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平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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53/194

終わり

 王族の一員であるレグルス王太子殿下のこと。

 第二王女殿下に仕えているのだ。

 知らないわけではなかった。

 それでも相手は王太子。

 周囲には護衛騎士もいるし、第二王女殿下の居室とは離れた場所に私室がある。見かけることはあっても、会話などしたこともない。それに私が彼を認識していても、その逆はないはずだった。そう、あの日までは。

 

 仲秋に出会ったレグルス王太子殿下は、暗殺者に取り囲まれ、周囲には絶命した警備兵と護衛騎士という状況。そんな絶体絶命の大ピンチの中で、彼は冷静に動いていた。

 

 アイスシルバーの髪は煌めき、紺碧色の瞳は冴え冴えとしている。そして暗殺者を確実に仕留めて行く。

 

 自分の身を守り、私のことも助けてくれたのだ。

 

 レグルス王太子殿下は頭脳明晰、容姿端麗、運動神経抜群で、剣術の腕はソードマスターと変わらないと言われている。そして自分にも他人にも厳しく、笑顔を見せることがない。ゆえに感情のない完全無欠の王太子。氷のような王太子と評されていた。

 

 ニコリとも笑わないレグルス王太子殿下と私が関わること。それはこの事件の現場だけだと思っていたが――。

 

 自身が認めた人間には礼を尽くす。義理堅いレグルス王太子殿下により、私と彼の縁はつながれる。それどころか、私は彼の●●●を聞いてしまうのだ!

 

 そこからはもう、ポーカーフェイスでありながら、本音では子供っぽく、情感豊かなレグルス王太子殿下に、気づけば夢中にさせられていたようだ。絡めとられるように、王太子付きの侍女となり、あれやこれやと挑戦することになり……。

 

 とんでもない事件に巻き込まれ、大ピンチにもなった。

 

 だが、まさか、完璧パーフェクト王太子である彼から想いを寄せられているなんて……。まさに青天の霹靂だった。


 しかも既に国王陛下から許可をとり、何と私の両親にも打診済だという! 勿論、両親は大喜びで「ぜひに!」と快諾している。

 

 この世界、貴族の婚約&結婚は、当事者より、家同士のつながりが重視されるもの。ゆえに本人の意志にお構いなしで物事は進むと言うけれど……。いつの間に快諾していたんですか、お父様、お母様!だった。

 

 さらに私は三女ではあるが、侯爵令嬢。身分としては問題ないはずだが、行儀見習いをしている。使用人……侍女のくせに王太子殿下と~とケチをつけさせないために、尤もらしい理由と共に伯爵位まで授けられているのだ。

 

 何より、私の活躍を大々的に発表し、重鎮たちから貴族まで、覚えがめでたい状態にしている。

 

 レグルス王太子殿下は、完璧パーフェクト王太子の名に恥じない見事な采配で……何というかガッツリ外堀を埋められていた気がします!

 

 では外堀を埋められた私はというと……。

 

 困っているのか? いな、そんなことはない!

 

 なぜなら。

 

 晩秋を迎えたこの日。

 

 アイスブルーのセットアップに濃紺のマント、グレーのロングブーツのレグルス王太子殿下は、隣国の大使を迎えている。

 

 サラサラのアイスシルバーの髪に、切れ長な紺碧の瞳。陶器のような美しい肌に、高い鼻とシャープな顎のライン。形のいい唇はきゅっと結ばれ、その美貌な姿は男性さえドキドキさせてしまう。

 

 だがその表情は、氷のように涼やか。

 

 今日も感情のない完全無欠の王太子。氷のような王太子として、凛とした姿を披露している。

 

 だが大使が退出し、自身も謁見の間から出ると……。

 

 回廊の大きな柱に隠れるようにして、アイスブルーのドレスを着た私のことを抱き寄せる。

 

「ポリピア国の大使は、羽根ペンと算盤の件で、アンジェリカと話したいと言っていました。でもあの大使、アンジェリカのことをしつこくじっと見ていたのですが……」

 

《子リスはわたしの婚約者だ。だがポリピア国は砂漠の民であり、一夫多妻制であり、好きな女は奪うものという文化。書類上は婚約しているが、まだ婚約式もしていない。あのいけすかない大使が子リスに手を出したら……。その時は仕方ない。事故に見せかけて――》

 

「殿下! 大使を抹殺してはなりません! それに不安になる必要もありませんから。私は殿下の婚約者です。ポリピア国の大使など眼中にないですよ!」

「本当ですか……。というか、名前で呼ぶ約束です、アンジェリカ」

 

「というか」で不意に顔近づけたレグルス王太子殿下は、私の耳元で「名前で呼ぶ約束です、アンジェリカ」とささやいたのだ! しかもその声、とても甘やかで、吐息が耳や首筋にかかり、私は失神しそうになっている。

 

(あのクールな王太子はどこへ行ってしまったの!? こんなに甘い声でささやくなんて……反則(ご褒美)だわ……!)

 

「あ、殿下! コルネ嬢! そんなところで何をしているんですか! この後、大使との昼食会です。それに合わせ、着替えがあるのですから!」

 

 スコット筆頭補佐官に見つかった瞬間。

 

 レグルス王太子殿下の表情がキリッとしたものに変わる。氷のような完璧パーフェクト王太子に早変わり!

 

 たとえ私と婚約しても。レグルス王太子殿下は、感情のない完全無欠の王太子、氷のような王太子の呼び名を返上するつもりはない。

 

 つまり!

 

 私といる時にだけ見せる、レグルス王太子殿下の甘い姿。私にだけ明かす、レグルス王太子殿下の甘い本心。

 

 そう、そうなのだ!

 レグルス王太子殿下の甘々モードを堪能できるのは、世界広しと言えど、私一人!

 

 なんとも甘美な事実に、私は何度ニヤニヤと笑ったことか。

 

 外堀を埋めていただいて結構。

 私の心はレグルス王太子殿下を大好きになると決めたのだから!


 ♡~おしまい~♡

お読みいただき、ありがとうございます!

もし物語を楽しんでいただけましたら、ブックマークや☆評価で応援いただけると、とても励みになります!


おまけの物語も公開したいのですが、書いたら読んでいただけるでしょうか……?

いいねでの反応お待ちしています☆彡


土曜日からは『悪役令嬢はやられる前にやることにした』の視点更新もスタートです。

引き続き物語の旅を読者様と楽しめると幸いです~

よろしくお願いいたします!

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