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「は~、気持ち良かった。」

「温かかったね。」

「お風呂って凄いね!」


孤児院の子供達が身体から湯気を出しながら口々に感想を言っている。

そのほとんどは好意的な感想だ。





小屋で初めてのお風呂体験をしたのだが、皆からは予想以上の好評と、魔道具と湯船も問題なく使えたために孤児院用の風呂を作ることになった。


だが、いくつか問題もあった。

まず、場所。どこに設置するのか。

次に大きさ。孤児院の人数が多いので小さいと不便だ。しかし、大きくても場所をとるし、沸かすのに時間がかかる。

最後に排水。洗濯や畑の水やりに使えば良いのだが、量が多いので何かしらの方法を考えないと大変だろう。


「さて、湯船の大きさとどこに設置するのか考えないとな。」


俺は孤児院の配置を考えながら小さな小屋を作り始めた。


「まぁ普通に考えて孤児院の中には風呂は無理だよな。」


孤児院の土地自体は広いのだが、建物の大きさは孤児達約50人に対して、それほど大きくはない。それは人数が増えたためだが、建物に余裕が無いため風呂小屋を作り始めたのだ。これに空間魔法で部屋を広くし、それに合わせて風呂を作るつもりだ。


湯船と身体を洗う場、脱衣場、それと湯沸し器の場所を考えるとある程度の大きさは必要になるだろう。


おばあさんに協力してもらい、孤児院と繋げられる位置に置けそうな小屋を作り、10人程が同時に入れる風呂場を一ヶ月位で作り上げたのだった。


ちなみに排水に関しては地魔法で溝を作り、お風呂の栓から繋がるようにいくつかの道を作ったので大丈夫だろう。



一ヶ月たつと他の製作物も完成していた。

女性陣からは大きなリュックサックを渡された。野営の練習もしていたので、その時に使ったもの、使いそうなものを入れるポケットを作ったり実用的な仕上がりになっていた。

もちろん隠しポケットも作ってあり、空間魔法を付与してある。


肩がけカバンも作ってもらったが、やはり容量はリュックの方があるので旅にはリュックが良いかもしれない。


防具の方は革製の上着等が作られていた。鎧と違い動きやすいので重宝しそうだ。



男性陣の馬車は完成はしているものもあるが、その出来に納得は出来ていなかった。

物としては一頭用の幌なしの馬車で、狼車という経験があるのでそれほど難しくはなく作れたのだが


「おっ、けっこう揺れるね。」


「そうか?馬車ってのはこんなもんじゃねぇのか?」


「はやい!はやい!」


乗ってみるとかなりガタゴトと揺れるのである。

狼車は荷物を運ぶのを目的としていたため、乗り心地はあまり気にしていなかったし、速度もゆっくりだったためあまり気にしていなかった。

しかし、ステップホースという走る事に特化したモンスターのおかげで速度は上がり、振動は飛躍的に大きくなったのだ。


速度が上がったのに加え、道が整備されていないこともあり、なかなかお尻に負担がかかっていた。


「よく異世界物で馬車革命しているけど、馬車用のサスペンションやらなんやらなんで知ってんだ?」


車輪にバネを付けたり、色々改造しているが今一つ上手くいかなかった。

こんなことなら色々調べておけば良かった。


日本での知識がある俺としてはこの馬車の振動は辛いものがあるが、元々こっちの世界の馬車を参考に作っていたのでおじいさんには


「良く出来ておるではないか!」


と言われ、クルス君達には


「これが普通じゃないのか?」


と逆に不思議に思われてしまった。

その後も次の馬車を作り始めてしまったので、馬車の改造は一人でしなければいけなさそうだ。



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