17 先生
私の中学校には、学校のアイドルのような、新人の先生がいた。
先生の名前は、夏雪詩唖先生。
前世の私が中学にいた頃、新任で、来たその先生は、それはそれは可愛いと評判の先生だった。
私も前世はいい先生だと思っていたので、今世で、まだ中学にいたことは、少し嬉しかったりした。
そして、その先生が私たちのクラスの担任になった。
「カスども~小テストするぞ‥‥あぁダル」
まさか1年でこうも変わるとは思ってなかったが‥‥。
前世でも卒業したあとがこうだったのかと思うと、少し悲しくなってくるな。
昔は髪の毛も、きちんとくくり、スーツでビシッと決めてなんだか出来る人って感じだったのだが、今はジャージだ。
そりゃ顔がいいので、別に変ではないのだが、初めを知ってるゆえに酷く見える。
初めは兄の嫁候補の年上担当になってほしいと踏んでたんだが、これは予想外すぎたね。
まぁ、今世の兄が年上が好きなんて聞いたことないし、別にいいのかもしれないけどね。
でも年上とか憧れだよね! ね!
チェンジ前だったら、とてもいいお義姉さんになっただろうに‥‥。
惜しい人を亡くした‥‥。(死んでません)
「始め~。 時間は30分だから。 ‥‥あーあ、ゲームでもしようかな」
うわっ、この人黒板の前で堂々とゲームしだした! マジか!
でも、ここまで先生としては、ダメでもやっぱり人気はあるんだよなぁ。
やっぱ顔だね♪
本当に惜しい人を亡くした‥‥。(だから、死んでません!)
てかそろそろ真剣にテストしないと不味いな‥‥。
まぁ別にスラスラ解けるんだけどね。
ここ、前世でやったところだ!
という訳ではないが、勉強は結構していたからなぁ~。
よし終わった。
‥‥うわ~あの先生寝てるし‥‥。
先生って楽な仕事なんだな‥‥あの人限定で!
◆◇◆◇◆◇
「先生って楽な仕事ね」
「同じこと思ったけど、言っちゃダメだよ由南ちゃん‥‥」
でも、思ってることが一緒だなんて流石長年の友だね!
‥‥いやまぁあんなの見たら皆考えそうだけど。
「だって授業だって教科書に書いてあることを黒板に写してるだけでしょ? あんなのの、何処が先生よ」
前世でちゃんと勉強してたから理解は出来ているが、正直、何言ってるかわからないもんね。
「まぁ先生に当たり外れがあるなんて、よくあることだよ」
そう、高校になるともっと酷くなる。
中学のうちに知れて良かったね!
いや全然よくねーよ!!
「奈留がいてくれるから、わかってるけど、もしいなかったら理解するのに時間が必要だった」
由南ちゃんも頭はいい方だから、教科書何回か読めば、完璧に出来るようになるだろうけどね。
「まぁ、勉強は任せてよ!」
二回目だからね♪
「本当に奈留が勉強だけ出来て良かった」
「だけじゃないよ!」
良いことしてるのに酷くない!?
他に何が出来るのかは、自分でもよくわからないけど‥‥。
「そんな事より、テスト出来た?」
「そんな事よりって‥‥。 うん、そこまで難しくはなかったから」
しかし、先生のイビキなどで、精神攻撃を受けていたので、平均はいつもより低くなるかもね。
「奈留に聞くだけ無駄だったね。 じゃあ、そろそろ行ってくる」
「え? 何処に?」
「校長室」
「何で!?」
「いや、文句言えば、少しは改善されないかなぁって」
由南ちゃんの行動力がスゴすぎる!!
由南ちゃん曰く、結局今日は校長は何処かに外出中らしく学校にはいなかったらしい‥‥。
え!? 本当に行ったの!?




