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孤児院に戻った俺は妹ちゃんにサクヤちゃんに会いに行けるかもと、話をした。
「さくやちゃんにあえるの?」
「うん、おじいさんに確認したから院長先生が許してくれれば会いに行けるよ。」
「わ~い!!いんちょうせんせいにきいてくる!!」
妹ちゃんは待ちきれなくなり院長先生の所に走って行ってしまった。
俺はのんびりと院長先生の所に向かった。そこでは妹ちゃん興奮した様子で院長先生に話しかけていた。
俺が来たことに気付いた院長先生は
「向こうに行って迷惑にならないですか?」
と聞いてきた。
「大丈夫です。」
と答え、森の外で会うこと、会う場所は俺の木工の練習の為にこれから作ること、クルス君達も連れてきて良いことを話した。おじいさんの家で会わないのは魔道具の都合上と言うことで誤魔化した。
「それは迷惑になっているんじゃないかしら…?」
「サクヤちゃんも会いたがっていたし、おじいさんのは趣味みたいなものだから大丈夫ですよ。」
「そお?なら行っても良いわよ。」
「やった~!!」
妹ちゃんは満面の笑顔になった。
俺はクルス君とイリヤちゃんにもおじいさん達に会いに行くことを伝えた。
採取の日を過ぎおじいさんの所へ行く日がやって来た。採取ではサクヤちゃんのお土産に果物を多目に取っておいた。
妹ちゃんは朝から張り切っている。
俺達いつもの採取メンバーはいつもの兵士におじいさんの所へ行くことを伝え出発した。
いつも採取をする場所とは違う所へ向かったので、皆は周りを警戒しながら進んで行った。
歩くこと数時間、目的の岩場までやって来た。
「さくやちゃ~ん!」
突然叫んだ妹ちゃんが急に走り出した。
妹ちゃんの走る方向を見るとおじいさん達が既に来ていた。
「あいたかった~」
「私も!!」
サクヤちゃんの所へたどり着いた妹ちゃんはサクヤちゃんと抱き合って喜んでいる。サクヤちゃんも嬉しそうだ。
そんな二人をおじいさんとおばあさんはニコニコ見ている。
「「「おはようございます」」」
「遅かったな!!」
「あらあら、いらっしゃい。」
俺達も追いつきおじいさん達に挨拶をした。
「さて、来てもらったは良いが、今日は何をするんじゃ?」
「師匠!今日も俺を鍛えてください!!」
「うん?そうか、ではそうするか。」
「私はおばあさんに色々習おうかな?あの子達も見てなきゃいけないだろうし。」
「まぁま、何しましょうかね~」
クルス君はおじいさんに、イリヤちゃんはおばあさんといるらしい。
「おじいさん、木って伐採出来ました?」
「あぁ、持ってきておるぞ。」
おじいさんが指差す方向に木が10本ほど積んであった。
「ありがとうございます。じゃあ、俺は木の加工を色々試してみます。」
「手伝うか?」
「クルス君に手伝ってもらうのはもう少し先かな?」
「わかった。手が必要ならいつでも言えよ!!」
「うん、ありがとう」
そうして、とりあえずの行動が決まったのであった。
「さて、乾燥の実験前に止まり木でも作ろうかな」
俺は木の枝を綺麗に落としていった。おじいさんは木をそのままの状態で切ったので枝がもっさりついていたのだ。
枝についてる葉を落とし、丈夫そうな枝で十字架状に結んでいった。
これを周辺に何本か刺したらぴーちゃん達用の止まり木の完成だ!!
周りに何本かは木があるが近くに無かったのでぴーちゃん達が可愛そうだったので喜んで貰えるだろう。
一応孤児院にも持っていこうかな…。




