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次の日の朝、冒険者組に付いていったクルスくん以外のメンバーで商業ギルドと市場での品物と値段の調査をする。基本的に自給自足に近い生活をしているのでここらで物の相場を調べようと思ったからだ。
こういう時に頼りたい熊の行商人は二日酔いでおじいさんと共にダウンしている。
「それで、どっちから行くの?」
イリヤちゃんからの質問に商人組が答える。
「先にギルドの方に行こうと思うの」
「朝早くても市場がやってなさそうだからね」
昨日見た感じ近隣の農村から来た人達が屋台を出しているみたいだったので、おそらく早い時間はまだたいしたお店は出ていないと思ったのだ。その為商人組の子達と話し合い、ギルドで少量のポーションを売り色々と話を聞こうとなったのだ。
商業ギルドにたどり着き、中に入ると予想以上に混んでいた。市場が遅くなりそうだからギルドへの納品も遅れると思っていたのだが……。
「思ったより人がいるわね」
「もしかして、昨日届いた荷物の仕入れじゃない?」
「なるほど、そうかもしれないね。で、俺達はどうする?」
「まずはポーションを売って、そのまま情報収集ね」
受付を見回し空いてる所へ並ぶ。全員で並ぶ必要もないので、商人の子と俺以外はギルド内での商品探しに動いてもらう。商人の子が一人付いているので騙されて何かを買うということは無いと思いたい。
「おはようございます。本日はどのようなご用件で?」
皆がギルドをうろついてる間に列は動き、俺達の順番が回ってきた。ポーションをいくつか売りたいと話をすると受付のお姉さんは喜んで買い取ってくれた。数や品質チェックをすると問題無く、
「こんなにたくさんありがとうございます」
と感謝までされてしまった。話を聞くと、最近ポーションが品薄で困っているとのこと。理由はここより王都等の大都市で売った方が高く売れるから。ましてやポーションは大きさ的に多く運べるし、元々値段も高いからだ。なら、儲けが多い所で売るのは仕方がない事だろう。
俺達もポーションはこっちで売ることも考えた方が良いかもな、ステップホース達の足なら一日で着けるかもしれないし……。
「ほんとに最近は困ってたんですよ。フレイの町のギルドに頼んでも向こうも在庫が少ないらしくて……」
受付のお姉さんはその後もポーション不足を嘆いていた。なんでも冒険者ギルドや領主からも仕入れられないのかと問い合わせがあり、困っているらしい。もちろんお金を出せば買えるのだが、当然予算があるので難しいみたいだ。
「なら、もう少しポーションを出すので何か安く売ってくれませんか?」
ここぞとばかりに商人の子が交渉し始めた。こういう時は切り札として出すのが良いと思うのだが、これも経験になるのかな? とりあえず商業ギルドからの印象は良くなるだろうからこの交渉を見守ろう。交渉を続けること数分、思ったよりもすんなりと話は決まった。どうやらここ数年豊作だった関係で小麦粉が余りぎみだったらしい。その小麦粉を安く購入出来る事になった。ギルドも在庫が減り、倉庫に空きが出来ると喜んでくれたのでどちらにとっても良い取引となった。
ただ、購入する量が多すぎる気がするのだがいったいどうするのだろうか?
孤児院テイマー第二巻
2019年9月21日土曜日発売予定です。
見本誌も届きました!
発売が楽しみです!
皆さんご予約お願いします!




