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今日俺達はまた森にやってきた。昨日中断した果物狩りの続きをしたかったのだが、コボルト達の家を作らないといけないので材料の木を切りにきたのだ。
「今日はどこまで行くんだ?」
「そんなに遠くまでは行かないよ。というか行けないでしょ?」
「まぁな……」
そう言うクルスくんのまわりにはコボルト達が抱きついていた。本当はコボルト達を連れてきたくなかったのだが、クルスくんから離れてくれないのでしょうがない。コボルト達を連れていきたくないのは弱いからなのだがクイーン達が張り切っているのがちょっと不安だ。
その後、何本も木を切ったのだが思わぬ発見もあった。コボルト達が予想以上に役立ったのだ。親コボルトと会ったときに木の棒を持っていたので試しに枝を切る作業をやらせてみたのだが、器用に道具を使い枝を切ったのだ。さすがに小柄なので力仕事は無理のようだがこれから色々やらせてみるのも面白いかもしれない。
「キャンキャン」「キャイ~ン」「クゥ~ン」
作業を続けていると、周囲を警戒していたクイーンがゴブリンを一匹連れてきた。おそらくコボルトのレベルアップの為だろうけど、どうなのだろう? 重い物は無理そうなので短剣等の軽めの武器を持たせてみたのだが、怖がってゴブリンに近づこうとしなかった。
焦れたクイーンがコボルトを後ろから「早く戦え!」と吠えているが丸まって悲鳴をあげていた。
「クイーン、これは無理じゃない?」
「いきなりモンスターは無理だろ」
「何か動物から始めたらどう?」
あまりの怯えっぷりに俺達はクイーンに妥協案をだした。クイーンも少し悩んだがコボルトを見て諦めてくれたようだ。そして、クイーンはゴブリンを倒すとすぐに獲物を探しに向かった。
ほどなくするとクイーンが小ぶりな猪を追い立ててきた。俺は慌てて落とし穴を作ると猪は見事に落ちていった。
「クイーン、いきなりは危ないよ!」
「ガゥ」
クイーンはあまり反省していないようだ。今の俺達なら怪我せずに倒せるだろうが油断は禁物だ。
「で、これをコボルト達に倒させるのか?」
「ウォン!」
準備もなしにいきなり倒せと言われても困ると思うんだけどなぁ? と思っていたらコボルト達が動き出した。
コボルト達は穴に近づき周りにある石を拾い投げ始めた。頭を狙って投げているのか時折「プギィー」と悲鳴が聞こえる。普段からやりなれているのか子コボルト達が石を拾い、親コボルトが投げる係ととても動きがスムーズだった。
石を投げ続けること数分「ブゴー」という猪の声が聞こえコボルトは石を投げるのをやめた。どうやら猪を狩ることが出来たみたいだ。コボルト達はその後、ナイフを持ち猪の解体までし始めた。
「あれ、こいつら思った以上に慣れてねえか?」
「ゴブリンは怖がってたのにね」
疑問に思ったのでクイーンを通して聞いてみたのだが、集落で罠を使った狩りをしていたらしい。それも俺達と同じ落とし穴を使ったものらしい。
解体も見ていたが、血抜きや毛皮の剥ぎ取りなど自己流なのか多々甘い所もあるが教えれば上手くなりそうだ。
「準備はいいか?」
「「キャン!」」
ある程度木の伐採の目星がついたところでコボルト達の戦闘訓練をすることになった。動物は狩れるみたいなのでゴブリンと戦う方法を相談したところ、近づくのが怖いと言われ、それならばと弓を渡したのだが単純な力不足で上手く飛ばせなかった。そこに妹ちゃんの「ぼうがんは?」の一言で、昔作ったボウガンをコボルトに渡してみたところなんとか使うことができた。何度か練習し、いよいよ本番となった。
森の奥からクイーンの鳴き声と共にゴブリンが現れた。先頭に立つのはクルスくんだ。コボルト達が離れてくれないのでしょうがない。そのコボルト達はクルスくんの後ろからボウガンで狙い打つ。当然すぐに当たるわけもなく外れるのだが、子コボルトが一生懸命矢を番えてくれるので続けて放つことが出来た。ゴブリンはクルスくんを警戒し近づかないが、その間にコボルトの矢は当たり始めこのままじゃダメだと思ったのかゴブリンが走ってきたが近づく前にボウガンで倒すことが出来た。
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