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平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【おまけの物語】

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そこでわたくしはハッとする

 デビュタントに参加できることになった。しかもドレスや必要な宝飾品や小物は、コルネ嬢が用意してくれたのだ。


「テレンス嬢、羨ましいです~。絶対にテレンス嬢はコルネ伯爵に愛されていますよね~。あーあ。私も今年がデビュタントだったら、コルネ伯爵はドレスを用意してくださったのかなぁ。モンクレルテ家はデビュタントが十五歳と決まっているんです。私、既に終わってしまったんですよね。でも二人のお姉様のデビュタントで、お父様、相当お金を使ったみたいで……私のドレスはいまいちでした」


 モンクレルテ子爵令嬢が珍しく口をとがらせる。するとルベール侯爵令嬢は……。


「モンクレルテ嬢。あなたはこれからも舞踏会や晩餐会にも参加できるのでしょう。その時にいくらでも着たいドレスを着ればいいじゃない。お給金も貰っているのだし、買えるでしょう?」

「それは……そうですね」


 ルベール侯爵令嬢の指摘に、モンクレルテ子爵令嬢は素直にわたくしに謝罪をしてくれる。


「ごめんなさい、テレンス嬢。たった一度のデビュタントなのに、私……」

「謝る必要はないですわよ、モンクレルテ嬢。このドレスを見たら……羨ましいと思うのも仕方ないと思いますわ。それに二人のお姉様が優先されたことは……悔しいわよね。それは素直な気持ちだと思うの。でも諦める必要はなくてよ。次の舞踏会でとびっきりのドレスを用意して、出席すればいいのだから!」

「そうよ。コルネ伯爵の侍女をして、どれだけ恵まれているか、見せつけてしまえばいいのだわ!」

「ルベール嬢、あまり焚き付けてはなりませんわよ」

「はーい」


 そこで話はひと段落かと思った。しかし……。


「ところでテレンス嬢は、どなたにエスコートしていただくのですか?」

「!」


 シャペロンは通常、母親や女性親族、年上のデビュタント経験のある女性がつく。今回わたくしのシャペロンにはマルグリット夫人がついてくれることになっていた。コルネ嬢がマルグリット夫人に頼んでくれたので、夫人は快諾してくれている。


 でもエスコートは……。


 婚約者がいれば、その男性に、いなければ兄弟や従兄弟など親族の若手の男性に頼む。場合によっては家柄が同格の独身男性が、エスコート役を担う。同年代の貴族の令息がエスコート役を令嬢に申し込むこともあった。


 シャペロンは必須で、同伴していないと社交界デビューができない。対してエスコート役は必須ではなかった。しかし最初のダンスの相手として、はたまた会場での紹介役として、エスコート役はいると心強い存在だった。


 何よりもいきなり見知らぬ若い男性と最初のダンスは、デビュタントでは控えるべきこと。


(公爵令嬢だったわたくしには、デビュタントの一年前からエスコート役の申し込みは来ていた。でもレグルス王太子殿下の婚約者選びが、秋にはスタートすると分かっていたのだ。ゆえにお父様はすべてお断りしていたわ)


 そして現在、平民となり、残された親族はわたくしと関わろうとはしない。


(でもそれは仕方のないこと。どうしたって父親との関係を疑われてしまうし、変な噂が立ちかねない。距離をとりたいと思う気持ちは理解できるわ)


 エスコートしてくれる男性にはいて欲しいが、コルネ嬢に「エスコート役も手配していただきたいです」とは絶対に言えない。既にドレスからシャペロンまでお膳立てしてくれたのに、それ以上を求めるなんておこがましい。


 それにエスコート役の男性まで気を回すと、口うるさい、やり過ぎとコルネ嬢が周囲から思われかねない。


(こうなったら自分で何とかするしかないですわ)


 かくしてわたくしはエスコートしてくれそうな男性を探すことになったが……。


(デビュタントは貴族のための行事。基本的に平民の身分でエスコート役は無理よ。そうなると知り合いになった使用人の男性に頼むのは難しいわ。彼らはみんな平民なのだから……)


 宮廷医のボルチモア医師は、平民でありながら、代々が宮廷医を務めていることから、扱いとしては限りなく貴族に近い。もしボルチモア医師が婚約していなければ、彼に頼むのが最適だった。


(でも最近、彼は婚約したのよ)


 婚約であり、結婚をしたわけではない。現在も未婚であることから、頼むことはできる。エスコート役の男性は未婚であることが求められるが、婚約の有無については問われない。


(だからといってボルチモア医師にエスコート役をお願いするのは、婚約者のダイアンに申し訳ないわ)


 そうなると一体誰に頼めばいいのか。


 デビュタントまであと二日となり、わたくしはいよいよ後がない。


 すると。


「今日コルネ伯爵と、テレンス嬢のデビュタントのエスコート役の話をしましたよ」


 この日はフレッシュチーズを含む数種類のチーズの盛り合わせが、わたくしのパトロンから届いていた。それを頂きながら、コルネ嬢の外出に同行していたモンクレルテ子爵令嬢の話を聞いていたのだけど……。まさかのわたくしのエスコート役について、コルネ嬢とモンクレルテ子爵令嬢が話したと分かり、これには驚きだった!


「なかなか条件に合う男性が見つからず、テレンス嬢が困っていると話すと、コルネ伯爵がアドバイスをくださいました!」


 ここは「どうしてそれを話してしまったのですか!」と言いたくなるものの。モンクレルテ子爵令嬢に悪気はないはず。そしてわたくしが困っていたのは事実であり、アイデアマンであるコルネ伯爵がくれたアドバイスがあるなら、これはぜひとも聞きたかった。ゆえにモンクレルテ子爵令嬢にそのアドバイスはどんなことだったのかと尋ねる。


「未婚男性で、子爵家の次男であり、協力してくれそうな令息が身近にいるのに――そうコルネ伯爵は言っていました」

「未婚の子爵家の令息……」


 そこでわたくしはハッとすることになる。


(確かに彼がいたわ……!)

お読みいただき、ありがとうございます~

さてエスコート役は誰になる!?

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