベルを上げるべし』
「こッ……んのクソゲーがあああああ!!!! マジ責任者出てこぉぉぉぉぉぉい!!!!!」
もはや私は怒りの塊となって声の限り叫び続けた。
すると……
……ガサガサッ
何者かが茂みの奥からこちらにやって来る音が聞こえた。
「来たわね……ちょっとアンタ! こんなふざけたマネは今すぐやめて、今すぐ私を元の場所に帰しな……ヒイイイイッ!?」
そこに現れたのは人間ではなかった。
巨大な虎のようなモンスターが、のそりと這い出てきたのだ。
しまった、私の声で引き寄せてしまったのかああああ!!!!
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