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妹は好きだったけど、現世の家族は嫌いなので家を捨てて……冒険者になります!  作者: 神戸近区


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第4話 街の外へ

王都を守る壁(城壁?)まで来たが、問題は無事に外に行けるかだ。

一応見た感じそんなに監視されてはなさそうだが……子供二人で出て行って止められたら終わりだ。


何かいい方法を考えないと。


「多分見た感じは簡単に出られそうだけど、ここで捕まったら不味いよね」

「そうですね。どうしましょうお金も無いので護衛も雇えませんし」


「そうか……そうね。良さそうな人にお願いしてみましょうか?」

「お姉様、そんな簡単には無理だと……そうだお屋敷の壁を越えた時みたいに穴を掘ってみては?」


「多分そこまで大きな力は出せないし、現場を誰かに見られたら……犯罪者にはなりたくないわ。極力ね」

「そうですね。困りました」


「いい人を探す方が速そうね。あの男女の二人組なんてどうかしら?」

「無理だと思いますけど私声かけてみますね」


「いいわ。私が行く」


 近くに居た二人組の冒険者っぽいに近付いて声を掛けてみた


「こんにちは。今から外に出られるのですか?」


 二人は少し警戒しながら男の方が答えた

「そうだが?それが?」


「お願いが有るのだけれど……食べ物や木の枝とか探すの手伝いますので、出口で一緒に出ては貰えませんか?」

「理由は?」


「私達だけで外に行こうとしたら捕まるかもしれないので」

「まあ子供だけで外に行こうとしたらそうなるだろうな。だが出てからどうする?俺達に守ってくれと言うのか?」


「出てしまえば何とかします」

「何とかって、外を簡単に考えない方が良い……人間なんて簡単に食われるぞ」


「……でもここに居ても生きて行けません。結果が同じなら行動してからの方が諦められるかと」

「お前本当に子供か?犯罪をしたとかではないよな?」


「犯罪はしてません。新しい親に食べ物を貰えなくなっただけです」

「……そんな事言われたら断れないな」


「ありがとうございます。私はツバキ。妹はサザンカと言います」

「俺はクフェア。よくクフとかクアって呼ばれる。こっちはミクロペタラ。皆はミラって呼んでる」


「クフェア様、ミクロペタラ様よろしくお願いいたします」

「様とかやめろ。気持ち悪い。あとな難しい言葉はやめろ。貴族と間違えられるぞ……貴族じゃないよな?」

「私の事はミラって呼んで」


「(今では)貴族じゃないよ。わかった。ではクアとミラよろしくね」


 その後サザンカも合流し無事に外に出る事が出来た


「ありがとう。無事に出られたわ」

「そう言う依頼をされたんだ。食い物楽しみにしてるぞ」


「期待はしないでね」


「そう言えばどこに行くんだ?」

「言ってなかったわね。北に向かおうと思うのだけど」


「北か……なら北帝国だな」

「帝国?!」


 南は海なので身分証明書やお金のない私達が船に乗るのは無理だと考え、東西より人が少なそうだと思った北に行こうと考えていたが帝国って……個人的なイメージだと何か身分差なんかが大変そう。どうしよう?


「どうした?俺達も帝国に行く予定なので良かったら協力して行くか?」

「ねえ、あの……帝国ってやっぱり貴族とかが居るよね?」


「当たり前だろ。って言うかそう言う事は知らないのか?貴族はいるが一番平等に近いって言われているな」

「え?」


「どうした?」

「いや、あの……意外だったから」


「何で?」

「帝国って何か皇帝とかが居て貴族が強い権力を持ってそうなイメージがね」


「?帝さんが北に作ったから北帝国なんだが」

「帝さん?」


「そうだ」

「何このゲーム設定おかしいよ」


「げーむ?設定?何言ってんだ?」

「なんか疲れた。少しこの辺りで待ってて食べ物用意するわ」


 私はサザンカに向かって聞いた

「ナイフとかって持って来てたかな?」

「有りますよ。はいどうぞ」


「ごめん。ペーパーナイフではなく調理用のナイフ」

「あの……包丁ですか?」


「そう包丁。有る?」

「有りますが、使えますか?危ないですよ」


「そう言えば長い間使ってないな。昨日は小さいナイフで切ったし」

「長い間ですか?もしかして違う世界の?」


「そうよ。では何か持って来るから一緒に調理しましょうか」

「はい。材料はお願いしますね。でも遠く離れないで下さいね」


「大丈夫よ」


 私は一人で食べ物を探した。昨日食べておいしかった草とか茸が沢山あった。でもそれだけではなく兎も居た。

兎……可愛い。昔飼っていた。兎の肉は食べられると聞いたことがある。どうしよう?


 今のこの栄養が足りてない体には肉も必要よね。植物は平気だけど動物を……って。でも不思議ね昔魚や海老を普通に調理して食べてたのに。


 とりあえず魔法で気絶させて持ち帰ろう。まだ食べられるか分からないし。

兎を2羽持って帰ったのだがみんなに喜ばれた。美味しいらしい。気絶させただけだというと驚かれた。

これからもこういう事が続くと思うし命を頂くのに他人事にはできない。私は皆から捌き方を教わった。

悲しかったが美味しかった。 

 

 この日残った肉を買い取ってもらえたので少しだけお金が手に入った。料理を褒められた。

このお金で屋根の有る建物に泊まる事も出来た。


 今日の事は多分忘れられないだろう。


最後の方少し不要かと思ったけどこれからの戦いで必要だと思ったので入れました。

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