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平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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深い悩み!?

 最初のダンスはあっという間に終わってしまった。緊張よりも、レグルス王太子殿下に始終ドキドキして終了だった気がする。


「緊張されましたか?」

「そ、そうですね。あまり舞踏会に行ったこともないですし、ダンスを踊る機会もなかったので……ですが、殿下とのダンスは踊りやすく、気持ち良かったです」

「……そうですか。それは良かったです……!」


《子リスは満足そうだ。まずは第一段階はクリアだな》


(第一段階?)


 ホールの中央からはけたが、多くの参加者がこれからダンスになる。数メートル先には、最初のダンスを終えたレグルス王太子殿下を待ち受ける令嬢の姿が見えている。


(レグルス王太子殿下は、これから大忙しね。私は顔見知りのみんなとおしゃべりをしようかしら)


 そう思い、もうエスコートはいいだろうと、手を引っ込めようとしたが……。


 軽くではあるが、レグルス王太子殿下から手を掴まれた。


「???」

「どちらへ行かれるのですか?」

「役目は終わったので、皆さんと少しお話をしようかと」


 そう答え、レグルス王太子殿下の顔を見上げる。すると彼は落ち着いた表情で、突拍子もないことを言い出す。


「そうですか。特に予定がないようでしたら、わたしにお時間をいただけないでしょうか?」

「……あの、殿下はその立場上、社交を、令嬢の皆様とダンスをする必要がありますよね? 婚約者候補の令嬢もいらっしゃっていますし、婚約者候補から外れた令嬢とも、礼儀としてダンスをされますよね?」

「本来はそうです。ですが今日の舞踏会はコルネ嬢たちを労うことが目的。父上とも話し、最初のダンス以外は、無理に社交をしなくてもいいと、許可をもらっています」


 これには「えええっ!」とつい大声を出しそうになり、慌てて呑み込む。


(そんな許可を出すなんて!?  何か余程のことがあるからよね? ええっと、何か相談でもあるのかしら?)


 考え込む私をそのままエスコートし、レグルス王太子殿下は令嬢たちの前を通り過ぎて行く。


 流石にこれには申し訳なくなり、わたしが頭を下げてしまう。


「律儀ですね」

「みんな殿下を待っていたのですから」

「……興味がないと答えたら、怒りますか?」

「!?  怒ることは……私の立場からは出来ません。ですが殿下の名声のためにも、社交をなさった方が良いかと……」


 するとクスクスと笑う声が聞こえ、私はハッとして周囲を見る。でも既にホールの端に移動しており、近くに人はいない。


(えっ、空耳!?  もしかして霊的な声が聞こえてしまったの!?)


 いきなりのホラーは勘弁と思ったものの、それよりも──。


「レグルス王太子殿下、どちらへ行くのですか!?」

「テラスへ出ようかと」


「外に出るのですか!?  もう秋も深まり、外は寒いですよ、殿下……」と言いたくなるが、そんなことは言えない。


 だがテラスに出てビックリ。


 大理石の床には等間隔で金属製の火鉢がいくつも置かれ、パチパチと燃える炭が見えていた。


 つまりテラスは「さむっ!」という状況ではない。


「こちらへどうぞ」


 ラタン製のソファが置かれ、そこには毛皮が敷かれ、そしてウールのショールも用意されている。


「寒くはないですか?」


 ソファに座った私の肩に、ウールのショールを羽織らせながら、レグルス王太子殿下が尋ねるが……。


 そばには火鉢もあり、ソファには毛皮が敷かれている。その上でウールのショールを纏ったのだ。


(まだ冬というわけでもないし、これだけ防寒してくれれば、快適だわ)


「寒くはないです。ちょうどいいです」

「それは安心です。これなら少し、ここで話せますね」

「はい」


 返事をしながら思う。


(事前に全て準備してしていたのよね? ここで何か私と話すとあらかじめ決めていた……って、一体何を話すつもりなのかしら!?)


 彼の心の声を探るが、聞こえてくるのは──。


《絶対に成功させる》


 強い決意ではあるけれど、何を成功させようとしているのかは……不明だった。


「こうしていると、すぐ向こうでは舞踏会が続いているのに、何だか別世界にいるように思えませんか?」

「そう言われると……。耳を澄ませば、秋虫の声、夜空には煌めく星と月。まるで世界から切り取られた空間に、レグルス王太子殿下と二人きりの気分です」

「……まさにわたしが言いたかったことと同じです。ずっとこんなふうにコルネ嬢と二人きりになりたいと思っていました」


(そ、そうなんですね……! どうやら深刻な悩みがあるみたいだわ)


 ここはちゃんと相談にのろうと背筋を伸ばす。


「殿下、安心してください。ここなら秘密は漏れません。どんな悩みでも話していただいて大丈夫です。口外はしませんし、解決策は全力で考えます!」

「悩み……そうですね。これはある種の悩みかもしれません」


 そう言うとレグルス王太子殿下が視線を大理石の床に落とす。横顔を見ていると、睫毛の長さと、シャープな顔のラインが際立つ。


「わたしは……現在の婚約者候補から一人を選ぶつもりはありません」

「なるほど。想い人がいるのですね」

「なぜ、そう思うのですか?」

お読みいただき、ありがとうございます!

次話は夜に更新します(仕事終わり次第)

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