表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エロゲ世界でハーレム無双? ふざけんなあっ!  作者: 空也真朋
第一章 エロゲ世界クエスト
12/265

12話 奴隷娘ノエル

  フレスベルク討伐が終わり、すっかり我が家となった冒険者宿屋にもどった時にはもう夜になっていた。


 「ただいまぁノエルちゃん。いい子にしてた?」


 「はーいサクヤ様。ノエルはいい子でーす。……サクヤ様、ケガをしたのですか?」


 体を引きずるように帰ってきた私を見て、ノエルちゃんが駆け寄ってきた。


 「うん。さすがに墜落じゃ、私の自慢の防具も役にたたなかったよ。いちおう治癒師に術はかけてもらったけど、五日はクエストに行けないって言われた」


 「うー悔しい! わたしがいたなら、サクヤ様にケガなんかさせなかったのに」


 「どうするの?」


 「魔法でパアンと。水とか風とかぶつけて。次のクエストは、わたしもつれていってください。サクヤ様のお役にたってみせます!」」


 「はいはい、熱が出なくなったらね」


 一見元気に見えるノエルちゃんだけど、不定期に熱を出して寝込むので外へ連れていけないんだよね。

 奴隷商人から教えてもらった彼女の病名は【魔素中毒】。

 強い魔力を持った者がかかる病気で、自身の強すぎる魔力が熱になって害を及ぼすのだそうだ。

 治す方法は高レベルの治癒魔法師に診てもらうか、高魔法薬ハイポーションを飲ませるしかないが、どちらもこのリーレット領にはないそうだ。


 「さて、それじゃ今日の討伐でもらったポイントを使おうかな。空飛ぶ敵に有効なのがあればいいけど」


 私はスマホを出してスキルの画面を出す。

 ポイント数は百十五ポイント。


 フレスベルクの百ポイントが入っているけど、Bランクは割が良くないなぁ。

 Cランクを二体狩れば百だし、もう少しレベルを上げるまでBランク以上には手を出さないようにするかな。


 「サクヤ様、それ何ですか?」


 ノエルちゃんがヒョコッと私の後ろからスマホをのぞきこんだ。


 「ああ、スマホっていうんだけどね。説明するのは難しいなぁ。ええと、電話っていう遠くの人と話す機械なんだけど……」


 本当に未開の人にスマホの説明は難しい。

 まず電話の説明をしなければならないが、スマホの機能はそれだけじゃないし、機能を一つ一つ説明したらキリがない。


 「遠くの人と話す? それって魔導具アーティファクトなんですか? 置物みたいなものって聞いてたんですが」


 あ、そういや電話は使えないから、その説明はしない方がいいのか。

 もっぱら使うのは、倒したモンスターで入るポイントデスキルを獲得することだけど……これも説明が難しいな。


 「ええっとね。これはつまり……」


 スマホの液晶画面にノエルちゃんの顔が映ったときだ。

 そこに彼女のステータスが映し出された!


 ノエル


 職業:白魔法師


 スキル:風魔法レベル1

     水魔法レベル1

     治癒魔法レベル1


 称号:サクヤ・ノハナの従者


 ……え?


 「ノエルちゃん、あなた、風と水と治癒の魔法を使えるの?」


 「はい、そうみたいです。ちゃんと習った術じゃないから、あんまり大したことはできませんけど。それってステータスを見る道具なんですか? 水晶のは知っていますけど、そんな形のは知りませんでした」


 「治癒魔法で自分を治したりは……」


 「できません。熱をおさえるのにいつも使ってますけど、なくすことはできないんです」


 まぁ、そんな所だよね。

 しかしノエルちゃんにもステータスがあるなら、ポイントは使えないかな?

 そうすれば治癒魔法のレベルを上げて完治できるのに。

 久しぶりにスマホの説明欄を調べてみると、果たして、その方法は書かれていた。



 『七人のターゲットで、オトした女には獲得したポイントを振り分けることができるぞ。

 ガンガンやりまくって、最強のハーレムパーティーを作るがよい』



 「クソがッ‼ ふざけんなーっ!」


 久しぶりに「ふざけんなっ」が出たよ。

 マジ、このミスターXは私を怒らせることには天才的だ。

 女同士がヤルのを見て喜ぶ変態オヤジか?


 「サ、サクヤさま、どうなされたのですか?」


 「あ、いや、ノエルちゃんに怒ったんじゃなくてね。この女の尊厳を踏みにじるクソ野郎にね、地獄の裁きでもしたくて」


 ノエルちゃんと目が合って、思わずそらしてしまう。

 なんか恥ずかしいじゃないっ。


 ………………しかたないか。

 七人の女の子を探しているのは、このためだし。


 『これはノエルちゃんの病気を治すためっ』


 この理由ができた今なら、女の子の一番大切なものをあげられる気がする。

 いや、私がもらう方か?


 「サクヤさま? どうなされましたか。顔が赤いですよ」


 「い、いえ大丈夫。私は冷静……よ。ノエル、ベッドで待ってなさい」


 「え? サクやさま、もう寝るんですか? お疲れならサクヤさまがベッドをお使いください。まさかいっしょに寝るわけにもいきませんし」


 「ドキッ! ……いいからベッドにいなさい。すぐ準備するから」


 私はスマホを出しスキル画面を開く。


 【エロテク レベル1:消費1】


 まったく何でこれだけは、こんなに消費ポイントが低いのよ。

 レベル1をタップすると、次のレベル2は消費2。


 ……レベル3くらいでいいか。

 調子にのって『レベル10』とか上げたら、とんでもないエロモンスターになりそう。


 さて、覚悟をきめてベッドの上のクエストに行きますか。 

 それは大人の階段をのぼるための冒険。

 女同士でのぼるもんじゃないけど―――




 

 ―――そして翌朝。 

 スマホのクエスト欄にあるノエルの名前の後ろには、【クリア】の文字がついていた。

 そして説明欄に書かれていた通り、ノエルにポイントをふることができるようになっていた。

 現在のノエルのステータスは以下の通り。


 ノエル


 職業:白魔法師


 スキル: 風魔法レベル1

      水魔法レベル1

      治癒魔法レベル5


 ノエルが自分の治癒魔法で病気を治し、外を歩けるようになったことは言うまでもない。


 この作品を読んで『面白かった』『続きが読みたい』と思った方は、ブクマや下の評価欄から評価をください。お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 素人考えだけど、 自身の強すぎる魔力が熱になって害を及ぼすのなら、 常に魔法を使い続けて、 自身の魔力を低い状態に維持すれば改善するんじゃないの? 魔素、つまりMPを消費すれば魔素中毒は直…
[気になる点] ミスターXの正体は何物かな? ラムスは今後、どう変わっていくのか? 一応ゲームの主人公だし。ひょっとしてサクヤと「ゆうべはおたのしみでしたね」になるのか? [一言] はい、ここまで一…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ