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平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
【おまけの物語】

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彼女と女友達

 私は、アルラーク隊長を品定めする貴族から守るつもりで、同伴者になることを申し出た。でも蓋を開けたら、アルラーク隊長は自身のことはもちろん、私のこともしっかり守ってくれたのだ!


 コランダ伯爵は闇カジノの話題が出た後から非常に大人しくなり、もうアルラーク隊長に余計なことは言わなかった。


(コランダ伯爵はいつかその身から錆が出るかもしれないわね)


 そして晩餐会自体は和やかな雰囲気と共に終了。その後は男女で部屋を別れ、社交の時間となる。


(ここはアルラーク隊長の頑張りどころ。でもスコット筆頭補佐官やボルチモア先生も一緒だから、きっと大丈夫ね)


 別室への移動が始まった際、アルラーク隊長が私にこんな提案をする。


「ルベール嬢。この後、男女分かれて隣室へ移り、そこで行われる社交がとても重要であることは承知しています。歓談は二時間ほど続き、二十四時の鐘に合わせ、終了になると聞きました。そこで終了となる三十分前に、少し自分と話す時間をいただけませんか?」

「あ、はい。それは構いませんわ。では時間になったら控え室でお待ちしています」

「ありがとうございます」


 そこからはアルラーク隊長とは分かれ、別室へ移動となる。


 コルネ伯爵は令嬢とマダムに取り囲まれ、私はテレンス嬢とダイアンと話すことになった。


「驚いたよ、ルベール嬢! あんたあんなイイ男といつの間に知り合ったんだい!? お付き合いしているのかい!?」


 ダイアンはワインを片手にその瞳を輝かせる。


「まさか! 実はコルネ伯爵の婚約式の事件の時に知り合ったのです」


 そこであの時の事件を担当したのがアルラーク隊長であり、そこで知り合った後、街で偶然再会。何度か食事をしたり、お茶をしたことをきっかけに、今回同伴してもらうことになったと打ち明ける。


「なるほど。貴族になるからといって、貴族の流儀に慣れているわけではない。ルベール嬢がいれば、いろいろ教えてもらえるもんね。そうかい。じゃあ、お友達として同伴されたわけか」

「あら、そうとは限りませんわよ」


 テレンス嬢はジャンジャーエールをシャンパンのようにいただきながら、こんなことを言い出す。


「アルラーク隊長……ウォーデン男爵のこと、チラチラ見ているご令嬢は結構いたのよ。今回晩餐会に招待されたのは、有力貴族ばかり。正直、結婚相手は格上の令息を……と考える方々が多いわ。ウォーデン男爵は本来、そういう対象として見なさないはずなのでしょうけど……。あの儀礼用の王都警備隊の隊服。騎士の礼装に負けないぐらい、素敵だったわよね。マダムさえ見惚れていたわ。つまり熱い視線をウォーデン男爵に送る令嬢は結構いたのよ」


 テレンス嬢にそう言われた私は「えっ!」だった。


 というのも貴族の洗礼は、相手が男性なら、いちゃもんをつけるのも男性である。つまりコランダ伯爵のような悪者がいつ現れないか。正直、私は男性ばかりに目を配り、令嬢とマダムのことは全く気にしていなかったのだ。


(でも……そうよね。アルラーク隊長は若く、騎士みたいに素敵だわ。そして貴族の女性は騎士もそうだが、隊服姿の男性に弱い。何というか、その装いをしていると、いつも以上にハンサムに見えると思うの)


 アルラーク隊長と結婚したいと考え、熱い視線を送る令嬢が多数いたとしてもおかしくない。しかもアルラーク隊長からしたら格上の令嬢ばかり。もし彼女たちと上手くいけば、いきなり伯爵になれる可能性だってあるのだ。きっとアルラーク隊長も満更ではなかったはず……。


「あれだけ熱い視線を送られたら、少しはニヤニヤしたり、あわよくばと思ってもおかしくないと思うの。でもね、ウォーデン男爵はそういった視線を一切無視しているのよ」

「え、そうなのですか!?」


 これには驚いてテレンス嬢をじっと見てしまう。


「ウォーデン男爵はずーっと。ただ一人の女性のことを気にしていたのよ。それは誰かわかります?」

「もしかしてあたしかい?」

「もう、ダイアン様ったら! 違いますわ。ルベール嬢ですわよ!」


 これには私はビックリして、一瞬何かを期待しそうになる。


(違う、違うわ、変な勘違いをしてはダメよ。アルラーク隊長は真面目で女性慣れしていない。そんな熱い視線を送られても、耐性がなかったのよ。それで私に集中しているフリをしてやり過ごしたのだわ)


 私はそう必死に思うとしているのに、ダイアンは「おや! じゃあ男爵様はルベール嬢にゾッコンなのかい!?」なんて言い出し、テレンス嬢まで「わたくしはそう見えましたわ」と応じるので、二人に「違います!」と言うので大変!


「あら、ここは何だか盛り上がっているわね。どんな楽しいお話をしているのかしら?」


 コルネ伯爵がニコニコと笑顔で、侍女として同行しているモンクレルテ嬢とララ嬢と共にやって来て、この架空の『アルラーク隊長はルベール嬢が大好きらしい』の話に乗っかってしまう。そうなると私は「違います! 勘違いです!」と何度も否定することになった。


お読みいただき、ありがとうございます~

もうニマニマして読むしかないっ!

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