B選択 「私の答えはこれだあっ!」と、ルルアーバを斬り捨てる
「私の答えはこれだあっ!」
これ以上の問答は無用とメガデスを抜き、ルルアーバに斬りかかる。
ズバアアアッ
奴は大きく飛びすさったが、左腕の切断に成功。
「どうしました。紳士的に話す相手にずいぶん乱暴な対応ですな。サクヤ様らしくもない」
「まぁ、褒められた行為じゃないけどね。これ以上アンタと話すのは危険な気がした。アンタの正体もどうでもいい。そろそろ決着をつけよう」
「フッ、剣士として成長なさいましたな。以前あった甘さはもはや過去のものですよ」
なに? まさか以前にも私と戦ったことがあるのか?
だとすると、コイツの正体はやはり……
いや、これもヤツのことば戦だ。戦闘に集中しろ!
ビュンビュン
雷鳥剣を連続で放って牽制。ヤツはそれをかわすが、それも予定内。
一気に距離をつめて急所をねらう。
ギュルンッ
「ヤバッ!」
ヤツの正面に力場が発生し、それに引っ張られる感覚がした。
達人三人の腕を引きちぎった技だ!
その力場にメガデスの軌道を変え、斬撃で力場を消す。
そして奴は片腕を失ったことでバランスがくずれている。
チャンスだ!
「大切斬!!!」
ズバアアアアアアッ
距離をとろうとする奴の間合いに一気に踏み込み、必殺の斬撃を放つ。
ドシャアアアッ
勝敗は決した。
メガデスはルルアーバの腹を切り裂き、奴は地に崩れ落ちた。
「フ……やはり、ここで勝負を挑まれて拙者に勝てる道理はありませんでしたな。しかし見損ないましたぞ、サクヤ殿」
「ああ、我ながら自分でもそう思うよ。だけど、しょせんは敵同士。勝手に『卑怯な奴』と見損なうがいいさ」
「勘違いなさっておいでですね。拙者が言っているのは行為の良し悪しではありません。ここで拙者を完全に仕留めるに至らず、勝敗が決したと見下ろしているサクヤ殿の愚かさにです」
奴は「パチン」と指を鳴らす。
途端、上の階から「ギャアギャア」と激しい唸り声が聞こえてきた。
そして無数の魔の気配も―――
「ルルアーバ! お前、まさか魔物の封印を――」
「ええ、解かせていただきました。ここは城全体の封印結界の心臓部であり拙者のホームゆえ、封印の解除もこのように指先ひとつでできるのですよ」
「くそがっ!」
ザグウッ
メガデスを叩きつけるようにルルアーバのとどめを刺した。
「では、サヨウナラ。やがては魔界貴族も遠からず目覚めます。魔界と化すこの世界をどうか楽しまれますよう」
奴の肉体は文字通り消滅した。
あとにはヤツの被っていた仮面だけが私をあざ笑うかのように残った。
「消えた……ってことは、奴は魔法生物?」
いや、奴の事なんか考えている場合じゃない。
行為のマズさを悔やむ前に、ここから逃げないと!
宝物庫を飛び出し上の階へ行ってみると、そこはもう魔物の群れ。
私はメガデスを振り回し、必死に血路を切り開く。
「くっ、数が多い! これじゃ私でも、いずれ魔物のエジキだぞ。早くノエルに合流しないと――」
―――!!!
しまった。みんなはこの外にいるんだった!
こんな高位魔族の群れの中で、みんなは生きてられるのか――?
「―――みんな……」
魔物を倒しながら、やっと外へ出て見たもの。それは――ー
魔物どもが集う中、無残にむさぼり喰らわれるみんなのなれの果てだった。
ラムスも、ノエルも、アーシェラも、モミジも、ゼイアードも……
「みんなゴメン。私が奴との決着をはやったばかりに……ッ。うおおおおおおっ!!」
悲しみを魔物にぶつけるかのごとくメガデスをふるい血路を開く。
もう私は止まれない。
命尽きるまでこうやってメガデスをふるって戦い駆けるのだろう―――
BADENND ~主人公がそういう事しちゃダメだよ~




