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それから二週間程たち、おじいさん達が来る日となった。
その二週間の間に無事に小屋は完成した。
地魔法の石と木材で作ったシンプルな小屋だ。しかし、何もない土地なので広さはそれなりにある。
それに、おじいさんの空間魔法とおばあさんの錬金術で内部を拡張しているので見た目以上に中は広い。
ちなみにおじいさんの空間魔法だけでもおばあさんの錬金術だけでもこの小屋の拡張は成り立たないらしい。
空間魔法だけだと維持が、錬金術だけだと拡張能力に問題があるらしく二人の合作となっている。
しかし、前から思っていたが、魔法は謎だらけだな。拡張した分の床や壁、天井等の木材はどこから来たのだろうか?
そもそも、火や水や石もどうやって現れるのかさっぱりだ。
まぁ、ともかくとして、小屋が完成したため次からは小屋の中で仕事が出来るようになった。
鍛治部屋や錬金部屋もあるのでこれから色々教えてもらえるだろう。
狩りに関してはゴブリンとの戦闘はゴブリンの繁殖力のおかげで毎週続いている。たまに戦うオークが気分転換に丁度良いくらいだ。
クイーンハニービーには毎回ハチミツをもらい、代わりに果物を渡している。気に入った果物の種を近くに植えたので上手くいけば今後ハニービー達で採取出来るだろう。
その他の狩りは狩りすぎでモンスターが減ってきていたので行き当たりばったりの狩りに変更になった。
サクヤちゃんもクイーンハニービーの時はついてくるのでおじいさんは嬉しそうだった。
従魔達も交代で狩りに参加しレベル上げや連係の練習をした。
狩りの中で従魔にも変化があった。
クイーンが進化したのだ。元々レベルも高かったし、俺達と一緒に狩りを続けていたのでいつかは進化すると思っていたので『やっとか』という思いも少しある。
進化後のモンスターは『シルバーウルフ』だった。能力的にも高く良い進化なのだろう。
おじいさん曰く、森で進化すると大抵は『フォレストウルフ』になるらしいので珍しがっていた。
それと、新しい従魔も増えた。『シルクスパイダー』と呼ばれるシルクの材料となる糸を出すモンスターだ。
狩りの最中たまたま見つけたのだが、子猫程の大きさの蜘蛛なので見つけた瞬間倒そうとしておじいさんに止められてしまった。
見つけにくく、弱いモンスターなのでシルクスパイダーの生地は高級品らしい。上手く世話をできれば良いんだが…。
ちなみに孤児院に連れていったとき子供達は蜘蛛を怖がる子と平気な子と半々くらいだった。
おじいさん達と町に戻り、門番の兵士のところでふと疑問に思ったことを聞いてみた。
「そういえば、ふと思ったんだけど、おじいさんが竜の森の近くに小屋を建てたけど税金とかは無いの?」
「あぁ、それは問題ないじゃろ。あの辺りはこの国の物ではないからのう。」
「そうなの!?てっきりこの国の領地内だと思ってた…。」
「なんだ坊主、そんなことも知らなかったのか?」
俺達の会話を聞いたいつもの兵士が会話に入ってきた。
「あそこは資源が豊富だから当然この国は領地にしようとした。だが、あそこは龍の住む山。支配しようと昔軍を出したが返り討ちにあい軍は全滅。それから国は領地にすることを諦め、あそこはどこの国にも属さない土地になったんだよ。だから、あの辺りに小屋を建てても問題はない。ただし、国の保護にないから全て自己責任になるがな。」
「じゃあ、今冒険者や町の人間が森に行ってるのは?」
「まぁ、龍が住んでるとしても資源があるからな。行くやつは行くだろう。そして、龍に襲われないとわかれば人数も増える。そして出来たのがこの町だ。」
「そうなんだ~。」
「まぁ、龍も敵対しなければ攻撃はしないんだろうよ。」
隣でおじいさんは頷いていた。
「あの頃はやんちゃだったのぅ…。」
あんたがやったのか!?
俺は驚きつつ孤児院へと向かった。




