★コミカライズ1巻発売お礼小話 日常
ネマ三歳のときです。
今日はポカポカいい天気。
となれば、お家に篭っているのはもったいない!
「ディー、おにわであしょぼー!」
窓際で日向ぼっこをしていたディーを誘って、お庭に遊びにいく。
途中、使用人に見つかって、お供しますと言われ、監視役がついてしまった。
まぁ、危ないことするわけじゃないので構わないけどね。
お兄ちゃんに教わった花かんむりを作るために、庭師からたくさん花をもらう。
雑草の花だったり、咲きをよくするために淘汰したものだったりと、種類もバラバラで、茎が短いものも入っている。
まずは、茎が長いものを選別して、教わった通りに編んでいく。
これがなかなか大変なのだ。
種類によって、茎の固さも違うから、千切れないよう気をつけないと。
「これ、いいにおい」
青色の小さくて可愛い花。
甘い、メープルシロップみたいな匂いがする。
「ディー、いいにおいでしょ」
ディーの鼻先に花を持っていくと、興味を持ったのかクンクンと鼻が動いた。
「ぶっくしゅんっ!」
大きなくしゃみをするディー。
口元にしわ寄せて、まだ出そうな感じ。
「ふしゅんっ!!」
今度は先程より小さいくしゃみ。
花を嗅いで、花粉を吸い込んでしまったのかもしれない。
「だいじょーぶ?」
頭を撫でて落ち着かせると、もう平気だというように顔を舐めてくる。
それがくすぐったくて、つい笑い声が出てしまった。
ディーが満足するまで顔を舐められ続け、解放されたときにはよだれでべっちょり。
花かんむり作りを一時中断して、使用人に顔を拭いてもらうはめに。
気を取りなおして、花かんむりを作り始めると、あっという間に時間が過ぎていく。
編んで輪郭ができると、隙間の空いている部分に茎が短い花や、大きな花を差し込んで見た目を整える。
これが、神経使うんだな。
「できたー!」
二つの花かんむりを並べ、思いのほか上手にできたなと、自分で自分を褒める。
使用人も、お上手ですねと言ってくれたので、なおさら嬉しい。
小さい手だと、細かい作業がやりづらいんだよね。
「はい、ディー」
一つをディーの頭の上に載せる。
真っ白な毛並みだから、カラフルな花かんむりの色が映えるね!
「みてー。おしょろいなのー」
自分の頭にも花かんむりを載せて、ディーとお揃いにする。
「ワンッ」
嬉しいのか、ディーの尻尾はブンブンと揺れていた。
花かんむりが崩れないように、状態保存の魔法をかけましょうと、使用人が言ってくれた。
さて、お花はまだまだある。
お兄ちゃんとお姉ちゃんの分も作ってあげよう!
なんとか、お兄ちゃんたちが帰ってくる前に完成した。
こちらの分にも魔法をかけてもらい、あとは待つだけ。
おやつで小腹を満たすと、眠くなってきた。
ちょっとだけだと自分に言い聞かせ、ディーに寄りかかるとダメだった。
さらりとした肌触りに、暖かな体温、お日様と緑の匂いが鼻をくすぐり、凄く安らげる。
気がつけば寝ていて、二人が帰ってきたと、使用人が起こしてくれなかったらやばかった。
「にーに!ねーね!」
学院から帰ってきたお兄ちゃんたちに駆け寄る。
「ネマ、どうしたの?そんなに可愛くなっちゃって」
駆け寄った私を、お姉ちゃんが抱き止める。
「ディーといっしょにつくったの!」
ディーも花かんむりを載せたまま、お兄ちゃんたちをお出迎えしている。
「凄いね。とても綺麗に作れているよ」
お兄ちゃんにも褒めてもらえたので、頑張って作ったかいがあった。
「にーにとねーねのぶんもありゅのよ」
お庭でついていてくれた使用人が、完成した花かんむりを持ってくれていたので、それを受け取る。
そして、お兄ちゃんとお姉ちゃんの頭に載せると、二人とも嬉しそうに笑ってくれた。
「みんなおしょろいねー」
「ネマッ!!」
感極まったお姉ちゃんに、ぎゅーっとされてちょっと苦しい。
お兄ちゃんが止めてくれたけど、私の花かんむりが落ちてしまった。
「大丈夫?僕のお姫様」
なぜか恭しい仕草で、花かんむりを頭に載せてくれるお兄ちゃん。
「お兄様のではなくて、わたくしたちのお姫様ですわ」
お姉ちゃんよ、修正するところ違うから!
私がお姫様なら、お姉ちゃんもお姫様だからね!
兄妹で和気あいあいしていたら、パパンとママンに見られていたみたい。
「セルリア、子供たちが可愛いすぎて辛い……」
って言ってたってママンに教えてもらった。
もっと早く声かけてくれていたら、その残念なパパンの顔が見れたのに!!
パパンとママンも加わり、私とディーの花かんむりを二人に載せてみた。
ママンは似合ってたけど、意外にパパンも似合っててビックリ。
イケメンは何しても様になるんだね。
「さぁ、食事にしましょう」
ママンに言われて、みんなで食堂に向かう。
いつもと同じ、楽しい団欒のひととき。
後日、あの花かんむりは、私の成長記録として、パパンが大事に保管していると教えられた。
ママンが苦笑していたから、ひょっとしたら他にもいろいろと保管されていたりして…。
親馬鹿すぎるのも、やっぱり問題だな。
大きくなって、成長記録コレクションを見せられるのは嫌なので、パパンに封印するようお願いしよう!
コミカライズ1巻、無事に発売日となりました!
こんな遅筆な作者を見放さず、応援してくださっている皆様のおかげです。
いつも、ありがとうございますm(_ _)m




