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いろいろあって、混乱してる。

【お知らせ】

コミカライズすることが決定しました!

詳しくは、8月25日の活動報告をご覧ください。

寝たきり状態で体力が落ちているかと思いきや、あまり変わっていなかった。

お庭でノックスたちと思い切り遊んだのだが、五歳のときと同じくらいだった。

マナーのおさらいとか、ダンスの練習もやらされたけど、こちらはちょっと鈍ってたね。

お兄ちゃんとお姉ちゃんが協力してくれて、楽しかったからいいけど。


「ネマ、明日は王宮へ行きますからね」


ママンに告げられた予定の一つである王宮。

王様と王妃様に、無事でしたって挨拶しに行くらしい。

まぁ、廃屋だったとはいえ、王都内でソルが現れたり、女神様が降臨したりと大騒ぎの原因となったので、報告も必要だよね。

…はて?

報告と言っても、私ほとんど覚えていないんだが?

これはいかんと、ソルに念話を飛ばす。


ーソルー!おっはよー!!


ー精霊たちから起きたとは聞いていたが、ずいぶん長く寝ておったなぁ。


ー起きたら二巡も経ってて、びっくりしたよ…。でね、私、なんにも覚えてないから、何が起こっていたのか教えて欲しくて。


お兄ちゃんが言うには、竜玉(オーブ)を通じて、私がソルの力を奪い取り、暴走させたらしいのだ。

だが、私には魔力を操ることはできないので、本当のところどうなんだろうね。


ーよかろう。だが、竜玉を使い、我の力を暴走させただけだがな。


ん?

本当に暴走させちゃったの!?


ー魔力がなくてもできるものなの?


ー我の魔力ごと持っていったからな。それで、魔力を扱いきれなくて暴走させたのだ。


つまり、なんだ。

私は扱い方を知らない兵器を誤爆させたみたいな感じだったのか…。

それって、めちゃくちゃ危ないじゃん!


ーソル、ありがとう!


ー急にどうした?


ー私だけじゃなくて、周りに被害が及ばないようにしてくれたんでしょう?


私を暴走から守ってくれたのはもちろんだが、暴走した力が周囲に広がらないようにしてくれていたに違いない。


ー我の力だからな。返してもらったにすぎぬ。


おぉ!

ソルが照れてる!!


ー照れるソルは可愛いねぇ。


ーなっ!もう用がないなら切るぞ!!


プツンと念話が切れてしまったが、照れるソルを想像してはニヤニヤしてしまう。


さて、だいたいのことはわかったかな。

私は、ディーを殺された怒りから、ソルの魔力という凶器を振りかざした。

そう、凶器だ。

あいつらは許せない、苦しんで死ねばいい。

そんな思いに支配されて、ソルの魔力を使ったものの、私自身が耐えきれなかった。

家族は何も言わないけれど、私はあの二人を殺したんだ。

不思議なことに、人を殺したということに何も感じない。

コボルトと冒険者の戦いのときは、あれほど恐ろしかったのに…。

そして、その結果、屋敷を全壊して、私は女神様に癒しを施され二巡も眠ることになったと。

…ルノハークを甘くみてしまったのが原因だな。

創聖(そうせい)教が怪しいと自分で言っておきながら、警戒を怠ってしまった。

もっと私がしっかりしていれば、森鬼とパウルだけでも対処できたと思う。

今回の反省点を次に活かせるよう、私自身も強くならないと…。

よし!頑張るぞー!!


翌日、自分の中で考えをしっかりとまとめて、お出かけの準備をして、ママンと王宮へ向かう。

すると、森鬼も連れていくと言われた。

まぁ、森鬼も王様からフリーパス(私と同伴のとき限定)を持っているので大丈夫だろうけど。


王宮に到着すると、なぜかグウェンとその部下たちがお出迎えしてくれた。


「お待ちしておりました。陛下の命にて、お三方をご案内いたします」


爽やかな笑顔と敬礼…。

お前は誰だ!!

グウェンはもっと冷たい感じのクールビューティーだぞ!

なんか恐ろしいんだが…。


グウェンに連れられて、向かった先が謁見の間。

まさかの公式訪問だったのか!!

謁見の間とか、ソルと会ったとき以来だよ。


「オスフェ公爵家、セルリア夫人とご令嬢ネフェルティマ様、護衛のシンキをお連れした」


大きな扉の前の近衛騎士にそう告げ、重々しい扉がゆっくりと開く。

ママンに促され、おっかなびっくり入ると、見知った顔ばかりで、少し緊張が解けた。


前回と同様、素晴らしいテノールの美声が、ママンと私の名を読み上げる。

この場合、シンキが呼ばれないのは、身分が平民扱いだからなのかな?

玉座の前まで行き、臣下の礼を取る。

みっちりおさらいしてきたので、美しい礼になっているはずだ。

森鬼は、私が寝ている間に礼儀作法を叩き込まれたらしく、凄く様になる敬愛の礼を披露していた。


「楽にせよ」


王様からのお許しが出たので、顔を上げて周りの様子をこっそりと(うかが)ってみる。


玉座には、王様と王妃様。

相変わらずのナイスミドルと超美人さん夫婦である。

ヴィとラース君も相変わらずと言いたいとこだが、ヴィはいつもの意地悪そうな笑顔ではなく、王子様スマイルを浮かべている。

なんか、キモい…。


「セルリア、ネフェルティマ、よく来てくれた」


「我々は陛下の忠実な臣ですもの。遠慮はいりませんわ」


玉座の下には、大臣ズとゴーシュじーちゃん。

ママンは何も言っていなかったが、パパンもいた。

ここまでは、いつもの顔ぶれと言ってもいい。

壁際にはなぜか、師団長のナハル卿を始め、連れてきてくれたグウェン、ダンさん、レスティンといった王国騎士団と宮廷近衛師団の隊長クラスがずらりと並んでいる。

なんなんだ、この重々しい空気は!?


「ネフェルティマ、無事で何よりだ。さて、自身に何が起こったのか、説明できるかな?」


発言してもいいようなので、順を追って説明する。

まず、創聖教を怪しいと思ったこと。

戦を起こして、誰が得をするのかと考え、希望を求めて神様に祈る人々が増えるのではということに行きついた。

つまり、寄付金で懐が潤い、また国によっては発言力など権力が強くなると。

しかし、まさか王都の、しかも上級貴族の教会でルノハークが動くとは思わず、対応が遅れ、私がさらわれてしまった。

さらわれた先に、ディーが助けにきてくれたのだが、私を庇い女神様のもとへと旅立ってしまった。

私は、さらった犯人に激しい怒りと恨みを抱き、無意識に竜玉を通じてソルの魔力を使い攻撃した。

しかし、魔力を扱いきれずに暴走させて、それをソルが抑えてくれた。

女神様が降臨されたのは覚えていない。

女神様とお茶をしたことは、話していいものかわからなかったので、とりあえず黙っておこう。


「私自身、あまり覚えていないので、ソルから聞いたことですが…」


「そうであったか。辛い思いをさせてしまったな」


「ネマの元気な姿を見て、安心しました」


王様と王妃様にも、凄く心配をかけてしまったようだ。


「それにしても、姿が以前のままなのはなぜだ?」


ヴィめ!

痛いところを突きやがって!


「ラルフが言うには、女神様の加護によるものと。ネマが眠っている間、女神様にお守りいただいておりましたので」


ラーシア大陸の歴史の中でも、ちょいちょい起こっている事象でもあるので、女神様のお力だと言えば、みんな納得している。


「デールラントより報告があったが、ネマは創造神様の愛し子で間違いないか?」


パパン、王様に言っちゃったのか。

というか、知らない人もいる中で言っちゃっていいものなのか?


「ここにいる者たちには、この場で聞いたことを口外しないよう、すでに名に誓っている」


私が戸惑っていることに気づいた王様が教えてくれた。

それなら大丈夫か。


「ラース君が言うには、いとし子だそうです」


女神様から聞いた、愛し子が異世界からの転生者うんぬんも言えないなぁ。

私の言葉を肯定するように、ラース君がガウッと鳴いた。

あー、ラース君をもふもふしたいなぁぁぁ!!!


「ネマ、ちゃんとあとでラースと遊ばせてやるから」


私の心の叫びが、なぜかヴィには聞こえたようだ。


「ほんと!?」


「あぁ。話がすべて終わってからな」


…話だと?

うーん、ヴィが優しいと裏がありそうで怖いな。

でも、ラース君のもふもふのためには、我慢するしか…。


「ネマが愛し子だということを、ルノハークは知っていたそうだ」


ん?

ルノハークが知っていただと!?


「愛し子は、聖獣と精霊にとって、本能というべき感覚でわかるそうだ。つまり、ルノハーク側に精霊術師がいれば、知り得る情報だった」


そういえば、そうでした。

情報源は精霊だったか。

私やヴィも、ラース君に聞くまでは知らなかったもんな。


「ということは、こちらのじょうほうはつつぬけ?」


「いや、そうでもない」


答えたのはヴィだった。

王様が精霊を研究していたとして、それでも精霊について詳しいのはヴィだろう。

聖獣と契約すると精霊が見れるようになるし、精霊王がいる精霊宮にも行くことができる。


「精霊術師といえど、すべての精霊を見ることができるわけではない。術師と相性のいい精霊のみだ。また、その精霊が上位であれば脅威ともなるが、風の精霊によると、現在上位精霊を従える術師はいないということだった」


森鬼は精霊術師としてカウントされていないのか?

それとも、森鬼も上位精霊は扱えないのかな?

ちらりと森鬼の方を見るが、どうやらこの状況に飽きているようだ。

視線がなぜか上の方にいっている。

あとで聞いてみるか。


さて、精霊と所縁(ゆかり)があるのは、聖獣の契約者や精霊術師だけではない。


「エルフというかのうせいは?」


「それはないだろう。エルフは創造神様と女神様、そして精霊を信仰する種族だ。そんな彼らが、愛し子の望まぬことをするか?」


そりゃそうか。

アドもヴェルも、精霊をとても大切にしているようだった。

愛し子というよりは、精霊に嫌われるようなことはしないと思う。


情報をまとめると、ルノハークには精霊術師がいる可能性が高く、そこから私が愛し子であることが知られたということだな。

その精霊術師が脅威にはならないとは限らないよね。

相手に知られたくないことは、精霊に内緒にしてって言えば、してくれるかな?


「そこでだ。デールラントとも相談して、ネマをライナス帝国に行かせようと思う」


……王様?

ん?んんん!?

いやいやいや、ちょっと待とうか。

何がどうしてそうなった!?


「陛下、発言してもよろしいでしょうか?」


「あぁ。ネマが混乱しているようだから、お前から説明してやってくれ」


パパンと王様がやりとりをしているが、その説明とやらを早めにお願いしたい。


「ネマ。最初に伝えておくが、ネマを外に出すという決断は、非常に、(はらわた)を捻り出すがごとく苦渋の決断だった」


あ、パパンが泣きそう。

というか、パパンの性格からして、ネマのことは俺が守る!って言って、王様の意見を蹴散らしそうだから、よっぽどなのはよくわかるよ。


「現在、ライナス帝国には、皇族に聖獣の契約者様が三人おられる」


「王妃様のごりょうしんとこうてい様?」


「そうだ。太上(だいじょう)皇帝、皇太后両陛下と今上(きんじょう)皇帝陛下だ」


陛下がいっぱいいるね。

凄くややこしんだが…。


「そのお三方の聖獣様がいらっしゃる帝都ならば、ネマも安全だろうということになったんだよ」


「ラース君とソルがいてもダメなの?」


「現に、ラースと炎竜殿だけでは、守りが不十分だと立証されたな」


私の反論を、ヴィが容赦なく叩き落とす。

うぅぅ。

お家から出るのは嫌だ!!


「すぐにというわけではないよ。カーナをライナス帝国に留学させ、その同伴者としてネマもついていくという形になるから」


パパンの言葉に、がばりと顔を上げてパパンを凝視する。


「…おねえ様も一緒?」


「そうだよ。ネマを一人にさせるわけがないだろう?」


言われてみれば、そうだよね。

こんなお子様を一人で国外にやるわけないよね。

でも、パパンやママン、お兄ちゃんや使用人のみんな、愉快な魔物たちと離れるのはとっても嫌だ!


「おとう様たちとはなればなれはいや」


「…ネマッ」


あ…、パパンが泣いてしまった。

えーっと、これ、どうしたらいいの?

助けを求めるべく、ママンを見上げるとなぜか笑顔を浮かべていた。

…ちょっと怖いよ。


「デール」


どこからともなく冷気が漂うと、パパンはピタリと泣き止んだ。

さすがママン!

パパンの扱いをよくわかってらっしゃる!!


明らかに場が凍ってしまったのを、王様が咳払いをしてなんとかしようとする。


「ライナス帝国では、シアナ計画に似たようなものを取り入れたいと言っていて、ネマを使者として立てようと思っている」


…はい!?


「表向きは、カーナディア嬢の留学について来たことにするが…」


裏ではライナス帝国版シアナ計画を指導しろと?

いや、無理でしょ!!


「それで、ネマに紹介したい人がいるの」


王妃様よ、何がそれでなんだ!

どこに話が繋がっているの!?


玉座がある上段に現れたのは、儚い感じの美中年と中性的な美青年。

たぶん、男性であってるはず。

胸ぺったんこだし、ウエストもくびれてないし、服装が男性ものだし。

ただ、彼らからは王妃様の血縁であることがビシビシ感じられる。


「わたくしの弟と甥です」


やっぱりね!

……って、まさかとは思うが、甥の方は皇太子とかいうんじゃなかろうな?


「デールラント・オスフェの妻、セルリアでございます」


ママンをお手本に、どの礼をすればいいのか盗み見る。

公用の礼二位か。

国賓が他国の場合に使う、全貴族共通の礼だ。

私、苦手なんだよね。

両方の手のひらを相手に見せてから、胸の前に持ってくるんだけど、私がやるとダサい踊りみたいになる。

…たまにだけど。

一応、見苦しくない程度にはできているはず!!


「むすめのネフェルティマです」


「どうぞ、お顔を上げてください」


許可が出たので礼を崩し、改めて彼らを見る。


「お忍びで来ているので、正式な名乗りは控えさせていただきますが、ルイとお呼びください」


ルイと名乗った美中年。中年といっても、たぶん三十半ばくらいだと思う。

王妃様と同じような配色だけど、全体的に薄い。

だからなおさら、儚げに見えてしまう。


「テオという。よろしく頼む」


テオと名乗った美青年は、たぶん二十歳くらいかな?

女顔ってわけじゃないけど、男っぽさもなくて、本当に性別を感じられない中性さだ。


あと、名前はたぶん偽名かな。

お忍びだと、名前も明かせないのか。

身分が高すぎるのも大変だね。


「彼らにシアナ特区を見せて上げて欲しいの」


まぁ、王妃様のお願いならば断るつもりもないが、本当にライナス帝国でシアナ計画やるの?


「畏まりました。では、日程などはまた後ほどでよろしいでしょうか?」


「えぇ。よろしければ、話し合いも兼ねて、このあとお茶会をしましょう」


なんか、私そっちのけで決まっていくが、王妃様は嬉しいんだろうなぁ。

自分の弟と甥が来てくれて。

つか、そのお茶会って、私も参加しなきゃダメかな?

ダメだよね…。

ラース君をもふもふしたかったんだが、ラース君も参加するかな?

お茶会の間、ラース君を貸してくれないかな?


「では、これで終わりにしておこう。お茶会の準備が整うまで、別室を用意する。ネマと親しい者たちも、そちらを使うといい」


しばらくは、みんなに挨拶する時間をくれるってことか。

王様の心遣いがめちゃくちゃ嬉しい!


「王様、ありがとうございます!」


笑顔にありったけの感謝を込めてお礼を言うと、王様においでおいでをされた。

ん?

とりあえず行ってみると、膝抱っこされた上に、耳打ちで言われた言葉に固まる。

いや、うん。

いろいろと迷惑かけちゃっているだろうから、王様のお願いを聞いて、少しでも恩を返しておくべき…なのか?


「…ガルディーおじ様」


王様のお願い、それは名前で呼んで欲しいだった。


「まぁ、陛下!ずるいです!わたくしも名前で呼ばれたいのに」


ほら!王妃様まで変なこと言い出したじゃんか!!


「…陛下、覚悟はよろしいでしょうか?」


パパンの地を這うような声に、王様はなぜかニヤリと笑った。


「あの事をネマに言ってもいいのか?」


王様がそう言うと、パパンが言葉に詰まった。

珍しい!

王様に対しては、強く出るパパンが押されているとは!!

パパンと王様の間に、何があったんだろう?


「父上、からかうのはそれくらいにしてください」


ヴィが止めに入り、なおかつ、私を膝抱っこから救出してくれた。

やっぱ、王様や王妃様がいるときは、ヴィは必須だね!

助かったー!!


「客人の前で失礼した」


「いえ。微笑ましい光景でしたので、お気になさらず」


「仲がよいのですね。姉上も楽しそうで安心しました」


本当にな。

お客様がいるのに、はっちゃけすぎなんだよ。


「ルイ殿とテオ殿を、応接の間にご案内してさしあげろ」


見えないところに控えていた侍女が、二人をどうぞこちらにと促す。


「陛下、本日はありがとうございました。姉上、またのちほどお会いしましょう」


二人が一礼して退室すると、ヴィは王様たちにも早く行けと促す。


「やれやれ、仕方ない。リリーナ、ここはヴィルの顔を立てるとしようか」


「はい」


この夫婦も、仲はいいんだよね。

王様が王妃様を優しくエスコートして、謁見の間を出ていった。

偉い人たちがいなくなったからか、みんなの緊張もある程度は解けたようだ。

いや、まだ一応、王子がいるからね。


「ヴィ、ラース君。助けにきてくれて、ありがとうございます」


私のピンチに駆けつけてくれたお礼を言えていなかったので、臣下の礼をつけてお礼を言う。


「気にしなくていい。俺は何もできなかったからな」


礼を崩していいという合図なのかもしれないが、頭をわしゃわしゃするのは止めてくれ!

それにしても、ずいぶんイケメンに育ったなぁ。

王妃様譲りの、艶っぽさというか色気みたいなものをにじませつつも、王様のような精悍さもあるという。


「どうした?」


「いや、ヴィ、かっこよくなったなぁって」


「惚れたか?」


「…それはない!おにい様の方がかっこいいもん!!」


身近に天使のような美少年がいるのに、ヴィに惚れることはない!

ついでに中身が変態鬼畜腹黒…あとなんだったけ?

とにかく、中身がいただけない!!


「…お前は、まったく変わってないな」


それに同意するかのように、ラース君がガウと鳴いた。


「ラース君!!」


久しぶりのラース君に抱きつこうとしたら、その前に顔をベロリと舐められ、さらには頭を擦りつけながらゴロゴロと喉を鳴らすという…。

ラース君がデレた!!

自ら甘えてくるラース君というのも珍しく、本当にびっくりした。


「ラースも心配していたからな。ネマに会って安心したんだろう」


「ラース君、しんぱいかけてごめんね」


ラース君にぎゅーと抱きつくと、久しぶりの極上もふもふが肌をくすぐる。

はぁー、堪らん!!


「部屋の用意ができたようだ、行くぞ」


ラース君が乗れと言うように屈んだので、遠慮なく背中に乗る。

ヴィに案内された部屋では、パパンとママン、大臣ズ、ゴーシュじーちゃんと、私が知っている人たちが揃っていた。

ダンさんたちはいないので、また後日、挨拶に行かないとだな。

竜舎や獣舎のみんなも元気かな?


「ネマ、元気そうで本当によかったわ」


目に涙を浮かべたオリヴィエ姉ちゃん。サンラス兄ちゃんも笑顔で頭を撫でてくれたし、ジーン兄ちゃんはネマが無事でよかったと抱きしめてくれた。

感動の再会だったが、オリヴィエ姉ちゃんがしみじみと言った一言が気になった。


「ネマが眠っている間、ほんっと大変だったのよ」


めちゃくちゃ力のこもった本当だったが、何があったのだろう?


「歴史に残る、オスフェ家の暴走だったな…」


サンラス兄ちゃんはどこか遠いところを見ている。


「騎士たちが怯えておったぞ!」


ガハハと豪快に笑うゴーシュじーちゃん。

いや、それ、笑い事じゃないと思うんだが?


「これからわたくしたちが話すことは、ネマにとって辛いことかもしれません」


ママンの雰囲気から、ただ事ではないのは理解できた。

いったい、何があったんだ!?




大変、お待たせいたしましたm(_ _)m


更新が止まっている間も、感想をくださった皆様、ありがとうございます!

本当に、執筆への原動力となりました。


あと、もふもふ成分が不足してます(笑)

しばらく、本編にもふもふが入れられそうにないので(たぶん2、3話くらい)、番外編で補充したいと思います。


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