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平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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みんなの気遣い

 スコット筆頭補佐官の言う通りで、ブランチを終えた私のところへ宮廷医ボルチモアがやって来て、問診が始まった。


 火災現場で意識を失ったものの、レグルス王太子殿下がすぐに私を救出してくれた。そのおかげで地面に頭をぶつけることもなく、また火傷もなく、ぐっすり眠って気持ちよく目覚めることになった。


「鎮火には未明までかかるような大火災でした。その状況下で無傷で済んでいるのは……まさに奇跡です。救出に当たったレグルス王太子殿下には、本当に心から感謝しないとダメですよ、コルネ嬢!」


 宮廷医ボルチモアからもそう言われると「そうですよね!」となり、レグルス王太子殿下が来るのに備え、自室へ戻ろうとしたところ、メイドに声をかけられた。


「レグルス王太子殿下からは、こう申し付けられています。『宮殿よりさらに警備が強固なこちらのお部屋でコルネ嬢が気持ちよく滞在できるよう、お手伝いしてください。必要なものがあれば、この部屋へ運ぶように。足りないものは、費用は負担するので気兼ねなく購入するように』と」


 これには「ちょっと甘やかしすぎではないですかー!?」と思ってしまうが、王太子の命令。私が勝手に行動すれば、王宮付きの使用人が注意されてしまう。


「分かりました。ではこの後、レグルス王太子殿下に会うことになるので、私の部屋からデイドレス数着、持参いただけますか。その際、ドレッサーに置かれている宝石箱も一緒にとってきていただけると助かります」

「かしこまりました! お待ちくださいませ」


 こうして私はアクアグリーンのドレスに、レグルス王太子殿下がプレゼントしてくれたエメラルドグリーンのイヤリングをつけ、彼の到着を待つことになった。


 ドレスに着替えることもできたので前室へ移動し、ビックリすることになる。


 そこにはソファセットに加え、ダイニングテーブルが置かれていたのだけど、そのあちこちに花が並べられていたのだ。


「あの、この沢山の花は?」

「はい。すべてお見舞いで届けられた花です」

「! そうなのですね……!」


 そこで侍女はレタートレイを持ってきて、沢山のメッセージカードを渡してくれる。


 確認すると、私の家族、国王陛下夫妻、コーデリア第二王女、使用人仲間、宮殿の厨房で働く料理人、パティシエのみんな、ダイアンをはじめとした鍛冶職人たち、レグルス王太子殿下の婚約者候補だった令嬢の皆様、そしてテレンス公爵令嬢からのメッセージもあった。


「皆様、お見舞いの花束とメッセージカードを、今朝お届けになりました」

「そうだったのですね……。そういえば寝室のハイビスカスの花は?」

「あれは温室で摘んだもので、レグルス王太子殿下が自らお持ちになりました。明るいオレンジとイエローのハイビスカスは、大変珍しいお色だそうです。コルネ嬢のイメージにピッタリだとおっしゃっていました」


(そんな貴重な花をお見舞いで……! 命を救っていただけただけでも御の字なのに。ここはちゃんと御礼の気持ちを伝えないといけないし、何か困りごとがあったら解決すると提案しなきゃいけないわ!)


 気持ちは急くが、レグルス王太子殿下も暇な身ではない。公爵への尋問もしつつ、滞在中の大使のもてなしもして、かつ執務もこなす。そうなるとスコット筆頭補佐官から私が目覚めたと連絡を受けても、すぐに来ることはできないのだろう。


(怪我を負ったわけでもなく、ぐっすり眠って目覚めて元気という状態なのよ。私も働いた方がいいと思うのだけど……。スコット筆頭補佐官は『今日一日ぐらいは休んでください! もしコルネ嬢が仕事をしていると殿下が気付いたら、僕が怒られます!』と言っているのだ。ここは大人しくするしかないわね)


 そこで浮いた時間を使い、お見舞いの花を届けてくれたみんなに御礼の手紙を書くことにした。


 カリカリと羽根ペンを走らせる音が響く中、メイドから伝えられたことは……。


「コルネ侯爵夫妻がいらしています。宮殿の応接室へご案内していますが、お会いになられますよね?」

「はい! 会いたいです!」


 両親が何かと気に掛けるのは二人の姉で、私への関心は薄いと思っていた。だが今回の件をレグルス王太子殿下から知らされ、両親は眠れぬ夜を過ごしたという。そして私が目覚めたという知らせをスコット筆頭補佐官からもらい、居ても立っても居られず、訪ねてくれたのだ!


「本当に無事で良かったぞ、アンジェリカ」

「これからはあぶないことに首を突っ込まないのよ、アンジェリカ!」


 涙ぐむ両親は、二人の姉からの手紙も手渡してくれる。


 秋は地方領に滞在している貴族が多い。二人の姉も今は王都を離れており、伝書鳩で今回の事件について知らされ、急ぎ手紙を届けてくれたのだ。


 改めて家族の温かみを感じ、両親が帰ると、私は再び手紙を書き始める。


 気づけば時間はティータイムに近い。


(ブランチだったから、この時間、少し小腹がすくわね……)


 そう思っていたらメイドが「夕食までまだ時間がありますが、少しお腹も空いたのでは? 軽食をご用意しましょうか?」と提案してくれる。


 これは「ぜひに!」と快諾し、書き終わった手紙に封蝋を押していると……。


 ダイニングテーブルにはひよこ豆のサラダ、キッシュ、タルト、生ハムとオリーブとピクルスの盛り合わせなど、どんどん並べられていく。


(!? 軽食……なのだけど、品数が多いわ! これ、一人ではとても食べ切れないわよ……)


 そう思ったまさにそのタイミングで扉がノックされる。


「失礼します、コルネ嬢。レグルス王太子殿下です」


 スコット筆頭補佐官の声が聞こえたと思ったら、なんとレグルス王太子殿下がやって来た!


(あ、もしかして……私がブランチをとったと知り、次に小腹が減るタイミングのティータイムに合わせ、訪問してくれたのでは!?)


 気遣いができるレグルス王太子殿下だ。間違いないだろう。


《子リス、目覚めたのだな……! 本当に心配をかけさせて!》


 アクアブルーのフロックコート姿のレグルス王太子殿下は、心の声では感情を爆発させているが、その顔はいつも通りの美貌のポーカーフェイス。


 ソファから立ち上がり、私はカーテシーで挨拶をする。


「レグルス王太子殿下、この度はいろいろとありがとうございます」

「ご無事で……何よりでした」


 ふわりと感じる清涼感のある香り。


 気づいたらふわりとレグルス王太子殿下に抱きしめられていた。

お読みいただき、ありがとうございます!

次話は22時頃に更新予定です

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お楽しみくださいませ〜


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