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その日から早速家作りを開始した。

と言っても出来ることは限られているんだが…。

材料となる木材は多少はあるが、家を作るには足りないのでおじいさんに木を切ってもらう事になった。

だが、切ったばかりの木は水分が多くすぐには使えないから何か方法を考えないとだな。

出来るかはわからないが、水魔法で水分を操り乾燥させるか、火魔法で水分を蒸発させるかのどっちかが出来れば良いかな。


とりあえず木は明日からおじいさんに切ってもらうとして、今日は小屋を建てる場所を探すことにした。

おじいさんと二人、と従魔達で森を出た。

森の外は草原になっていて見晴らしがとても良かった。

だが、見晴らしが良すぎて小屋を建てたらかなり目立ってしまうだろう。



「何処に小屋を建てます?」


「そうじゃのう、これならどこに建てても同じじゃろうし、川の近くがよかろう?」


「でも、川はちょっと遠そうじゃないですか?」


「ならば井戸でも掘るか?」


「普通は井戸は掘れないですよ。となると、やっぱり川の近くかなぁ~」


少し歩くと川が見えてきた。おそらくおじいさんの家の近くを流れる川と同じものだろう。

川周辺も見晴らしが良い状態だ。何か家を隠す方法は無いかな?


「ここらで良いじゃろ。」


そう言って立ち止まったのは川から少し離れた草原の真ん中だった。


「ここに建てるの?」


「うむ、川に近いと氾濫が怖いからのう。それに、どうせ結界で隠すんじゃ、どこでもいいじゃろ。」


「結界って森みたいな?」


「似たようなもんじゃな。今回のは隠すのではなく見つけにくくする程度にする予定じゃがな。」


「……どういうこと?」


「ふむ、森の結界は人を寄せ付けず、家を見えなくさせる結界だったが、ここは人避けは弱めに、家は岩影等で隠すだけにするんじゃよ。」


「そんな事出来るんだ?と言うか、なんでそんな事を…?」


「結界自体はそんなに難しいものではないわ。それと、森の近くに住んどるのに家が見えないのはおかしいじゃろ?じゃから、隠すにとどめるのじゃよ。」


そういえばそうだった。妹ちゃんの為の家でもあるがカモフラージュ用の家でもあったんだった。


「そうでした…。じゃあ、何すればいいですか?」


「そうじゃのう、ここいらは地面が柔らかいから、まずは地魔法で地面を固めるところからかのう」


「地面を固めるですか?……とりあえずやってみます」


そして、俺はしゃがみ地面に手をついた。

魔力を地面に流し込み地面を固めるイメージをふくらます。魔力を流して考えると土同士の隙間を無くすように固めるのが良さそうだ。

少しすると手の辺りから地面が固まっていく。そして、段々と範囲を広げていく。

深さは1メートル位で平気かな?

範囲は森の家より少し大きめで良いかな?

途中魔力が切れかかったけど、森に近いので回復は簡単だ。


「これくらいでいいですか?」


「十分じゃろ。」


こうして地面を固めたところ、地面が凹んで大穴が空いたようになっていた。


「これで土台は良いじゃろ。次は周りに大岩を出してみろ」


「大岩?」


「その岩で家を隠すんじゃよ」


「あぁ、そう言うことですか。なら洞窟とかでも面白そうでしたね。」



そう言って俺は穴の周りに大岩を出した。そして、三方向を岩で塞ぎとりあえず今日は終了だ。


おじいさんに明後日ここに妹ちゃんと来ることを伝え、俺と従魔達は孤児院に帰ることにした。



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