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次の日、今度は四人で採取の日だ。
いつも通り門番の兵士に挨拶をして町を出る。
レベルが10になったからか、ミュウの動きが良い。それにぴーちゃんの索敵が便利だ。
無事に竜の森の街道口に到着した。少し休憩をし、昨日狩りをした辺り迄進んだ。
そして、ぴーちゃんに果樹を探して貰った。せっかく索敵を覚えたんだから使わない手は無いだろう。
索敵の効果かぴーちゃんはすぐに果樹を見つけてきた。おおよその方向を教えてもらい、
採取しながら果樹へと向かった。
昨日来たときは採取を特にしなかったが、やはり街道口から離れているのでそれなりに採取出来た。
目的の果樹にたどり着いた俺達は少し休憩し作業の分担をした。
「んじゃあ、俺とシュウが果物取りで、二人は近くで採取。ミュウは二人の護衛でぴーちゃんは空から索敵と鳥狩り。クイーンは自由に狩りで良いか?」
「ええ」「うん」「あい!!」「ピュイ」「キュイ」「ワォ~ン」
「うっし、それじゃ始めるぞ!!」
クルス君の合図で皆が動き出した。
クルス君が木に登り果物を上から投げてくる。俺はそれをアイテムボックスに入れていった。
妹ちゃん達は果樹の周りを歩きながら採取していた。ぴーちゃんは果樹の上空を旋回しながら狩りをしている。
クイーンは定期的に兎を狩ってきていた。たまに鹿も狩っていたが基本は兎だった。今回は採取がメインだからこれで良いだろう。
果物をある程度採り、妹ちゃん達の採取を手伝ったら休憩がてら血抜きをした。クイーンが張り切って10羽程兎を狩ったがそこまで大きくないので時間はかからないだろう。
鹿は次の果樹で血抜きをすればいい。
血抜きも終わり次の果樹を目指して進んだ。いつもなら果樹を探すために何度も森に出たり入ったりを繰り返していたが、今はぴーちゃんの索敵があるので次の果樹迄簡単に行けるようになった。
次の果樹に着いたら鹿の血抜きを始めた。本来なら木に吊るして血抜きをしたかったが、これからここで色々やるので穴を掘り地面で血抜きをした。
血の匂いに誘われて狼が来ないように注意せねば。
お昼にはクイーンとぴーちゃん用に兎の解体の練習をした。なかなか上手くはいかないが二人は美味しそうに食べていた。俺達は鳥を解体しスープを作って飲んだ。骨で出汁もとったのでとても美味しかった。
そんな採取を三度程繰り返し、そろそろ帰ろうとしたらぴーちゃんが大物を見つけた。
ファングボアだ。倒してもアイテムボックスの肥やしになるから無視しようとしたが、ふと思い出した。ファングボアを倒したらぴーちゃんとミュウがレベルアップしたことを。
もしかしたら、このファングボアを倒したら妹ちゃん達もレベル10になるのでは?そう思い皆に聞いてみた。
「この先にファングボアがいるみたいなんだけど、どうする?倒したらレベルが上がるかも知れないけど…」
「ファングボアだと!?狩るに決まってんだろ!!」
「決まってないわよ!!そもそも私たちだけで倒せるの!?」
「一応昨日俺達だけで倒したよ?」
「やるじゃねぇか!」
「そうなの!?でも、昨日持ってこなかったわよね?」
「アイテムボックスには入ってるよ。でも、持って帰ってない物を孤児院で解体するわけにはいかないから…」
「あぁ、アイテムボックスは秘密だったわね」
「うん。でも、レベルが上がればクルス君とイリヤちゃんで持って帰れるかも知れないから…」
「さすがに二人じゃ無理だろ!?」
「なんか、レベルが10になったらぴーちゃんとミュウの能力が格段に上がったから、もしかしたらいけるかも?」
「そうなの?だから10になるのが大変なのかしら?」
「とりあえず運べなくてもアイテムボックスに仕舞えば良いんだからファングボア退治をするぞ!!」
そうして俺達はファングボア狩りをするのであった。




