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リーダーの食事に満足した後は交代で見張りをしながら寝た。いくら安全地帯とはいっても何かが原因でモンスターが来るかもしれないし、ここには盗賊はいないが冒険者に襲われる可能性もある。冒険中はいくら警戒してもし過ぎということはないのだ。
「じゃあ、まずはモンスターと戦うところからやってみようか! 君達の実力なら問題ないと思うけどね」
次の日の朝、美味しい朝御飯を食べていよいよダンジョン本番である。穴場というか、人があまり来ないというのは本当みたいで昨日に比べて多くのモンスターが見える。少し歩けば次々にモンスターがやって来るが相手のレベルが低いのとこちらのレベルが高いこともあり、危なげなく倒していけた。探知系のスキルを使って人がいないことを確認したうえでイリヤちゃんやミュウ達従魔も戦闘に参加した。モンスターの数が思ったより多かったのでポーターの子達にもついでに戦闘訓練をおじいさんがしてあげていた。彼らもレベルが上がれば安全に仕事が出来るだろうから頑張って欲しい。
剣やナイフの近接攻撃、投げナイフや弓等の遠距離攻撃、魔法攻撃と練習と確認の為に色々試してみたが相手が弱すぎるので全て一撃で終わってしまった。素材を残すために、手加減をするのが難しいほどだった。
「うん、戦闘技術は問題ないね。なら次は罠について確認しようか」
これまでの探索で罠らしい物に遭遇しなかったが、それは『全力全開』の斥候担当の上半身裸の彼が罠の無い道を選んだり解除していたからだそうだ。なのでこれからは罠のある道を行くので見つけてみろと言われたので皆で挑戦する事に。
しかし、うちのメンバーは予想以上に探査能力が優れているようで次々に罠を見つけていった。もちろん浅い階層なのでわかりやすい罠だという話は聞いている。しかし、獣族、獣人族の五感、従魔達のモンスターとしての五感や本能は予想以上に危険察知能力が高いらしい。後で『全力全開』の皆に聞いたところ、他のパーティーでも獣族や獣人族がいる所は罠を避けやすいと教えて貰った。
皆が罠を簡単に見つけてしまったので誰も罠を作動させなかったので、実際に動かしてみようということになった。まだこの階層の罠はそんなに種類は無いがどういった罠があるのか知っておくことは大切なことだ。ということで罠を作動させる役はクルスくんにお願いした。これまた浅い階層なのでよっぽど当たり所が悪くなければ怪我をする事は無いらしいので出来ることだが、このダンジョン親切すぎないか? だが、どこのダンジョンも同じような構造らしいのでよりダンジョンの謎が深まっていく気がする。
クルスくんが挑戦する罠は三種類。床や壁に糸が張ってあるのを切ったら作動する罠、床や壁に偽装されたスイッチを押すと作動する罠、最後も床や壁に隠されている魔法陣を踏むと作動する罠だ。まあ、ダンジョンの中なので床や壁に罠があるのは当たり前なんだけど深くなると魔法陣なんかは空間に設置してあるそうなので見つけるのが難しいだろう。
ということで早速挑戦。クルスくん達が見つけるのが上手いと言ったが、まだこの階層は糸も太いしスイッチも微妙に周りと色が違ったりするので俺でも見つけやすかったりする。そして、この二つの罠で作動するのが落石や毒矢が飛んでくる、毒ガスが出たり落とし穴が開いたりするらしい。が、ここら辺では小石や木の棒が飛んできたり、穴ではなく段差が出来る程度だった。だが、毒ガスはクルスくんだけでなく妹ちゃんやクイーン達にとって、最悪な罠だった。浅い階層で毒ガス代わりに吹き出したのは……臭いガスだった。刺激臭なのかな? 俺やサクヤちゃん、おじいさんや『全力全開』の皆は「臭っ!」って思うだけなのだが、鼻の良い彼らが嗅ぐと大変なことになった。クルスくんなんかは床を転がって泣いていたほどだ。そのおかげかどうかはわからないが、罠を警戒するのが真剣になったのは良いことだろう。
残りの魔法陣では地水火風の魔法がどこからともなく放たれる物だった。規模が小さくほとんど感じないほどだったが、下に行くほど大きな魔法になるらしいのでこちらも注意が必要だろう。
今回作動させた罠だけど、一度作動したり解除したり壊したりした罠は消えて別の場所に新しく出来るらしいので常に一定の罠が存在しているのでダンジョン探索では罠対策も大事になるだろう。




