わんこたちとの出会い
森の主様に許可を得たおかげか、森の中が歩きやすくなった様に思う。まぁ、気のせいかもしれないが。
しかし、相変わらず動物に遭遇しないなぁ。
…あ、ラース君のせいか!?
こんな巨大な虎がいたら、普通ビビって逃げるわな。
騎士さんたちも、ちょっと物々しいオーラ出てるしね。
なんて思っていたら、突然ラース君とおちびさんが唸り出した。
全員が一気に戦闘態勢になり、お兄ちゃんとヴィは私を庇うように前へ。
ノックスが近くの枝に止まり、気をつけてとでも言うように短く鳴いた。
グラーティアは念のため、いつもの定位置である髪の中に隠れてもらう。
「…どこにいるの?」
ラース君、おちびさん、森鬼はわかっているみたいだが、人間組はまだ把握していない模様。
私の呟きを聞いて、ノックスがピィと鳴いた。なんだか呆れられている気がする。
いやいや、ノックスさんよ。人間は目がよくないのですよ?昼夜関係なく活動できるレインホークと一緒にしちゃダメでしょ。
心の中で言い訳をしていたら、私の恨めしい視線を感じとったのか、仕方ないなぁと言うふうに飛び立った。
どうするつもりなのか見守っていると、ある木の幹に向けて捕獲体勢へ。
翼を上に伸ばしたまま、両脚を突き出す。ノックスの爪は少し削ってあるので攻撃には適さないのだが、木の幹を掠めたようだ。
すると、木の幹が剥げた。いや、幹にくっついていた何かが動いたのだ。
もそもそっと動いた部分をよーく見てみると、巨大なバッタのような生き物がいた。
「むし?」
私が疑問形で呟くと、お兄ちゃんが振り返らないまま答えてくれた。
「魔蟲だよ。だいぶ弱ってはいるけれどね」
お兄ちゃん、マムシはヘビだよ!って、ツッコミはやめておいた。
ラース君がゆっくり魔蟲に近づいて行く。
空気がぶわぁっと膨らんだ感じがした瞬間。
ザシュッと音とともに、魔蟲がバラバラになった。
かまいたちですかね?
「主、その魔蟲の死骸、もらってもいいか?」
「いいけど、何に使うの?」
「食うんだ」
はぃぃぃぃ??
森鬼さん、コレを食べるの??
周りのみんなもドン引きしてるけど??
「焼くと美味いぞ。食ってみるか?」
そう言うと森鬼はバラバラな魔蟲の堅い外骨格をバリバリと剥がし、中身を取り出した。
…その外骨格、素材として売れるんじゃなかろうか?森鬼、丁寧にやりたまえ!
大きな葉っぱの上に魔蟲の身を置いて、火の精霊の力を使って炙っているみたいだ。
辺りには香ばしい匂いが漂い、お腹がグゥって鳴った。
森鬼の周りには、興味津々のラース君とノックスが今か今かと待ち構えている。
「ラースにはこっちの大きいやつだ」
ラース君の前にドンっと大きな塊を置いた。
この二人?何気に仲良いんだよな。
ノックスには小ぶりの塊をポイっと投げた。それを器用に脚でキャッチすると、クワっと大きな口を開けて塊を千切っては食べていく。
ラース君もノックスも物凄い勢いでかぶりつくものだから、とても美味しそうに見える。
「主も食べるか?」
うーん、食べても大丈夫だよね?
雫がいるから、お腹下すこともないと思うんだよね。
「じゃあ、一つもらうね」
一口サイズの塊と言うよりは欠片をもらった。
パクッ…もぐもぐもぐ…。
「…おいしい!!」
食感は生の伊勢海老のようなプリプリ。香ばしさが鼻を通り、噛めば噛むほど味わいが増す。味は白身魚っぽい。淡白っていうか、クセがない感じ?
醤油で焼いたら、酒のつまみにいいと思う。
醤油はないから、塩かサーダのソースでもいいけどね。
グラーティアが自分も食べたいと森鬼に特攻して行った。
蜘蛛のくせに、意外と跳躍力あるのね。
ぴょーんぴょーんと跳んで行き、森鬼に魔蟲をせがむ。前脚を器用に曲げ伸ばしし、ちょーだいちょーだいする姿がとても可愛らしかった。
自分の体と同じくらいの塊をもらい、鋭く尖った口で千切って行く。しかし、どう見てもはぐはぐしているようにしか見えない。
おかしいな、蜘蛛と言えばほとんどが危険生物ではなかったか?
肉厚的なタランチュラや小さいくせに有毒なセアカゴケグモとか。
…まぁ、グラーティアだしな。いつか、母親の様な立派な蜘蛛になって、私を背中に乗せておくれ。
そういえば、この子、脱皮するのかしら?要調査だわ。
「どくはないから、おにー様たちも食べてみる?」
毒性の有無は、私の体に寄生している雫からの情報だ。雫、かなり便利チートだった。
魔力が回復するとか、毒があるとか、食べた物のことがわかるらしい。
ちなみに、自然界に存在する毒なら解毒も可能だと、雫が張り切っている。
いくらなんでも、毒がある物は食べないよ!
「物は試しだしな」
先にチャレンジしたのはヴィだった。
お兄ちゃんも恐る恐るではあるが魔蟲を口にした。
「少し味気ないが、調理次第ではいけるな」
「僕はこのままでも好きだけどね。歯応えもあるし、あっさりしてるし」
中々好評のようだ。
騎士さんたちは気に入ったのか、ガッツリ食べていた。
ふむ。これ、使えるな。
雫からの情報だと、栄養価もそこそこ高いし、一匹で量も結構あるし、狩りも比較的楽みたいだし。
魔蟲を使えば、食糧問題解決するんじゃね?
素材になるであろう外骨格も、こっちで売り払って活動資金に出来るし、一石二鳥!
「ラース君、まむしがいたら、ぜんぶかってほしいな」
「全部?」
「コボルトたちのごはん用だよ。それに、このからみたいなの売れるでしょ?」
外骨格は通じないと思って、殻って言っちゃったけど、殻でもないよな…。
いや、甲殻類だと思えば殻でも通じるか。
「あぁ、魔蟲の甲装は冒険者組合でも鍛治組合でも買い取ってくれるぞ」
「魔蟲でも甲種は高く売れるらしいよ?」
あー、また新しい言葉だ。
お家にいるとき、たくさんの本を読んで知識つけたつもりだったけど、まだまだだね。
「こーしゅ?」
「魔蟲の中でも特に外側が堅くて、防御力に特化した種類のことだよ。さっきの魔蟲は跳種と言って、飛び跳ねたり、速さに強い種類だね。空を飛べるのは飛種、脚の先が武器になっているのは剣種、あと毒とかを持っているのが幻種。これくらいかな?」
「それぞれに名前はないの?」
魔物でも、ゴブリンやコボルトといった固有名詞があるのに、魔蟲は特徴だけの大まかな分別しかされていないってことだよね?
「あぁ、魔蟲は進化がすごくてね。住処の環境によってすぐ変わっちゃうから、名前付けていたら限りないしね」
なんと!ダーウィンも真っ青な進化スピードだな!
余裕があったら、シアナ計画で繁殖させよう。そうしたら、寒さに耐性のある魔蟲が生まれるに違いない!!
計画も段々充実してきたな。むふふ。
さて、先を急ぐとしますか。
陽が落ちる前に帰らないといけないしね。
所々で魔蟲を狩り、それを森鬼に引っ張らせ、私はラース君の背中に乗り、楽ちん楽ちん。
「キャンキャンッ!」
腕の中の子コボルトが騒ぎ出した。
「どーしたの、おちびさん?」
子コボルトは前方に向かって、一生懸命吠えている。
これはもしかして…。
「おちびさんのおむかえがきたのかな?」
だが、私にはコボルトらしき存在を感知できない。
相変わらず、ラース君とノックスはわかっているようだが。
「コボルトさん、この子のおやを知りませんか?」
見えないけれど、いるものとして話しかけてみる。
…はい、ノーリアクション。
「私たちは森のあるじ様におゆるしをいただいてここにきました。あなたたちのおさにお会いしたいのだけど」
-ガルルルゥ
前方の木々の合間から、威嚇の鳴き声が聞こえてきた。
はい、森鬼通訳!
「信用できないと言っているな」
ですよねー。
じゃあ、物でつりますか。
「おみやげとして、まむしの肉も持ってきたのです。とてもおいしいですよ。ね、おちびさん」
「ワンッ!!」
とてもよいお返事です。尻尾もブンブン振っている。
少し落ち着こうね。よしよし。
肉の出現のせいか、コボルトたちが騒ついているのが伺えた。
―グルルゥ
「長に聞いてくるらしい」
やっぱり、ご飯の誘惑には勝てなかったか。いい感じだ。
ちょっと待ってみる。
子コボルトも、仲間の臭いがあるせいかまったく落ち着いてくれない。
「ワンッ!!」
「どうやら、許可が出たようだぞ。ついてこいだとさ」
よかったぁぁぁ。
つか、ようやくわんこに会えるよ!
ラース君、行くぞ!!
またもや道なき道を行き、魔蟲を苦労して運び、なんとかコボルトの群れにたどり着いた。
むふっ、むふふふふ…。
いるいる。わんこたちがいっぱいいる!!
顔がにやけちゃうね!
想像してみよう。
地球にいる種類のわんこたちが、二足歩行をしている姿を……。
うん、ちょっとキモいかも…。
でも、目の前に広がる光景は、ぬいぐるみのような愛らしさがあるわんこたちが二足歩行しているのだ!
ぜひ、お持ち帰りでっ!!
念願のわんこたちは種類も豊富でした。
青みがかった灰色の体毛が見事なシベリアンハスキー。槍持ってるけどね。
厳つい顔と他のコボルトより一回りは大きい体のボクサー。なぜか大きな盾持ってるけどね。
精悍な顔つきに、引き締まった体、黒く艶やかな毛並みのドーベルマン。手には尖ったメリケンサックがあるけどね。
飴色の長毛に面長垂れ耳、まつ毛が超長くて、他のコボルトよりイケメンに見えるアフガンハウンド。魔法使いの杖を持っているけどね。ファンタジーのモンスターによく出てくるシャーマンの類いですかね?
どれもお持ち帰りしたいが、一番気になるのは、白いもふもふもこもこなコボルト。サモエドかな?グレートピレニーズかな?近くでじっくり見ないと、犬種までは判別できないね。
そして、もふもふもこもこを堪能したい!!ディーにはもこもこ要素がないからなぁ。もこもこ、いいよねー。
なんとしてでも、シアナ計画に彼らを引き入れなければ。
神様にもらった能力、発揮させてもらおう。神様、見てろよ!!
さて、そうと決まれば、ターゲットはこの群れのボスだ。
もふもふの誘惑に負けそうになりつつも、周りの様子を観察してみる。
ボスはどこだ!?
木を切り出して作ったと思われる広場には、どうやって運び込んだのか、壊れた馬車が何個かあった。それに、年老いた者や子供が寝泊まりしているみたいだ。
「人の子が我らに何用だ?」
登場したのは妖艶と言う言葉が似合う女性だった。
ただし、耳と尻尾つき。獣人のようにも見えるが、顔つきとかが違う気がするし、体毛?が全身タイツみたいにその豊満な体を覆っている。
はっきりと言おう!
ダルメシアンだっ!!!
短毛種だと、全身タイツかぁ。さっきのドーベルマンは革の防具を装備していたから気づかなかったよ。
「はじめまして、ネフェルティマ・オスフェともうします。この子をレニスのまちでほごしたのですけれど、ははおやのもとへ返したくて」
「…確かに、我らの群れの子だ。お前はなぜ街に行ったのだ?」
「キャンキャン」
「何!?」
え、何事?なんでこのお姉さん怒りだしたの??
森鬼さん、通訳よろしくです。
「ちびが、他のちびどもと街に行って、置いていかれたらしいぞ」
ありゃま。弱い者いじめというか、仲間はずれ?
うーん、でも自然界じゃあ弱い個体は淘汰されるものだしなぁ。
「ちびども!!わたしに嘘をついたな!」
美人さんが怒ると迫力あるよね。
子コボルトも怯えている。
君が怒られているわけじゃないからね。
お姉さんの前に5匹?の子コボルトが、母親と思われるコボルトに連れられてきた。
お説教タイムスタートだ。
うん、それより、この子のお母さんはどこよ?
「君のおかーさんはどこだろーね?」
「クゥンクゥン」
甘えるような声。
少しすると、ワンッとどこからか鳴き声がした。
お姉さんのお説教を見守っている輪を掻き分けて、コボルトが近づいてきたが、子コボルトの元までは来なかった。
…あ!ラース君が恐いのか!!
「ラース君ごめんね。おかーさんがおびえているから、ヴィのそばにいて」
ラース君を離し、子コボルトを地面に下ろす。
コロコロと転がる様に駆け出した子コボルトと母親らしきコボルトも走りよって来た。
うんうん。よかったよかった。
とりあえず、一つは解決したな。
あとは、あのお説教モードのお姉さんをどうするか。
…お腹空いてるから怒りっぽくなってんのかな?
「おねーさん、おみやげどーしたらいいですか?」
怒られ続けているおちびさんたちが泣きわめいて、可哀想なので助け舟を出してやる。
「今はそれどころでは…」
「おなかすいてたら、ちゃんとかんがえられないでしょ?ごはん食べてから、その子たちにりゆうをきけばいいよ。おこっちゃダメだよ?おこられたら、子どもは何も言えなくなっちゃうからね」
「むむぅ」
「ね、今はごはん食べよ」
返事を聞かないまま、私は森鬼に魔蟲の解体をお願いした。
あ、甲装は大事にね!
ということで、スペースが空いているところで火を熾し、次々に魔蟲を焼いていく。
それをどんどんコボルトたちに渡して、食べさせる。
いやぁ、みんなすごい勢いだね。
魔蟲、足りるかな?…森鬼を狩りに行かせよう。追加しないと、私が食いっぱぐれてしまう。
「おねーさんもどーぞ」
いまだに難しい顔をしているお姉さん。
早く食べないと取られちゃうよ?
「其方たちは何が目的なのだ?」
「一番のもくてきは、おちびさんをおかーさんのもとへ返すことでしたね。あとは、おねーさんたちがここに来たりゆうをしらべに」
「…討伐のためにか!?」
お姉さんから、ピリピリとする空気が放たれた。
うっ、これが殺気というやつか!
グラーティアがそれを察知したのか、もぞもぞと髪の中から出てきた。
カチカチと口を鳴らして威嚇音を出しているが、お姉さんには聞こえてないと思うぞ。
「グラーティア、だいじょーぶだから。おねーさんをいかくしちゃダメ!」
グラーティアの頭の部分を撫でて、落ち着かせる。
「…魔物か?」
「そーだよ。他にも森鬼もまものだし、私にはおやスライムがきせーしてるよ」
魔物と友好的ですよーをアピールするために、愉快な魔物たちをお姉さんに紹介する。
雫は出てこれないけど、白がいればオッケーでしょう。
ん?そういや、白はどこ行った??
「はくー?どこにいるのー!?」
「みゅぅぅぅ!」
ぽちょんぽちょんという効果音と共に白が出てきた。
どこに行っていたのやら。
「この子がきせーしているおやスライムの子どもの白だよ」
「なぜ…?」
「うーん、この子たちがこまっていたからね。さいしょに会った森鬼はすみかをおわれていたし、グラーティアはおかーさんが死んじゃったし、雫と白はしゅっさんにあんぜんなばしょがひつよーだったし」
神様のおかげで、今は魔物ほいほいな状態だしね。
コボルトたちのあとにも、何かフラグが立つかもしれないしなぁ。
そろそろ真面目に候補地を探したいんですがね。
「森鬼のところもおねーさんとこに負けずおとらずの大じょたいだから、あんぜんにすめるばじょをさがしているとちゅーなの」
「住処を追われた?安全に住める場所…」
「あんぜんと言っても、森鬼のねがいが森にひつよーとされたいってことだったから、あるけーかくをたてたの」
私の説明を辛抱強く聞いてくれたお姉さん。
森鬼と出会ってからのことや、シアナ計画の内容など、テンション高めに熱く語ってしまった。支離滅裂になってないといいが。
森鬼の森に必要とされたいという思いに共感する部分でもあるのか、途中いくつか質問もしてきた。
ふむふむ、理解はしてくれているようでいい感じだ。
「森鬼はね、まものが弱いってゆーの。だったら、強くなればいいと思って。じゃくにくきょーしょくなら、だれももんく言わないでしょ?にんげんも弱ければまものにころされちゃうんだし」
本当にね。
この世界は日本に比べると命が軽い。
それだけ、危険が多いってことだ。
町から町に行くのに、野盗に狙われたり、魔物や凶暴な野生動物に遭遇するときもある。もちろん、自然災害もあれば、事件事故もある。
糧を得るには、己の身を危険に晒さなければいけないのだ。それならば、人の営みも弱肉強食であることに変わりはない。
強ければ飢えずにすむし、危険からも身を守れる。ただ、人の強さとは一つではない。
エルフは精霊術が使え、寿命が長いゆえに知識が豊富なところが強さだ。獣人はその身に宿る動物的な身体能力の高さが強さだ。
では人間は?
身体能力が高い者もいれば、知識が豊富な者もいる。魔法で強い者もいれば、他人を使うことで強者である者もいる。
様々な強さを持っていることが、人の強さとも言える。
人の世界は複雑ではあるが、根本は強い者が有利な世界なのだ。
そんな世界で、貴族の義務を貫いている両親や大臣ズは凄いと思う。
「おねーさんはどーしたい?」
「私には守らなけれならないものがたくさんある。群れはもちろんのこと、妹のこともあるしな」
「いもーとさん?」
「血は繋がっていないがな。大切な家族だ。私の一族は全滅だった。多数の一族が人に襲われ、巫女である私を頼って集まった、できたばかりの群れなんだ。だが、頼ってくれた者を蔑ろにもできない」
巫女キター!!
けど、魔物で巫女ってどういうこと?
ここはじっくり腰を据えて話を聞かせてもらいましょうか。
一時間くらい話し込んでいたのかな?
精神的にも参っているみたいだったので、白を貸してあげた。
ふにゅっとした感触が癖になるスライムの誘惑には、お姉さんも勝てなかったようだ。
白をもみもみしながら、少しずつコボルトに起きたことを話し始めた。
白は揉まれるのが気持ちいいのか、お姉さんの腕の中でうとうとしている。
そうか、そんなに揉まれたいのなら、あとで私が目一杯揉んであげよう!
さて、お姉さんの話をまとめると、コボルトも森鬼たちのように人間に襲われた。
コボルトの習性は、氏という血縁関係のある群れで生活をしている。
例えば、お姉さんの氏である星読みの氏はダルメシアンの群れで、その名の通り星の動きで吉凶を知り、コボルト全体にそれを教えることにより巫女と呼ばれるようになったらしい。星を読むのは女性の方が長けていることから、星読みの氏は女性中心だとか。
他に、賢者の氏は魔法が使えるアフガンハウンドの群れだったり、護りの氏は盾使い(タンカー)のボクサーの群れなど、それぞれの種類で生活しているとか。
どう考えても、狩猟生活には不向きだよね。
だって、群れで狩りに行くときは、剣士だけのパーティーとか、魔法使いだけのパーティーってことでしょ?
「同じぶきだけって、かりやりづらくないの?」
「そう感じたことはないな。臭いで獲物のことはほとんどわかるから、狩り自体は苦労しない」
え、そういうもん??
あちらの世界で有名な狩猟ゲームはもっと大変そうだった気がする。
獲物が恐竜レベルだからかな?こっちの世界で例えるなら、原竜に近いと考えればいいのか。
一狩り行くのにも命がけだな!
ゲームの話は置いといて、コボルトたちはとても優秀な狩猟民族…じゃなかった、狩猟魔物ってことですね。
そして、様々な武器を得意とする氏。数が揃えば、軍隊みたいじゃね?
今は100程度で、非戦闘員もいるから無理だけど。
数が増えたら、騎士団と戦争ごっこしたら面白そう!
余裕ができたら、サバゲー部でも作ってみるか。
やりたいことが増えて大変だな。ま、楽しいからいいけど。
「じゃあ、その大切なものを守るために、おねーさんはどーするの?もうすぐしたら、人間たちがおねーさんたちをたおしにくるよ?」
「戦うしかないだろう。正直、今までが上手く行きすぎていたと思うが、森の主様にはこれ以上迷惑はかけられないしな」
まぁ、元々オスフェ領は魔物の被害が少ない地域だからね。商人たちもそこまで警戒していなかったんだと思うよ。
レニス周辺ではさすがに雪はないが、少し北上すればまだまだ雪景色だ。アーセンタ辺りは地理の影響もあってか、春はまだ遠そうだったし。
魔物も雪や寒さに特化した種類か、コボルトのような毛皮がある魔物しかいないらしい。
「そのあとは?まさか、ぜんめつするつもりはないんでしょ?」
「もちろんだ!!どうにか南下して、自給自足ができる森を探すしかないだろうな」
「おねーさん、シアナけーかくにさんかしない?」
「それは……」
まぁ、群れのボスでも一存では決められないよね。
「みんなとそーだんしてみてよ。けーかくにさんかしてくれなくても、このむれを守るようには動くから」
森の主様とも約束したからね。
それに、仲良くなったおちびさんを危険にさらすのも忍びないしさ。
「とりあえず、今日はかえるね。また明日くるよ!」
と言いつつも、コボルトたちと魔蟲バーベキューを堪能してから帰りました。
GWはいかがお過ごしでしたか?
私は新年入ってから人出不足のため、休日返上して頑張ってます(笑)4月まで暇だと思ったのに…。
それより、中々わんこたちが動いてくれなくて、悪戦苦闘中です。
もふもふ要素がもっとほしい。リアルでもほしい!
フクロウカフェに行って癒されたい今日この頃。




