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対抗意識でも燃やしたのかいつまでたってもポーズを決めたまま動かない二組をなんとかギルド内の酒場に移動させた。受付前でポーズを決めてて受付のお姉さんが迷惑そうな顔をしてたからね。


「改めて、僕達はクラン『方舟』に所属してる『全力全開』だ、よろしく」


話をするのは大楯を持った人、彼がどうやらパーティーリーダーらしい。上半身裸の冒険者は後ろでナイフを舐めていた。いや、なんで!? 良く見ると舌も紫色してる!? 「ぺろんぺろん」言いながら舐めてるけど気にしたら負けだ。見ないようにしよう。もう一人の人は腕を組んで目を瞑ってる。……頭が少し揺れてるんだけど寝てないよね?


「それで、話は受付に聞いてたみたいだからわかると思うけど、君たちダンジョン初めてでしょ? 僕達が案内するけどどうする?」


ちょっとびっくり、あんなポーズ決めてる最中もこちらの事を見ていたようで、俺が受付のお姉さんから聞いてる事がバレてたみたいだ。


「もちろん、こっちも下心があるからね。君たちまだ若いけどけっこう強いよね? 君たちはパーティーを組んでるみたいだから勧誘は出来ないだろうけど、知り合っておけば後々良いことがありそうだからね。だから、初めてのダンジョンの案内をさせてくれないかな?」


自分達で下心があるって言うのも怪しい気もするけど、ギルドの受付のお姉さんも同じこと言ってたし、ある意味ギルド公認の案内みたいなものだから頼もうかな? 本当なら帰ってきた冒険者組に案内を頼もうと思ってたけど、クルスくんやおじいさんはすぐに行きたがるだろうから帰ったらすぐに行こうとするだろう。『全力全開』の皆が案内してくれるなら帰ってきた冒険者組を休ませてあげられるから、この提案は正直有り難いかも。

それに、妹ちゃん達もあのポーズを見てから彼らの事を気に入っちゃったみたいだし、お願いされたら断れないから案内お願いしようかな。


その後、自己紹介したりいつダンジョンに行くか予定を立てたりした。そして、そのまま買い出しに出た。初めてダンジョンに行く人用にマニュアルでもあるのか、行程がほぼ冒険者組と同じだったので荷物も同じ感じかと思ったらいくつか違う所もあった。

最初はここを拠点にしてる冒険者とたまにダンジョンにやってくる冒険者の違いかな? なんて思っていたけど、何軒かまわってるうちに、かなり専門的なお店が多い事に気付いた。路地裏にあるお店が多いから、拠点の有利さはあるものの一つのお店につき買うのは一種類だけとかあるので、時間がかかる。その分品質も良いし、値段も安かったのだが……。


買い物をしているとポーションや薬を買わなかったので、なんでか聞いてみると、彼らも自作しているとの事。あの魔法使い風の人がポーションや傷薬を作っていて、上半身裸の冒険者は毒薬や解毒薬なんかを作れるんだとか。毒についての知識はダンジョン都市でもトップクラスらしいので、妹ちゃん用に作っている道具について相談してみたい。

ちなみに彼の髪の色や舌の色がおかしいのは毒薬や解毒薬の実験による副作用らしい。そのおかげか知らないが、彼の『毒耐性』スキルはかなりのレベルらしい。


そんな風に『全力全開』の皆とダンジョンの準備をしていると、冒険者組がダンジョンから帰ってきた。皆怪我もなく帰ってきたのでひと安心だ。冒険者組を見てクルスくんとおじいさんが待ちきれないようなのでいよいよダンジョンに出発だ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 漫画からこの作品を知って、物語がなろうで連載してると言う事で作品を読まさせていただきました。 読み更けてたらいつの間にか朝になってまして、それぐらい楽しく読みやすい作品ですね。 まさかのGW…
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