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あれから四ヶ月程経過した。
その間に冒険者予定の子達は『採取』や『剣術』『弓術』『気配察知』等のスキルを手に入れていた。
年長の二人は採取に毎回来るようになり、人数が増えたことにより、今まで戦わずにいたグレイウルフの群れにも戦うことができ、戦闘技術も磨いていた。
従魔のほうもしっかりと増えていた。
おじいさんがサクヤちゃんへのパンケーキの為に、鶏のモンスター『ビッグコッコ』牛(乳牛)のモンスター『ミルホーン』を捕まえてきたのだ。
俺のレベルが上がっているのと草食系モンスターとしてそこまで強くなかったためになんとか戦わずに従魔にすることが出来た。
これにより卵とミルクが安定して手に入ることとなり、お菓子は滅多に食べれない物では無くなった。
お菓子と言えばハニービー達も数を増やしていた。行く度にハニービーを従魔にしていたのだが、ある時従魔にしていないのに従魔の数が増えていたのだ。
クイーンハニービーに聞いてみたところ、魔物避けの結界のおかげで安全に子供を産めるらしく、順調に増えているらしい。
ちなみに新しく産まれたハニービーは最初から従魔になっていた。
このままいけば近いうちに新しいクイーンが産まれ新しい巣が出来るかもしれないと言っていた。
そして今日は狩りも採取にも行かない休みの日である。今日は年長の二人が15歳を迎え成人したので冒険者ギルドに登録に来たのだ。
「緊張するな。」
「あぁ、ちゃんと登録出来るかな?」
ギルドの前で二人は緊張していた。
まぁ、当然だろう。これからは孤児院を出て生活しないといけないのだから。
その為冒険者となり稼がなければならない。
まぁ、最初のうちはご飯は孤児院で食べられるし、依頼も一緒にやるつもりなので必要なのは宿代と日常品代くらいか?
いつまでもギルド前にいてもしょうがないので俺はギルドの中に入っていった。二人は慌ててついてくる。
受付を見回すといつものお姉さんがいたのでそちらへ向かう。
今は昼間なのでギルドも空いていてすぐに話すことが出来た。
「お姉さん、こんにちは」
「こんにちは。今日はどうしたの?」
「今日は二人の冒険者登録をお願いします。」
「「よ、よろしくお願いします!!」」
「ではこちらの書類に記入をお願いします。」
お姉さんは二枚の羊皮紙を渡してくれた。
「文字は書けますか?」
「はい。」
「大丈夫です。」
「では、ギルドの説明をするので記入しながらお聞きください。まず、冒険者ギルドは国などに属さない独自の組織となります。そして、ギルドは冒険者の補助をする組織です。冒険者への依頼を集め、冒険者が依頼をこなす。依頼が終われば報酬を払ったり素材を買い取ります。」
「はい。」
「ギルドが依頼を選別したり、素材の売買をすることで冒険者は素材の採取やモンスターの討伐等の依頼に集中することが出来ます。また、依頼料からギルドが税金を支払うことで町の出入り、国同士の行き来などが簡単に出来るようになっています。」
「へぇ~」
「そして、冒険者の方はランク分けされ、そのランクに合った依頼を受けることが出来ます。」
「俺達のランクは何になるんですか!?」
「ギルドに登録した方はまず10級になります。その後ランクがあがれば9級8級となり、最高は1級となります。ランクは依頼をこなし、ギルドが認めるとランクアップ試験を受けることが出来ます。それに合格するとランクアップになります。」
「10級かぁ~」
「ちなみに、おじいさんは3級だよ」
「「師匠すげぇ!!」」
「よろしいでしょうか?……ランクは10級迄ありますが、10級は見習い扱いとなり、討伐依頼は受けられません。また、依頼も基本的に町中のものしかありません。ただ、この町は子供も竜の森で採取をしているので例外的に難易度の低い採取依頼があります。」
「じゃあ今までとやることはそんなに変わらないのか?」
「そうですね、採取に関しては問題ないと思います。ただ、ランクアップを目指すなら採取以外の依頼も受けないと試験を受けられないのでご注意ください。」
「わかりました!」
「では、こちらが仮のギルド証になります。」
二人は木で出来た板を渡された。
「9級になりますと正式なギルド証のお渡しとなりますので頑張ってくださいね。」
こうして二人はギルドに仮登録することになった。
ギルドの説明が微妙な感じなので修正するかもしれません。




