表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エロゲ世界でハーレム無双? ふざけんなあっ!  作者: 空也真朋
第一章 エロゲ世界クエスト
10/265

10話 ハーレム要員第一号ノエル

 「いた! ノエルちゃんだ!!」


 檻の中の少女は、たしかにゲームのラムクエに出てきたノエルちゃんだ。

 ちょっと幼い感じだが、たしかにそうだ。

 そういえば、ラムスも原作より少し若い気がする。 

 もしかして、この世界は原作より少し前の時代なのかな?


 「ま、それはともかく、これは千載一遇のチャンスだね。ここでノエルちゃんを買えば、第一関門はクリアしたも同然」


 「あ、あの、お姉さん? ……ケホッ」


 「ああノエルちゃん。あなたは私が今から買うからね。よろしくね」


 「……え? わたし、病気がずっと治らなくて動けなくて……ケホンッ。とてもお役に立てるとは思えません……ゴホッ」


 そうか。病気持ちだから、檻に『処分品』なんてついているのか。

 原作通りのハイスペック魔法使いだったら、とても手が出ない値段になっていただろうし、今だけは良かったよ。

 こんなこと思ってごめんね。

 その代わり、君の病気はきっと私が治してあげるからね。


 さて、値段は……二千パルーか。

 私の所持金は七千パルーだし余裕だね。


 「おい、いつまで関係ないものを見ている。コイツの値段は一万パルーだ。買うから、さっさとこっちに来い」


 「ああ、待って。その前にこの子を買うよ。商人さん、この子の手続きをお願い」


 「ふざけるな! 肝心の荷物持ちポーターはどうするのだ!?」


 「そっちも買うよ。私が出す分は五千パルーだよね。キッチリ残っているよ」


 「足りんのだ! オレ様は三千パルーしかない。サクヤが七千出せないのら、買えないではないか」


 「はい? 半々って話だったのに、どうして私が七千も出さなきゃなんないの?」


 「うっ……そ、それは、この場は少し借りようと思ったのだ。二千はあとできっと返すから……」


 「……ははぁ。手続きをすませて、あとに引けなくなった時に、それを言おうとしたね? 危ない危ない。商人さん、そっちはキャンセル。この子だけ買うよ」


 牛人の手続きを用意していた奴隷商人は、あっけにとられて私を見た。 


 「は、はぁ。お嬢様、よろしいんですか? そちらの娘は人気の羊獣人なんで処分せずに置いてるんですが、いつまでも病気が治らなくて、とても役に立つとは言えませんよ。やはり先ほどの牛人の方が、お役に立てるかと思いますが」


 「どっちにしろ、牛さんは今日は買わないよ。ラムスにお金に甘い所を見せたらダメ男一直線だ」


 「おいっサクヤ! きさま、そんなことを勝手に決めて……!」


 「お金は?」


 「……足りん」


 「と、いう訳。ラムスが自分の出す分をちゃんと貯めたら、改めて買わせてもらうよ」


 「へ、へえ。それじゃ【栄光の剣王】のみなさま、これからもどうかごひいきに」


 宿屋への帰り道。

 私はノエルちゃんの手を引きながらラムスの後を歩いていく。

 やっぱりラムスはプリプリ怒っている。

 

 「まったくサクヤ! きさまが、そんなにバカだとは思わなかったぞ。病気がうつってクエストが出来なくなったらどうするつもりだ!」


 「まぁ私はこういった病気の対処法はそれなりに知っているから、うつらないようにするよ。お金もためてノエルちゃんを治せるお医者さん……じゃなくて治癒師にもみせるつもりだし」


 「安くはないぞ。簡単に治せるなら、奴らはとっくに治して売りに出している。治癒師に治させたら割に合わないから、そのままだったのだ!」


 「ああ、そうか。ゴメン、牛ちゃんを買うのは当分無理だ。クエストは現状このままでいこう」


 「ええい腹が立つ! オレ様は先に帰ってるぞ! 飲まずにいられるか!」


 ラムスはドカドカ足を鳴らして行ってしまった。


 「あの……」


 と、手をつないで不安そうに私達を見ていたノエルちゃんが、はじめて話しかけた。


 「どうして、わたしを……ケホッ買ったのですか? 何のお役にも…ゴホッたてないのに…」


 それはね。ノエルちゃんにエロいことしてメロメロのアヘアヘにして、私の女にするためなんだよ。

 言えないって!!!

 ううっ企んでいることが、まったくの変態女で泣ける!


 「あの、お姉さん?」


 おっと、いきなり涙ぐんでしまった私を変な目で見ている。

 さて、何と答えようか。

 ごまかすにしても、あんまり目的と外れたことを言うのは良くないよね。

 そういうことをする流れにするために。


 「それはノエルちゃんが可愛いからかな」


 『可愛い』はじっさい嘘じゃない。

 モコモコな髪も可愛いし、顔立ちもかなり整っていてやっぱり可愛い。

 処分品にしてはそこそこな値段がついていたのも、容姿のおかげだろう。


 「可愛い……ですか。ケホッ、それだけでお買いになったのですか?」


 「うん、ホントにそれだけ……じゃなくて、あとは運命も感じたからかな」


 「運命……ですか? コホコホッ」


 「そう。ノエルちゃんはきっと、私とこうやって手をつなぐ運命だったんだよ」


 幼ない子供相手に、生まれてはじめて口説き文句とか言ってみたけど。

 やっぱり変な顔をされただけだった。

 でも心なしか、つないだ手が「ギュッ」と強くなったような気がする。


 「名前を……ケホッ教えてください……」


 「サクヤ。これからよろしくね、ノエルちゃん」



この作品を『面白い』『続きが気になる』と思った方は、ブクマや下の評価欄から評価をお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] なんでこいつ主人公に多く出させる気満々なんだよw ポーターが必要だと提案したのはラムスなんだから、 自分の方が多く出すべきだろ 金に汚い奴は駄目だ 前話で上がった主人公への好感が下落し…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ