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結局俺達の大半、というよりクルス君とイリヤちゃんが冒険者になるまでは冒険者業は控えめにする事になった。


よくよく考えると一緒に行動するメンバー(10人)のうち成人(15歳以上)は三人しかいないのだ。しかも、俺と妹ちゃんはまだ6歳なのだ。転生したとはいえ俺の行動はおかしかったな。


ということで、当面の目標は

クルス君達の冒険者登録

皆のランクアップ

果物等の栽培

冒険者に必要な武器防具の作成

各種魔法薬、薬の作成

その他アイテムの作成


になるかな?

うん、今考えるとけっこうやることいっぱいあるな…。まぁ、ちょうど良い機会だしここでしっかりと冒険者の準備をしようかな。



冒険者登録とランクアップは時間が解決するから無視しても良いかな?二人のおかげでランクアップに必要なモンスターの討伐数や採取依頼の回数はおおよそ把握出来ていて、俺を含め皆がランクアップするのに必要な数は揃っていたりする。

俺が冒険者になるにはまだ10年近くあるがまぁ大丈夫だろう。


次にやることを考えると農作業が先かな。

まずは各種果物の種を集めた。種類は多く10種類以上あった。

実際に木がなる、種が芽吹くかはわからないが数個ずつ植えてみた。

おじいさんもおばあさんもさすがに農作業はしたことがないらしく、今回ばかりは頼れなかった。


逆に今回は院長先生とシャルちゃんの活躍が目立った。

院長先生は長年の経験、知識から育てやすい果樹、作物を教えてくれ、シャルちゃんは町の人から作物の情報や種を仕入れてくれた。

農作業は実験的、そして、長期間としても規模を大きくできないので量は少なく種類を多く挑戦してみることにした。


ザシュッ、ザシュッ、ザシュッ


「がぁ~!終わらねぇ~!」


クルス君が作業を止め叫びだした。


「おい、クルス、もう少し頑張れ。」

「そうだぞ、これも修行だ。」


俺達、というか男グループはおじいさんとの修行を終えた後は畑を耕していた。

地魔法を使えば簡単に耕せそうなのだが、時間もあるし、体を鍛えるのにちょうど良いと思い、人力で作業させているのだ。


「でも、これどれだけやるんだ?」


「とりあえずここら一帯だね。場合によってはもっとやるかも。」


「うへぇ~…」


ちなみに耕す為の道具は俺が鍛治で作った物だ。

まだちゃんとした武器は作れないが鍬なんかは作れるようになっていた。

鍛治技術も鍛えていかなければな。


「クルス君、修行だったらこんなのもあるよ!」


俺は地魔法でクルス君の両手首足首に重りを取り付けた。


「重い!!」


「それを付けて仕事すれば筋肉が付くよ!」


「おっ、そりゃいいな、俺にも付けてくれよ」

「俺も頼む!」


クルス君以外の子が重りを希望したのでクルス君に付けたのより少し軽めの重りを取り付けてみた。


「おぉ、確かに重いな。」

「これは良い修行になりそうだな。」


「ん?なんじゃ小僧、面白そうな事をしておるのう。儂にもしてくれ!」


俺達が重りを付けているのを見ていたおじいさんが興味を持ったようで、言われた通りに付けてみた。


「ほぅ?なかなか面白い感じじゃな!もっと重く出来るか?」


どうやらおじいさんには軽かったようなので、あまり大きくならないように、重い石をそして、質量、密度が増えるように地魔法を使ってみた。


「ふむ、まぁまぁじゃな。」


おじいさんからなんとか合格点をもらったようだ。もっと重たい石、鉱物なんか出せるように要練習だな。


その後も彼らは農作業に勤しみ、時に木を刈りにも出掛けた。

魔法で出来たことを肉体、人力でやり始めたのだがこれがなかなか大変で毎日へとへとになっていた。


「農作業ってけっこう大変だな。」

「あぁ、身体は鍛えてるつもりだったけどなかなかキツいな。」


冒険者になるのも命懸けで大変だが、農家の人も大変だというのを身に染みて感じた俺達であった。

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