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平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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初めて

「君のことが好きです」

「え、あ、はいっ! ……はい……?」


 すぐには何を言われたか理解出来ず、思わず「はいっ!」と返事をしてしまった。


(ちょっと待って。私、このテラスに来る途中にも聞こえるはずのない、くすくす笑うような声が聞こえたのよ。今も空耳だったのかもしれないわ)


 そこでおずおずと確認する。


「あの、レグルス王太子殿下、今、何もおっしゃっていませんよね!?」


《……! まさか意を決して伝えた言葉、なかったことにされたのか……!》


(うわー、空耳じゃなかったのね!? しかも今の私の一言で……)


「で、殿下、泣きそうになっています……?」


 あの完璧ポーカーフェイスから一転、うるうるな瞳になったレグルス王太子殿下は、今にも泣きそうな表情になっている!


 こんな時、私は前世の刷り込みで、最大級の謝罪の気持ちを伝えようとして……。


「殿下、ごめんなさい!」


《!? な、なぜ、突然床に座り込んで……! しかも「ごめんなさい!?」だと! つまりわたしの気持ちを受け入れることは出来ないと!?》


「ち、違います! そう言う意味ではなく、そ、その、殿下の言葉が私に向けて言われた言葉だとは咄嗟に思えなくて……驚いて、きっと聞き間違いだと思ってしまったんです! 決して殿下の言葉を、なかったことにするつもりはありません!」

「分かりました。今の『ごめんなさい』も、勘違いしたことに対する謝罪だったのですね」

「そうです!」


《良かった……!》


 レグルス王太子殿下が、心底安堵する表情になるが、私だって「誤解がとけた〜」と力が抜けそうになる。


「コルネ嬢、せっかくのドレスも汚れてしまいます」


 レグルス王太子殿下は自ら跪き、私が立ち上がるのを手伝ってくれる。


「ありがとうございます……!」


 脱力していたので、そのまま支えられるようにして立ち上がったのだけど……。


「あっ!」「!」


 テラスは大理石の床で、とても綺麗に磨かれていた。思わず土下座をしてしまったが、レグルス王太子殿下が言うようにドレスが汚れることはないだろうというぐらい、ピカピカ。そして今、私は立ちあがろうとして、そのスベスベの床に滑り……。


 ぽすっとレグルス王太子殿下の胸の中へ飛び込んでしまった。


 突然の出来事だったけれど、レグルス王太子殿下は抜群の運動神経の持ち主で、そのまま私を受け止めてくれたのだ。


(あっ、とってもいい香りがする……)


 レグルス王太子殿下のつけている香水に胸がときめく。


(ち、違うわ! そうではないでしょう!)


 慌てて体を離そうとしたところ「もう少しだけ……このままで」と甘いささやき声が耳元に届き、心臓がドキーンと反応する。


(こ、声、近い!)


 ドクドクと心音が激しくなっていく。


《なんて華奢なのだろう。まるで繊細なガラス細工のようだ。力を入れたら、壊れてしまいそうだ……でも、もっと強く抱きしめたい……いや、ダメだ。そもそも彼女はわたしの告白に返事もしていない。恋人でもない相手に抱きしめられたら、不快だろう》


(!? レグルス王太子殿下は……なんて誠実なの! 立場を盾にすることも出来るのに、あくまで真摯に向き合ってくれるのね)


「……失礼しました。足元が滑ったようですが、挫いたり、捻ったりされていませんか?」


 レグルス王太子殿下はサラサラと髪を揺らし、私をゆっくりその胸の中から解放しながら尋ねる。


「は、はいっ、大丈夫です。……殿下が謝罪する必要はありません! 私が滑って一方的に抱きついてしまったので……申し訳ありませんでした」


 すると、くすくす笑う声が聞こえる。

 それはテラスへ来る時に聞こえたのと同じ笑い声。そしてその声のぬしは……。


(レグルス王太子殿下……!)


 初めて見るレグルス王太子殿下の笑顔。

 月光を受け、輝くようなその笑顔は、拝みたくなる美しさ。


(この笑顔で寿命が百年延びた気持ちになるわ……!)


 思わずうっとりしてしまうが、そうではない!


「転倒しそうなレディを助けるのは当然のことです……ここはお互いに謝罪は不要でしたね」

「! そうですね。……ありがとうございました」

「どういたしまして」


 レグルス王太子殿下の紺碧色の瞳と目が合う。まさに星空のような瞳は、月明かりで煌めいている。


(なんて綺麗な瞳なのかしら……)


「一旦、座りましょうか」

「そうですね」


 改めてラタン製のソファに座ることになった。


 レグルス王太子殿下は床に落ちたショールを拾い、バサッと一度力強くゴミを払うようにした後、改めて肩に掛けてくれる。


(床はピカピカだから、無問題なのだけど)


「ありがとうございます、殿下」


 私の言葉に、レグルス王太子殿下が微笑む。その微笑みも初めて見るものだが、とにかく素敵だった。


「話を戻してもいいでしょうか」


 自身もソファに腰を下ろすと、レグルス王太子殿下が私を見て尋ねた。

お読みいただき、ありがとうございます!

次話は明日のお昼に公開です〜


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