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令和元年5月22日(水)「ちょっとだけ心配事があるの」日野可恋(おまけ)

「文化祭って確か10月下旬だよね。それよりは2週間後のキャンプの方が気になるよね」


 職員室からの帰りにひぃながそう言った。この学校の文化祭は転校前だったので経験していないが、年間の行事案内ではそう書かれていたはずだ。


「キャンプって、わたしは初めてなんだけど、可恋は?」


「大阪にいた頃は空手道場で子ども向けのキャンプがあって、日帰りのは参加したことある」


「どんなことするんだろう」


「学校によるんだろうけど、定番はみんなでご飯作りだね」


「あー、確かにそうだよね。可恋の手伝いができるくらいにはなりたいなあ」


「私が作ると他の人の仕事がなくなるから、料理は見てるだけにするよ」と笑ってみせる。


「う、うぅ……でも、可恋に任せてばっかりじゃダメだよね。よし、頑張るよ!」


「食べられるものさえ作ってくれればいいよ」


「もー! ちゃんとおいしいもの作るから!」


「期待してるよ」と私はひぃなの頭をぽんぽんと叩く。ひぃなは少しむくれた顔を見せたが、すぐに心配そうな顔になって「可恋、体調は大丈夫そう?」と聞いてきた。


「まだ先だからね。さすがに今からは予測不能」


「そっか」


「でも、キャンプは無理してでも行きたいな」


 ひぃなが驚いて私を見る。


「ちょっとだけ心配事があるの」


 ひぃなも薄々気付いているはずだ。今だってわざわざ一緒に来てもらったのだから。どこまで話しておくべきかは状況次第だけど、少しは危機感を持ってもらう必要があった。


「気になるってレベルだから、すぐに何か起きそうって訳じゃないけど、何か起きてからじゃ遅いからね」


 ひぃなが深刻そうに頷くのを見て、「私か安藤さんと常に一緒にいることさえ守ってくれれば大丈夫だから」と軽い感じで言っておく。


「分かった」


 ひぃなに心配させずに守れればいちばん良いけど、自分ひとりの力には限界がある。打てる手はすべて打っておかないとね。私はひぃなを安心させる言葉を並べながら、今後の計画を綿密に練り始めた。

おまけなのに百合成分低くて済みません。

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