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倒すことを目的としていたので、五匹の蟻は時間をかけずに倒すことが出来た。
蟻の強さはうちのミュウ達ホーンラビットでも一対一で勝てそうな強さだ。
爪や噛みつき攻撃しかないクイーン達とは相性が悪いみたいだが、それでも負けはしないだろう。
おじいさんが言うには蟻の特徴は蟻酸攻撃と固い甲殻、それとワラワラやってくる数が問題らしい。
しかし、倒す手段があるなら次々に来るので経験値稼ぎに良いらしい。
俺達は蟻の死体を片付け、次の戦いに備えた。
クルス君達には魔力を調整しながら付与魔法を唱え、試しにホーンラビットの角に『貫通強化』の付与魔法を使ってみたら、なんとなく効果がありそうな雰囲気だった。
そうなるとクイーン達にも付与魔法を使ってみたくなる。
噛みつきにどんな付与が合うかわからなかったので爪に『切れ味増加』を付与してみた。
クイーンには魔力多めで長持ちするように、子狼達には魔力量大中小(小が標準)に別けて後で感想を聞いてみよう。
俺が魔法をかけ終えると、拠点(目印)を決め、さっきと同じグループで近付いてきた蟻達を迎え撃ちに行った。
蟻はまとめて来るではなく数匹毎のグループだったので、大量の蟻に囲まれる。と言うこともなく順調に倒していった。
蟻の死体を放置すると来やすくなるので移動しながらクイーン組、子狼組が倒した蟻の死体も回収して回った。
途中クイーン組や子狼組の付与魔法が切れたと言うので何度か合流し魔法をかけ直し、回収した蟻が100匹を超えたあたりでおじいさんがモンスター避けの結界を張ってくれた。
「今日はこれくらいでいいじゃろ。」
「あぁ~、これだけ戦うと疲れるな。強くはないのに甲殻が堅くてしょうがねぇ…。」
「そうね、シュウの付与魔法が無かったらもっと手間取ってたかもね。」
俺達はそんなことを話ながら回収した蟻の解体を始めた。
数が多いので処理に時間がかかると思い今日は少し早めに戦闘を切り上げたらしい。
確かに食べられる部位もないので取っておいても仕方がない。
討伐証明部位、魔核、素材となる甲殻の一部を取ると残りを地魔法で開けた穴に落とす。そこにサクヤちゃんが火魔法で蟻を燃やした。
クルス君達や従魔達からの感想では、やはり付与魔法は普通に使うより魔力を多く込めると持続時間、効果共に増えるようだ。
魔力の調整は今のところ量しか出来ないので、短時間の高威力や長時間の低威力等の設定は出来なかった。
その為、魔力を注ぎすぎると長時間高威力になってしまうのでかなり注意が必要だ。
30匹程の状態の良い蟻を残し解体を終えた俺達は帰ることにした。30匹程残したのは、特に理由はないが今後何かに使えるかもしれないと思ったからだ。
帰りには花畑に寄り、レインボーキャタピラーを数匹従魔にした。孤児院にいるレインボーキャタピラーの糸が思った以上に上質だったからだ。もちろんおばあさんにも預ける予定だ。
小屋予定地に戻るとサクヤちゃんはハチミツを受け取りおばあさんの所へ走っていった。ハチミツパンあたりおねだりするのかな?
俺達はサクヤちゃんの後を追い、おばあさんにレインボーキャタピラーを預けた。餌的に孤児院で飼うより森の方が良いからね。
頑張って糸を吐いてもらおう!!
俺達はおじいさん達に別れの挨拶をし、帰路についた。
孤児院ではハチミツを迎えるために子供達が入口に並んでいたのには笑ってしまった。




