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平凡な侍女の私、なぜか完璧王太子のとっておき!  作者: 一番星キラリ@受賞作発売中:商業ノベル&漫画化進行中
 

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いきなりの午後半休

 昼食の後、レグルス王太子殿下は会議に入り、その後のティータイムは来賓の特使夫妻と過ごすことになっている。


「今日はもう仕事は終了で構わないですよ。夜は特使夫妻と王侯貴族での晩餐会ですが、そこは別途給仕がつきます。その後、多少書類仕事をされますが、入浴の準備などは専属のメイドもいますので。また明日、よろしくお願いいたします」


 スコット筆頭補佐官にそう言われてビックリ! あれだけ高い給金をもらっているのに、いきなり午後半休をもらえるような状態なのだから!


「よろしいのでしょうか……?」

「ええ、そうするよう、殿下からも言われています。元々、専属侍女がいたわけではないのです。新たに設けられた枠というか。よって必須でやっていただきたいことがあるわけでもないので」


 そう言われると、普通にこの疑問が湧く。


「なるほど。わざわざ今回、専属侍女を置いた理由は何なのでしょう?」

「さあ、それは殿下のみぞ知るというか……。ですがコルネ嬢は大変優秀です。粉薬の飲み方を考案されましたし、殿下への対応も気が利いています。まさに小腹が空いたタイミングであの美味しいチーズ&コンフィを用意してくださったじゃないですか」


 そこでスコット筆頭補佐官は胸の内を明かす。


「僕も普段から殿下のあの無表情から気持ちを汲み取り動くようにしていますが、あなたほどの対応はできません。コルネ嬢は殿下の気持ちの一歩先を行かれているというか。まさに痒い所に手が届く対応ができるとも言えます」


(それはレグルス王太子殿下の心の声が聞こえてしまうからで……)


「何より訓練された兵でも騎士でもないのに、機転をきかせ、殿下を助けようとした。そこが殿下としては気に入られたのかもしれません」


 スコット筆頭補佐官の分析をまとめると、私はレグルス王太子殿下から見て「使えそうな人間」であるということ。コーデリア第二王女殿下も「信頼した相手にはとことん入れ込むタイプ」と自身の兄のことを評していた。やはり私を使えそうな人間とみなし、登用することにした……それが今回これまで置いていなかった専属侍女を抜擢した理由で間違いなさそうだ。


 何はともあれ、時間ができた。


 そこで私は思いつく。


 宮殿の敷地内に鍛冶工房があったことを。

 この鍛冶工房は王家専属で、王族の乗る馬車や馬のための馬具、王族の持つ剣の刀身や剣先の補修から製造などを一身に引き受けていた。


(私が欲しいもの、もしかしたら鍛冶工房で用意できるかもしれないわ)


 そう思ったものの。

 いくら宮殿で侍女として働いていても、鍛冶工房と接点はない。


(誰か鍛冶工房にいる職人と知り合いという人はいないかしら?)


 そう思いながら宮殿内の廊下を歩いていると、白衣に本を数冊手にした見知った顔に遭遇する。ブルネットの長髪で、黒曜石を思わせる涼しげな瞳をした若い青年と言えば……。


「ボルチモア先生!」

「おや、コルネ嬢。どうされたのですか? 殿下のお使いですか?」

「いえ、違うんです。殿下は午後、会議や特使とのティータイム。私の今日の侍女としての役目は終了しました」

「なるほど。そうなのですね」


 そこで私はふと思いつきで尋ねてみる。


「ボルチモア先生は、宮殿の敷地内にある鍛冶工房に知り合いはいたりしませんよね……」

「いますよ。ダイアンという女性で、鍛冶職人をしています」


 これにはビックリだが、宮廷医ボルチモアもダイアンも、実は宮殿の敷地内で生まれ育っていた。


 父親が宮廷医だったボルチモア先生は、宮殿の敷地内に家を与えられており、そこで両親と共に暮らしていた。同じように、王家専属の鍛冶職人たちは、工房のそばに住居があった。そこで家族と生活している。


 宮廷医も鍛冶職人も。有事の際には欠かせない存在のため、この住み込み方式だった。


「女性の鍛冶職人は珍しいですよね? でも彼女の父親が、王家の宝剣と言われる剣をいくつも手掛けた伝説的な鍛冶職人なんです。ダイアンはそんな父親を尊敬し、鍛冶職人になったんですよ。でも彼女は武具よりも、装飾鍛金が得意。ダイアンが手掛けた装飾品は、宮殿のあちこちで見られますよ」


 これを聞いた私は思わず目が輝いてしまう。


「ボルチモア先生、そのダイアンさんを紹介いただけないでしょうか!」

「!? え、ええ、構わないですよ。間もなくティータイムで、鍛冶職人たちもこの時間は休憩をとります。厨房に寄って、ちょっとスイーツを分けてもらい、手土産にしてダイアンのところへ会いに行きましょうか」

「ぜひ、そうしましょう!」


 こうして厨房に向かうと、すっかり顔なじみになったパティシエに声をかけ、多めに作ったという三種のブドウのタルトをホールで一つもらうことができた。それを手土産に、ダイアンのいる鍛冶工房を目指す。


 そこで出会ったダイアンは、赤毛にそばかすのぽっちゃり唇の色白で……。


「まあ、可愛い子リスみたいな侍女さんじゃないか! なんだい、ミハイルの恋人かい!?」


 明るく陽気な性格のようで、ウエルカムで私のことを迎えてくれた。

お読みいただき、ありがとうございます!

次話は明日の13時頃公開予定です!

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― 新着の感想 ―
えーと、連載当初から「子リス」なのか「小リス」なのか混在していて混乱します。 統一して欲しいです。 日本語的には「子リス」な気がしますが…
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