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46・帰ってきたので状況を整理しよう

 気が付くと見慣れた天井で、見知らぬ金髪美少女にたたき起こされるという意味不明な状況が起きていた。


 誰よアレ。


 頭がまだ追いついていない状態で、不意にパソコン画面を見た。そう、本当にただ何となく、そうしないといけない気がしたんだ。


 そうすると、画面にオッサンが現れた。


「帰って来たらしいな。どうだった?」


 そう聞いて来るので、なかなか面白かったと答えておいた。


「そうかそうか、これまでの連中と違って細かい事を言わなかったお前さんは案外楽だった。歴史を極力変えたくないが、ゲームに出てくる戦車や艦船をどうにかしたいとか無理にも程があるんだよ」


 などと勝手に愚痴りだしていたのでしばらく放置しておいた。


「本当に困ったぞ。歴史を極力弄らずにゲーム要素だけ弄るのは苦労する。それに比べれば一人の存在さえ成立させれば後はどうとでもなって良いというのは非常に簡単だったぞい」


 ん?なんかおかしくないか?今の話。そう思って聞いてみた。どういうことだと。


「何、歴史はお前さんのやった通りだ、お前さんだけがその世界に放り込まれている。見事なぶいぁ~るだっただろう?」


 まて、おまえは何と言った?ゲーム世界に行くんだったよな?何?ここは未だにゲームの中なのか?


「何を言っておる。ここは現実世界だ。ゲームではないぞ」


 だから、俺が言っていたのはゲーム世界ではないのか?


「誰がゲーム世界に実在の人間を送り込めるんだ?ワシはそんなことは出来んぞ」


 いや、アンタ、ゲーム世界へ行けって言ってなかったか?


「いつ、ゲーム世界へ行けなどと言った?ゲームに不満があるなら、歴史を変えてはどうかと手助けしたまでだ」


 いやいや、まるで話が繋がらねぇ。って事は、俺は現実の歴史改変をやって来たって事かよ。


「だから、ぶいぁ~るだ」


 こいつ、意味わかってねぇ。現実世界を弄り倒して俺がそこに存在するってか。トンデモねぇな。


「心配するな、ちゃんと周りとお前の記憶は整合してある」


 そう言う問題かよ・・・


「それとだ、随分相性が良かったらしいな。子供を10人とかなかなかヤリおるわ。相性の良さに免じて嫁も連れて来てやったぞ。それじゃあ、仲良くやるんだな」


 おっさんは言うだけ言って消えやがった。どうなってんだよコレ。



 俺は今のを無かったことにして朝食へと向かった。


 やはりと言うか当然と言うか、そこにはさっきの金髪美少女がいるではないか。ああ、知ってるよ、初めて会った時のあのじゃじゃ馬そのものだよ。


「やっと来た」


 そう言ってため息をつくヤツをマジマジト見る。


 するとなぜか、オッサンの言ったように知らない記憶が湧いて出てきやがる。


 何々、ここは樺太だぁ?


 俺が驚いている事に構いもせずに美少女はさっさとどこかへ行こうとしているので声を掛けた。


「裕也と違って私はまだ学生だから、さっさと行かないと遅刻するの。片付けは自分でやってよね」


 そう言って出て行ってしまう。


 俺はここで一人暮らしをしているはずだが、実家から遠く離れてはいない。大家はあの美少女の親で昔から付き合いのある沿州系一世、朝鮮、北樺太交換条約の後も樺太に残ったロシア人だ。親たち世代はまだロシア人コミュニティーに居たそうだが、ロシア籍か日本籍を選択しないとイケなかった祖父母世代が日本籍を選択しながらもロシアコミュニティーに居たのだが、特別永住権を持った世代が少なくなったことでコミュニティーも衰退し、両親はコミュニティーを離れてこの地にやって来たらしい。


 樺太では沿州系はそれなりに居るので白人もそこそこ見かける。中には芸能界入りした者やロシアとも交易で財を成した者も居るのだというが、樺太ではそんな一攫千金はあまり聞かない。

 俺もどうやらここでもただのリーマンらしいが、あの美少女に捕まって、今後は彼女の両親の跡を継ぐ必要があるらしかった。

 祖父母の代では林業をやっていたらしいが、今は林業機械の販売や整備をしている。俺の両親はここで林業をやっていた家だが、林業不況や業界再編で廃業してサラリーマンをやっている。林業繋がりでじゃじゃ馬の両親と知り合いだったこともあって、俺とじゃじゃ馬は幼馴染なんだそうだ。それが縁でじゃじゃ馬の実家へと就職して営業から整備までをやることになったそうな。ただのリーマンだった元の生活とは何かが違う。


 朝食をとってこの世界の歴史を調べてみたが、あの停戦から二年にわたって米国は混乱していたらしい。そら、戦争どころでないだろう。


 米国ではあの暫定大統領が二年後のやり直し選挙で正式に大統領となり、日露との講和を実現している様だ。

 そして、中国については、その後、米国がスキンヘッド支援から降り、ドイツの支援を受けながら重慶へと逃げて何とか体制を維持する状態になった。北部は満州の北をロシアが、南は日本が領有していたが、ラストエンペラーを招いて満州国として独立させている。そして、日露が支援した正統民国政府は今も健在で、中華民国を名乗り、北京を首都にして、主に平野部と上海を支配している。スキンヘッドは重慶で中華民主共和国と名乗って資本主義と社会主義の中間的な政策を行い、今も彼の孫がその政策を引き継いでいるが、最近は民主化運動で酷く荒れている。


 朱勢力は民国に圧迫されながらもつい最近まで中華人民共和国を名乗り蘭州や西安に根を張っていたのだが、ソ連の崩壊で連鎖して崩壊してしまい、今では民国と民主共和国の争う紛争地帯と化している。


 南部には英国が支援して生まれた中華連邦という国があって、香港は永久租借となって21世紀になっても英国臭漂う街のマンマだ。連邦の首都は香港からほど近い広州にある。中国大陸で一番安定しているのはこの国だろう。桂林は世界的な観光地だ。ただ、そのお隣貴州省北部は民主共和国との係争地となっている。


 この世界、チベットは健在で、モンゴルには新たなハーンも在位している。


 欧州に目を向けると、独ソ戦はあれからしばらく続いたらしいが、鉄の粛清者が暗殺されたことで停戦が成立し、コーカサスとクリミアを除いた占領地からドイツ軍は撤退して今に至るようだ。

 英国を除く欧州は何らかの形でドイツの影響下にあり、チョビ髭亡き後は、政策を軟化させながら、武力から経済へとその拘束手法を変化させ、欧州は一つの国、一つの経済圏をスローガンにイタリアやスペインも今や国としては形がい化して、ドイツに取り込まれつつある。


 欧州がほぼドイツの支配下となり、かといって占領した国々の植民地まで管理が行き届かなくなったことから、「民族自決、差別撤廃」を標榜してアフリカやアジア、南米の領土を次々独立させていった。その影響で英国も植民地を独立させ、インドでは前の歴史同様に宗教対立から国が割れた。


 中東には宗教対立の大きな火種が無く、三大宗教は平和に共存している。


 前の世界では第二次大戦後に冷戦が起きたが、それ自体はこの世界でも変わらない。ドイツとソ連の対立はそのままで、米国での朱勢力摘発が早まったとはいえ、原爆技術は既に持ち出されていたし、ドイツも手に入れた。

 当然だが、俺やあの造船所らが原爆について色々動いたことで日露も保有国になっている。英国は、うん、南方勢力を脅して如何にか保有している。


 結局、米国は国内の混乱で核開発が遅れた結果、日独の核開発が米国に追いついたことで優位性を無くし、ドイツによる中南米独立騒動で更に混乱を長引かされたため、超大国足りえていない。ソ連はシベリアを無くした事で衰えたかと思いきや、重しが取れたように欧州へと意識を集中して、前の世界よりもマシな状態で存続するかに見えたが、結局崩壊してしまい、今ではモスクワ連邦を名乗る別の国になっている。やはり大統領があの細マッチョなのは何の因果だろうね。


 そうそう、アフリカに生まれたフランスは今日も元気に北アフリカ沿岸に存在しているよ。旧フランス植民地の多くを領土として欧州からも移民を受け入れているが、ギニア湾岸からの移民が問題となって、宗教対立や民族対立なども周辺に抱える不安定な情勢が続いている。イタリアとの対立もあって、安定しているとは到底言えない。


 このフランスについてはここでも原発大国ではあるけども、中身は前の世界ではいまだ実現していない液体燃料原子炉を実用化している。日露が原型を作ったが、その原子炉に飛びついて商用化したのはフランスだった。

 そのため、この世界ではフランス原発と言えば原爆製造が難しい平和の象徴として各国に販売され、第三世界の盟主的な地位を獲得している。世界の憲兵と言えばフランスの事を指して、人種も人口も相応の規模を持ち、アフリカ、中東にその影響力は大きい。

 中東産油国がこぞってフランス原発を輸入しているのは、フランスの影響力を背景に他の先進国と渡り合うためだと専らの噂らしい。


 そう言えば、テーハン(朝鮮半島)はどうなったかと言うと、今では南西部をユダヤ自治州として五百万人近いユダヤ人を受け入れている。当初より面積が広がったが、そこは全て反乱が起きて無害化した地域をユダヤ人に分け与えたモノらしい。あとの細々とした()()()()は彼ら自身が行ったそうで、今では人口の大半は欧州や米国から渡ってきたユダヤ人が占めている。それ以外の地域でも大半はロシア人が居住し、先住民は北方にある居住区や自治州に分散しているというから恐ろしあ。


 そうそう、山東がどうなったかと言うと、かなりの高額で民国が買い取り、産出する資源の優先開発権を英国が持っている。当然ながら、山東油田の経営は英国企業が担っているのは当然だ。

 



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