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109 掃除の最中に

 つぼみさんが、連行されていった場所は図書室。


「ここで、掃除と新しく入った本の整理をしてもらう」


 それって中々大変なんじゃないかな?

 あ、ちなみに私は暇だったのでつぼみさんについてきてます。


「うぅ‥‥了解っす‥‥」


 そうして、詩唖しあ先生は監視のために残るのかと思いきや、そのまま図書室を出ていってしまった。

 あぁ、そこまでは頼まれてないのね。


「じゃあ、頑張ろうね」


 整理は任せろ!

 何せ、図書室には、よく入り浸っていて図書委員のほとんどの人に知られるぐらいなんだから。

 しかし、人見知りなので本を借りる以外に話したことはない!


「なにも言ってないのに手伝ってくれる、奈留なるちゃん、本当に素敵っす。 今、奈留なるちゃんが天使に見える‥‥」


「大袈裟だよ。 誰だって手伝おうと思うはずだし」


 あ、その誰だっての中には、詩唖しあ先生や部長のらん先輩等は含まれていないので。


奈留なるちゃんは本当に飾らないっすね。 でも、ありがとっす、奈留なるちゃん! 今度またお礼するっす」


 全然、気を使わなくてもいいのに‥‥。

 あ、別になんかよくわからない道具とか貰ったらどうしようとかそういうことを気にしているわけでは全然ないので!


「じゃあ、始めよっか」


「了解っす!」




 ◇◆◇◆◇◆




 二人でどちらをやるかを話し合った結果、私が新しく入った本の整理で、つぼみさんが床などの掃除をすることになった。


「結構多いな‥‥」


 これを種類別に、違う本棚に入れるのは中々骨が折れそうだ。

 やっぱり、つぼみちゃんを手伝って良かった。


奈留なるちゃーん、箒って何処にあるんっすか?」


「確か、そこの隅のロッカーの中のあったはずだよ」


「あ、あったっす。 ありがとっすよ~」


 ふぅ、これ昼休み中に終わるのかな?

 放課後やった方がいいような気がしてきた。


「お昼中には終わらなさそうだね」


「そうっすね。 ちょっと校長室にあるお掃除ロボット、拝借して来るっす!」


「ダメだから!」


 確かに楽だろうけど、校長絶対許さない、っていうか校長室にお掃除ロボットあるの!?


「でも正直、箒で掃いても、あんまり綺麗にはならないっすよね。 隙間多すぎて」


「ま、まぁね」


 あとは、塵取りに入れるとき、少し入らなかったりね。


「図書室ぐらい、掃除機置いておいてくれてもいいと思うっすよ~」


 まぁ、学校の掃除ってクラスの教室が主で、こういう所って中途半端になっちゃうしね。


「他の所もないと思うし、仕方ないよ。 じゃあ出来るところまで頑張ろ!」


「はいっす!」


 よし、私も本の整理頑張らなきゃ。


 でも色々な本があるなぁ。

 前世はもう卒業してた時期だし、こんな本が新しく入ったんだ。

 読んでないものも多いし、また借りて読んでみよっと。


 発売したばかりの新刊もあれば、古いものもあるんだ‥‥あれ?

 私はひとつの本の題名が目に入った。


 これって‥‥まさか‥‥。



 死と夢の楽園?

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