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山登りからの…。

一部、下品な表現がございます。

苦手な方はご注意下さい。

さて、やって参りました山登りの日!

お弁当、おやつの準備もバッチリです!!


で、山登りというのに、私の服装はワンピースなのですよ。

今まで、まったく気にしていなかったけれど、コボルトのときも、海に行ったときも全部ワンピースだったわ。

動きを邪魔されなかったので、本当に気にならなかったのだ。


「おようふく、これでいいの?」


「ん?違うものがいいの?」


お兄ちゃんに渡されたのは、色の違うワンピース。

ワンピースから離れようよ。


「ずぼんがいいの!」


ガシェ王国の文化では、女性がパンツスタイルなのも珍しくない。

オリヴィエ姉ちゃんもパンツスタイルで通している人だし。

まぁ、貴族ではドレスの方がウケはいいみたいだが。


「でも、性能的にはこちらの方が高いからね」


「ん?」


服の性能が高い…これいかに??


「ネマの誕生日に、オリヴィエ姉様からたくさんもらったよね?」


「うん!」


「オリヴィエ姉様からの服には、文様魔法でいろいろな効果がついているのは知らなかった?」


「うん!!」


今、初めて知ったよ!

長持ちするようにはしたって聞いたけど、文様魔法については何も言っていなかったよ?


「ネマを守るために、各種防御魔法と動作補助、転倒防止、あとは…」


もう、いいです。

オリヴィエ姉ちゃん、転倒防止って…私、そんなにそそっかしくないもん。


「王族以上の性能ができたって言っていたから、僕としてもオリヴィエ姉様の服を着てくれた方が嬉しいな。ネマにとっても似合っているしね」


お兄ちゃんに、キラキラ王子オーラたれ流しで言われたら仕方ない。

山登りなので、保護色の緑系にするか、それとも迷子防止のため目立つ赤系にするか…。

お兄ちゃんに相談したところ、間髪なく返ってきた答えは青だった。


「あお?」


「そう、ネマに一番似合う色だからね」


だそうです。

結局、青のワンピースで山登りすることになった。



班長さんを先頭に、ゾロゾロと山の中に入っていく。

森と違い、緩やかだが斜面になっているので、山だと感じる。


案内役さんの指示に従って登ること二時間。

途中、急斜面もあったり、小川が流れていたりと、飽きることはなかった。


「クゥゥゥ」


私たちの前に現れたのは、クマのような顔でブタのような体を持つマルという動物だった。

顔の部分には毛があるが、体の部分には毛がない。

たとえるならば、ライオンカットしたクマもどきだろうか?

マルが二匹、構って構ってと来たので、頭を撫でてみる。

ふむ、硬いな。ちょっとチクチクする。

撫でられている方は気持ちいいのか、もっと撫でろと手にすり寄ってくる。

不思議な体の方はというと、産毛みたいなものが生えている。

マルの体温は高めのようで、温かい。寒い日には布団に入れておくといいかもしれないな。


他にもイタチみたいなクイ、ネズミみたいなキキなど、たくさんの子たちが遊びにきてくれた。

お土産に、山で採れた果物を持ってきた子もいたが、その場で仲良く半分こにしました。

せっかく持ってきてくれたのだから、一緒に食べようってね。

ノックスとグラーティアがくれくれ攻撃をしてきたのでわけてあげたが、お前たち、少しは(はく)を見習え!

白は大人しく、ヴィの癒し道具となっている。


まだ、昨日の件を引きずっているのか?

まぁ、神様からの能力なんだから諦めてよ。

クレームは神様宛てにお願いします。


こうやって私の足が止まるものだから、なかなか先に進まないという。

それも諦めてよ!神様からの能力なんだから!!

動物たちが構ってって来るんだから。構ってあげないと可哀想じゃん。


更に登ること一時間、もうちょっとで山頂に着くらしいが、目的地に着いたようだ。

そろそろ足腰がヤバいので助かった!明日は筋肉痛だな!!


「ここ一帯には大小様々な洞窟があります。中はどうなっているのかわかりませんが、一番大きな洞窟にセイレーンがいると言われています」


水場と呼ばれていたわりには、水はない。

目の前には崖。その崖に穴が所々空いている。あの穴が洞窟なのだろうか?


「祖父の話からすると、この洞窟だと思うのですが…」


崖に沿って歩いていくと、人が二人は並んで歩けるくらいの穴があった。

これで一番大きいの?


「入口の大きさというより、洞窟の大きさを言っていたので」


「中がひろいってこと?」


「だろうな。入ってみればわかるだろう」


お、白に癒されて、少しは復活したかな?

洞窟に入るにしても、中の様子がわからないので、再び居残り組が決められた。

洞窟探検ができないのは可哀想だ!

洞窟探検は男のロマンじゃないのか!?


「たからもの持ってくるからね!」


居残り組にお土産を約束した。

二人は苦笑しながらも、楽しみにしておりますと応えてくれた。


そんな様子を見ていたヴィが、お兄ちゃんに言う。


「ラルフ、命綱」


お兄ちゃんも笑顔でロープを準備しないで!!


またもや命綱。そして、その先はラース君。

どうしてこうなる!!


他の騎士たちはせっせと光源となる魔道具を準備しているし、誰も助けてくれない。

うぅぅ。


洞窟探検の先頭は森鬼になった。

精霊たちを使って、周囲の状況を把握できるからだ。

班長さんと魔道具を持った騎士さんに続き、案内役さんに白、私たちと殿(しんがり)が近衛騎士のダナートだ。


白には、いざというとき、案内役さんを守るように言ってある。

まぁ、その前に森鬼がどうにかすると思うが。


入口付近は、自然にできた岩穴みたいな感じだった。外からの明かりも届いているので、洞窟っていう感じがしなかった。

様子が変わったのは、明かりも届かないほど奥に進んでからだ。

足元の感触などから、緩やかに下っているように思う。体感も外より暖かいし、湿度も高めだ。

そして、何よりおどろおどろしい!!

魔道具からの光が周囲を照らすが、天井から垂れ下がるのは鍾乳石ではなく、粘液状の謎の物質!灰色の岩肌には謎の植物と思われる何かが絡みつき、ピチャピチャという水音がさらに恐怖をあおる!!


洞窟って、もっと綺麗なものだと思ってたぁぁぁぁぁ!!

神々しい絶景が見られるものと思っていたのに、お化け屋敷より怖いよぉぉぉ!!!

しかも、謎の植物が動いてるんですけどぉぉぉ!!!


謎の植物は光に反応して、うねうねと動く。その光景が気色悪っ!


お兄ちゃんにしがみつき、なんとか前へ進む。

すると、洞窟の雰囲気が変わる。

ピチョンピチョンと水の音が反響し始めた。

広い空間に出たようだ。


「おぉ!!」


これぞ、洞窟!

求めていた光景が目の前に広がる。


おびただしい量の鍾乳石。

下には石筍(せきじゅん)や、一本の柱となった石柱。

それらが、淡い光をまとっているのだ。

これを幻想的と言わずしてなんと言う!!


「できる限り音を立てるなよ」


洞窟探検のお約束ですな!

大きな音を立てると、それが衝撃となり、上の鍾乳石が降ってくるってやつ。

風の力で音を伝わらないようにすることもできるだろうが、念には念をってとこか。


精霊たちが教えてくれる、比較的安全な場所を選びながら歩いていく。

足元がツルツル滑るので、ここでもお兄ちゃんにしがみついている。


それにしても、この鍾乳石はなんで発光しているのだろうか?

ファンタジーのお約束ではあるが、気になるものは気になる。

しかし、しゃべってはいけない雰囲気なので、探検が終わるまで我慢だな。


鍾乳石をまじまじと観察していると、小さな生き物が張りついていた。

お、かべちょろ発見!

ん?ヤモリだっけ?イモリだっけ??

ま、いいか。

トカゲタイプの生き物は、全長3センチくらいで、青い色をしている。

さらにじーっと観察すると、動きに合わせて体色が変化しているではないか!

様々な濃淡の青が、鍾乳石の光を浴びてキラキラしている。

ほぇー、やっぱりカメラが欲しい!

超綺麗なんだもん!


私がかべちょろ…じゃない、青いトカゲと遊んでしまったので、鍾乳石の空間を抜けるのに少し時間がかかってしまった。

精霊さんの案内で進んできたが、徐々に気温が下がってきている。

火属性の騎士さんに耐寒の魔法をかけてもらい、まだまだ進む。

その先に待ち受けていたのは、なるほど。寒いわけだ。


次のエリアは氷の世界だった。

いや、氷のオブジェが立ち並んでいると言ってもいい。

滴り落ちる水が凍ってできた、自然の産物なのだろうが、これまたすごい!

丸みを帯びた曲線的なものもあれば、水晶じゃないの?と疑いたくなる六角柱もあった。

触ると氷だったので、天然物なのは間違いないだろう。

この氷を使って飲むウイスキーは美味いだろうなぁ。


そんな絶景を眺めながら進むものの、これまた滑る。

足元がスケートリンクのようにツルッといってしまう。

氷のオブジェを通りすぎると、奥に三つの穴があった。

左側からは微かだが風が通っているようだ。

中央の穴は真っ暗で何も見えない。

右側はほんのわずかながら明るい。

出口を探してとかだったら、左側か右側を選ぶのだろうけど、精霊さんが選んだのは真ん中。

真っ暗の中、魔道具の明かりを頼りに進む。


しばらくすると、前方に青白い光が揺らめいているのを発見した。

洞窟の壁をゆらりゆらりと光が踊る。

水面が反射した現象に似ている気がする。


抜き足差し足忍び足でゆーっくりと進めば、女性の笑い声が聞こえてきた。

ようやくか!?

班長さんがそーっと先を(うかが)う。

セイレーンがいたのか、進めとハンドサインを出してきたので、私たちも覗いてみる。


覗いた先には大きな池があった。いや、地底湖と呼ぶに相応しい、青く輝く湖だ。

さらに不思議なのが、外に繋がっている様子もないのに、湖全体が発光していることだ。

光の強弱は少なく、一定の光量を保っている。

水の中に発光生物でもいるのかな?

そして、目を惹くのが、思い思いに寛いでいる半裸の女性たち。

全員がナイスバディで、けしからん胸とけしからんくびれをお持ちでいらっしゃる。

もっともけしからんのは、綺麗なおみ足が鱗に覆われていることだ!!

人魚だから仕方ないかもしれないが、キュッとしたくびれときたら、桃型のプリティーヒップを期待するではないか!!魅惑の太ももは?触りたくなるふくらはぎは?エロス漂う足首は!?

男の夢とロマンよ、どこいった!!!


ヤバい、興奮しすぎて鼻血出そう…。


「これはなかなかの光景だな」


鼻の下が伸びてるぞ、ヴィ。

変態鬼畜陰険王子にスケベも足してやろう。

お兄ちゃんは直視できないのか、あちらこちらに視線が泳いでいる。

つか、これだけ堂々とされると、ラッキースケベの有り難みがないな。


「あれがセイレーン?」


ナイスバディなお姉様方がセイレーンだとすると、人魚を見たと言ったお兄ちゃんが当たりなのか?


「だと思うが…」


さて、これからどうするか。

このまま突撃したら、逃げられそうだよね。

うーん、困ったぞ。


「聞けばわかるだろう」


そう言って、森鬼がスタスタとセイレーンのもとへ向かう。

ちょっとちょっと!!


予想だにしなかった森鬼の行動に、全員がぽかーんだよ。

森鬼に気づいたお姉様方は短く悲鳴を上げて、水の中に逃げていった。

ホラ見ろ!


「海で悪戯しているセイレーンを探している。心当たりある者はいないか?」


直球ストレートでいったな、ヲイ。


森鬼の問いかけに興味を持ったのか、逃げたお姉様方が頭だけ出して森鬼を見つめている。


「…貴方、魔物?」


「そうだ」


こらこらこら!勝手にバラすんじゃありません!!

まだ、近衛騎士たちは知らなかったのに!

森鬼の爆弾発言に、近衛騎士たちから驚きの声が上がった。


「他に誰かいるの!?」


あーあ、見つかっちゃった。

ヴィが視線で合図を出すと、まずお兄ちゃんが出ていった。


「驚かせてしまい、すみません」


お兄ちゃんの困ったスマイルは、お姉様方の心を鷲掴み!掴みはOKってか。

続いて、ヴィ、ダナートと出ていったのだが、黄色い歓声が上がった。

セイレーンと言えど女性。イケメンは大好物のようだ。

その後ろからこっそり出るのは残りの面々。

よし、顔面偏差値高い組は前に出ろ!

班長さんは、その大人の魅力でお姉様方を落とすのだ!!

グイグイとイケメンどもを前に押しやる。

私の突飛な行動に面食らっていたが、知ったことではない。


「ふふっ。いい男がこんなに…」


ふむ。お姉様方の目が狩人の目になったぞ。

肉食系女子、こえぇぇぇぇ!!!


「貴女のような美人に褒めてもらえるとは光栄だな」


なんか変なスイッチがまた入ったな、ヴィめ。

お姉様方は美人と言われてキャイキャイ喜んでいる。

こんな変態鬼畜陰険スケベ王子でよければ、熨斗つけてあげるよ?

…あ、王様たちが悲しむかもしれないから、やっぱダメ。


「それで、海で悪戯している者を知っているのか?」


森鬼はぶった切るなぁ。もうちょっと、友好的にいこうよ、友好的に。


「海?私たちは海には行かないわよ。ここの方が穏やかだし、そこそこ男も捕まえられるし」


サラッと怖い発言きたな。

ヴィと顔を見合わせたお兄ちゃんが、実は…と海で起きていることを説明した。


「確かに私たちの種族みたいではあるけど。でも、海の男なんて美味しくないから食べないわよ、ねぇ」


ねぇと、他のセイレーンたちに同意を求める。そして、他のセイレーンたちも認めた。

そうか、海の男は不味いのか…。


「失礼ながら、食べるとは?」


お兄ちゃん、勇者だな。

むしゃむしゃもぐもぐの食べるじゃないといいけどね。


「私たちが食べるのは『(ごう)』よ」


「業?」


「えぇ。命あるものすべてが、生きていく上で積み重ねる罪とでも言えばいいのかしら?」


…業って…。

神様、何をどうしてそうなった!?

何を参考にしてセイレーンを創ったのだ?

つか、お前は厨二病か!!!


「それがなくなるとどうなる?」


「ふふっ。生きてはいけないわね」


「なぜ?」


「業はその命の記録みたいなものなの。どれだけ生まれ変わっても、その命に刻まれた業は積み重なったまま。業がなければ、命は成り立たないの」


私が神様厨二病説を真剣に悩んでいる間に、話がサクサク進んでいる。

一度厨二病だと思ってしまうと、設定がすべて厨二くさく感じるのはなぜだろう?

おかしいな、ファンタジーな世界だったはずなのに…。


「その業に美味しい美味しくないとかあるのか?」


「海の男たちは真面目すぎるのよねぇ。悪さしている方が断然美味しいわ」


なんだろう?このちょい悪の方がモテるみたいな?世の真面目な男性たちが凹みそうな感じは。


「そうか。ならば俺たちは美味しくないかもしれないな」


まぁ、騎士さんたちは真面目が売りですからな。お兄ちゃんはもっとも業が少ないと思うぞ!ヴィは…美味しいかもよ?

ん?待てよ。ひょっとして、この中で一番美味しそうなの私だったりする!?

…まさかね…。


「いい男からは子種をもらうのよ」


ちょっ…アダルトな話は禁止だってば!!

セイレーンハーレムとか誰得!?

つか、エロゲーになるからやめいっ!


「申し訳ないけど、幼い妹がいるので、そういう話は遠慮してもらえるかな?」


お兄ちゃん、ありがとう!

私は知らないよ。うん、子種なんて単語知らないから。赤ちゃんはコウノトリが運んでくるんだから!!


「あら、可愛い!」


幼い妹の発言で、お姉様方に存在を認識されてしまった。

なんか、キランと目が光ったように見えたのは気のせいか?

やっぱり、私が一番美味しそうなのか??

ビビってお兄ちゃんの後ろに隠れる。

食べられたくないもん!


「おいでおいで。食べたりしないから」


お姉様に手招きされているが、食べられるという恐怖はそうそうなくならない。


「ガウッ」


ラース君の鳴き声と共に、柔らかな風が私を包んだ。

ヲイ、ラース君!行けってどういうことだ!!

ラース君が守ってくれるから、行っても平気だぞってことだろうが、食べられたらどうする!?


しかし、相変わらずセイレーンのお姉様は笑顔で手招きしている。

えぇい、女は度胸じゃ!


そろりと水際まで行くと、セイレーンたちが集まってきた。

口々に、可愛いだの、小ちゃいだの言いながら、私を撫でまくる。

いつもと立場が逆になっている。


ナイスバディの美女軍団に囲まれて、可愛いと愛でられ、ふむ。悪い気はしない。

さっきまでは怖かったが、食べられる様子はないので、お姉様方とのスキンシップを受け入れる。

好奇心に駆られて、お姉様の髪を触ってみた。

…!!

水に浸かっているはずなのに、濡れてなくて、しっとりツヤツヤだと!!

それなのに、サラサラっと手から溢れる感触も極上で、どんなシャンプー使ったらこんな髪になるんですか!?


「やっぱり、女の子はいいわねぇ」


「男の子じゃ、可愛げがないものね」


「次は女の子がいいわ!」


「そこのお兄さんたち、子作りしない?」


あー聞こえない。

えっちぃ話はカットカット!

ナイスバディ美女軍団に粉をかけられ、顔を真っ赤にする純情男子が数名。

さすがに、班長さんやダナートは顔色も変えず、平然としていた。


あれ?次は??

この感じだと、前に男の子がいたって流れにならないか?


「おとこの子いるのー?」


「いるわよ。山に入ってきた旅人がいい男でね」


いかん!これはシモーネな話になってしまう!!


「いっしょにあそぶ!」


ので、森鬼を真似してぶった切ってみた。


「あら?そういえば、どこに行ったのかしら?」


「最近見かけないわね」


なんてこった!

こいつら、ネグレクトしてたのか?

それとも、放任主義な種族なのか?


「うみでいたずらしてる子?」


男の子と聞いて、一つの可能性が出てきた。

私が目撃した男の子。

その男の子がセイレーンの子供ではなかろうか?


「もしかしたらそうかも?」


つか、お姉様方、本当に男にしか興味ないのな。

男の子が可哀想だ。


「女性しか生まれないものだと思っていました」


お兄ちゃんの言うこともわかる。

現にこの美女軍団も女性しかいないしな。


「たまに生まれるのよね。でも、弱いし、餌を見つけるのも大変だし、だからすぐに死んじゃうの」


「ごはん、ちがうの?」


目の前にあるけしからんおっぱいが気になってしょうがないのだが…。

触るとセクハラになるだろうか?

(はく)との感触の違いを調べるとか言って触れないかな?


「雄は『欲』を食べるのよ。私たちが捕まえた男の性欲を食べちゃって、怒ったらいなくなっちゃった」


うん。まぁ、お姉様方には死活問題とも言えるよね。種を繁栄させるために子供が欲しいのに、肝心の相手に性欲がないってなったらねぇ。


魔物の正体も掴めたことだし、セイレーンの男の子をどうするかだな。


「仲なおりしないの?」


「独り立ちしたのなら、放っておいて大丈夫でしょ」


「殺されるとしてもか?」


ヴィの発言に、お姉様方が驚いた。


「山の麓の村で、子供がさらわれている。正体がわかったのならば、討伐隊を出すことになるが?」


「殺すなんてこと、許す親がいると思って?」


お姉様の声のトーンが下がった。

憤るなら、私を解放してからにしてよ。

いまだとっ捕まっている私は恐ろしいのですが?


「ならば、早急に回収しろ」


「…わかったわ」


「さらわれた子供が無事なら、親御さんのもとへ返してあげてください」


「たぶん、無事だと思うわ。欲を食べるために連れていっただけでしょうし」


いやいや、それ無事って言わないから。

欲ってことは、睡眠欲だったり、食欲だったりするわけでしょ?

生命維持には必要なものが食べられているってことだから!


「仲なおりする?」


「えぇ。でも、一緒にはいられないわね。他の洞窟で暮らしてもらうわ」


すっごく淋しいだろ、それは。

洞窟はいっぱいあるが、水がある洞窟が他にもあるってことか。


「お水あるの?」


「たくさんあるわよ。温かい池もあれば、氷が張っている池もね」


温かい池だと!!

それはもしかして…。


「お水があたたかいの!?」


「そうよ。周りには苔が生えていて、とても綺麗な洞窟よ」


「いってみたい!!」


「じゃあ、悪戯坊主を捕まえたら、案内してあげるわね!」


おっしゃー!!

もしかしたらの、温泉ゲットか!

…しかし、お姉様方、どうやって海まで行くんだ?

聞いてみたら、驚きの結果が!!


お姉様方、空中機動もお持ちでした。

ナイスバディはそのままで、腕が翼になり、魚の部分は鳥の脚に。

そして、素晴らしきヒップと麗しい太ももが露わに!!

拝んどこう!

残念なのは、ふくらはぎと足首は完全に鳥の脚だった。なむ。

にしても、人魚タイプと鳥タイプどちらもだなんて羨ましいな。


鳥の脚で、ちょこちょこ歩くお姉様方についていくと、地底湖のさらに先の洞窟は縦穴タイプで、つまり空が見えた。

その穴から次々と飛び立つお姉様方。

私たち、置いてけぼりですか。

ラース君以外、空中機動は持ってないのですよ。

よし、ノックス追跡だ!

って、ノックスは外で待機にしたんだった…。

仕方ないので、急いで元来た道を戻りましたとも。

そうそう、お土産も忘れちゃならない。

地底湖の周りにあった、キラキラした石を何個か持って帰る。

キラキラしているから、宝物だと言ってもいいだろう。

つか、温泉に行くときに、居残り組を連れていけばいいのか!

洞窟探検とナイスバディな美女軍団と温泉と、男のロマン詰めまくりだな。





ネマがおっさん化してしまいました。


セイレーンは世の女性たちが羨む体型をしていますが、観賞用ですのでお触りはご遠慮下さい(笑)



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