第13話 出国準備
本日2話目です
これは投稿予約分でしたが先に公開します
一応1話2000文字(以上)で書いてます。
三年後、私達はまだお爺さまの所に居た。
「当初なら12歳になったら出る予定だったのに……もう13歳」
「それはサザンカも冒険者に登録しないと出国が難しいからだろ」
「ごめんなさいお姉様、1つ年下で」
「妹が年下なのは当然だし忘れてた私が悪いのよ。でもね折角登録したのだから1年はここで慣らせた方が良いって言うからまだ出れないのだけどね」
「でもそれ自分で納得したからまだ居るんだろ?まあ折角だしもう少しで成人の15歳。成人するまでは此処で暮らさないか?男爵はそう思ってるぞ」
「気持ちは有り難いし特に何歳でって決まってる訳ではない。でもねこのままここに居たら何て言ったらいのいか出て行きたくなくなりそうなのよ」
「例の貴族は長女は亡くなったと発表したのだろ?なら多分もう追われる事も無いだろう」
「私が侍女を連れて勝手に屋敷から逃げ出し獣に食われたのだったかしら?」
「お姉様……なんか的外れではない所が怖いですね」
「少し間違ってたらそうなってたかもね。でも今は生きてるし知らない貴族家の方が亡くなって可哀そうですねとしかね」
「そうだ折角生まれ変われたんだ。生き急ぐ必要もない」
「私ってもう2度生き返ったのかしら?そう考えると急ぐのは勿体ない、確かにそうね。でもね私なんて小さい存在なのよ。お金ないし時間しかない。でもこの世界を一周するのに時間は足りるかしら?1年でも移動したらそれだけ知らない景色が多く見られるわ」
「お姉様、でも生き残るには知識と体力も必要ではないですか?私なんてお姉様に比べたら……」
「サザンカ、別に私の我儘に付き合わなくても良いのよ。冷たく聞こえるかもしれないけど私と貴女の人生って重なってる部分は有っても同じではないわ。好きな人が出来たり住みたい場所が見付かったら別行動しても良いの。距離は離れても貴女は私の妹よ。この世界に居る間はね」
「私はお姉様と一緒が良いです。他の人は信じられません」
「私も離れたくはないわ。一番大変だった時に味方してくれた可愛い妹だから」
「……姉妹自慢も良いがサザンカの考える事も正しい。今普通の?いやそれ以上の食事を出来ているからか体も成長出来ている。旅に出ると食えない日も有るだろう。それが心配なんだ今の時間は今しかないからな。身長高くなりたいなら今無理をするのが正しいか?」
「それは誰のも分からないわね。未来が分かってる人生なんて苦痛だろうし……そうね、サザンカの成長期もあるのね。……わかった私の負けよ私が成人するまでは此処に居るわ。本当はサザンカの成人までと悩んだけど。成人の私がサザンカの保護者になるのよ」
「と言っても2年なんてすぐだぞ」
「光陰矢の如しってやつね。直ぐに成長して魔法で帰って来れるようにならないと」
2年後、15歳になった
「今まで数年間お世話になりました。ここを発つ前にお爺様お願いが有ります。窓のない部屋を私に下さい」
「窓のない部屋か?構わないが荷物でも置いて行くのか?」
「荷物と言うか私の転移先に使いたいのです。転移魔法で帰って来れるように」
「転移魔法か……でも距離が短いと聞いたが」
「もう既に数キロは出来そうです。人に見られそうなので試してはいませんが。短距離なら何回でもできますし」
「そうか……と言う事は適度に帰って来られるのか!それは良い。急いで作らせる」
「いやまだ無理ですよ。でも場所を見て知らないと転移出来ないのです」
「では一旦ここの倉庫にしよう。窓はない。いつ帰ってきてもいいぞ今日の夜寝に帰ってきてもいい」
「それは出来ませんが分かりました。移動元も見られない場所の確保が必要なので」
「楽しみにしている」
「あの男爵様、私まで食事等良くして頂いてあ…」
「何言ってる?サザンカはツバキの妹!私達の孫だ。他人行儀はやめような。お爺ちゃんと呼んでくれていいんだよ」
「お爺様。本当にありがとうございます。ここに来て……家族が出来て……」
「泣き顔より笑顔の方が嬉しいんだがな……こういう時何て言うべきか」
「嬉しい涙は良いと思うわ。私達よりお爺様の方が体に気を付けてね」
家の使用人たちと先生にも挨拶して、出発した!
坂を上った途中にある国境は簡単に超えられた。初めての海外旅行?!
ここからは……まだまだ上り坂が続いている。
「この坂を上って行くのね……」
「お姉様……途中で休憩したら行け……たらいいな」
「まあ行きましょう。悩んでも仕方ないし……馬車も有るのね、でもお金は大切ね」
「はい。ゆっくり行きましょう」
歩いていたら馬車の御者に声を掛けられた
「そこの子供たち今から歩いて行くのか?」
「はいそうです」
「そうですって、子供だけで……」
「一応私成人してます」
「そうなのか失礼。ちょっと待ってな」
御者は乗客と小さな声で相談し、乗客が皆頷いてる
御者は戻ってきて言った
「今日は少し空いてるんだ。良かったら乗って行け」
「ありがとうで。でもお金が」
「良いんだよ。最近成人したんだろ?俺達からの祝いだ。小さいの二人位乗っても重さは変わらない」
「ありがとう。でも俺達?」
「まあ金払った乗客の了承がいるからな」
「皆様ありがとうございます!ではお言葉に甘えて」
馬車に乗れた。
今後の展開の参考にもなりますので評価、感想など頂けると助かります。
ここまで読んでいただきありがとうございます。




