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お客さんも順調に増えた頃屋台組で話し合いをすることになった。

臨機応変に仕事をしているが、さすがに皆が勝手にやると他に迷惑になるかもしれないのでこれからの事を整理するのだ。



「私達のほうは順調よ。作ったスープは売り切れるようになったし、近所のおばちゃん達の持ち帰り用もスパイスを売ることで対応出来てるわ」


「スープも順番に作ってるから毎日味が変わって何度も来てくれる人も増えたわ」



料理組は問題無く出来ているらしい。スープも売れ、持ち帰り用で量が減ることもスパイスを売ることで解消した。むしろ追加を作るかどうか悩んでいた。

スープ自体も順番に作る人を変えて毎日違う味のスープを作り飽きないようにしているらしい。



「そういえば、最後の方のお客さんで具が少ないって言ってた人がいたぞ?」


「あぁ、俺も肉が少ないって言ってるの聞いたな」



問題無いと思っていたら、列の整理をしている冒険者組からの情報でどうやらお客さんには不満があったようだ。



「あ~、確かに最後の方は具が少ないかもしれないわね……」


「スープだと同じくらいの具の量って難しいのよね……」


確かに串焼きや焼き物なんかと違い汁物は具の量は計れないからなぁ……。それにスープの具も芋とお肉が基本だから食べてる人には量がわかりやすいのかもな。


「後、パンも食べたいってのを聞いたぞ。夜だと腹減ってるからなぁ」


パンかぁ……。お米があればカレーライスになるんだがなぁ。いや、このスープはさらさらだからカレーライスには向かないか?カレーうどんならいけるかもなぁ……。


「えっと、じゃあ問題点はスープの具の調整とパンを売れば良いのかしら?」


「パンはパン屋さんから買うか? それとも屋台を出してもらう?」


「買うで良いんじゃないか? 残ったら皆で食べるんだし」


「なら問題は具かぁ」


ちょっと難しい問題だなぁ……。


「何か良い方法ある?」


「う~ん、最後の方は具を継ぎ足してから売るとか?」


「少なくなった具を増やすってこと?」


「そうすると逆に具が多くならないか?」


「どうかしらね、やってみないとわからないかも……」


「後は具とスープを別に盛るとか?」


「ん? 別ってどういう事だ?」


俺が出した意見に皆が首を傾げる。


「例えば芋の人、肉の人、スープの人って分かれて順番に器に盛るんだよ。そうすれば具の量は大体同じになると思うよ。人によっては具を多く欲しがる人もいるかもしれないけど、それは追加料金で対応すればいいし」


「おぉ、そりゃ良いな。具を選べるなら冒険者の人も喜びそうだ」


「肉多めとか出そうだな」


「なら具も種類を増やさない?」


「良いわね、野菜だけのスープも美味しそうね」


どうやら思ったよりも皆に好評なようだ。


「皆落ち着いて! あんまり種類を増やしても仕事が大変だし、金額の計算も難しくなるよ!」


俺の一言に落ち着きを取り戻した皆は具材について話し合いを続けた。


「じゃあまとめるわよ? スープと具は別々にして売る。種類は芋とお肉が基本で後はスープ次第かな? 具の追加は値段に合わせて具の量を決める。お芋もお肉も同じ値段にしておけば計算しやすいからね。後はパン屋さんでパンを買ってきて希望者に売る。そんなところかしら?」


「「「異議な~し!」」」


「じゃあ、これでとりあえずやってみましょう!」


なんだか日本で良くありそうなシステムになったけど、この世界で通用するかな?

【HJネット小説大賞2018】受賞しました。

2019年書籍化します!

応援宜しくお願いします!

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