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滅びのルート再び!?

前世の業を暴露されるという羞恥プレイに耐え抜き、なんとか心を落ち着かせる。

ひとまず、やるべきことは全部やった感じかな?


どことなく、終わりの気配が漂う中、誰もそれを口にしない。

口にしてしまえば、神様も精霊王たちも元の居場所へ帰るだろうし、サチェとカイディーテも即行で契約者のもとへ戻るだろう。

名残惜しい――。そう感じるのは私だけじゃないはず。


『他に何もなければ、私は戻ろう』


私たちから言い出せないことを察したのか、神様が口にした。

そのときの顔を見て、私は気づく。

神様も淋しいのだと……。

考えてみたら当然だよね。

いつもは見ているだけだったものと、しゃべったり触れ合ったりできたのに、また独りになるのかと淋しくなるよね。

その淋しさは、神様の心を(むしば)んでいるのかもしれない。

人間を滅ぼすかどうか決めて欲しいっていうお願いも、ロスランのときみたいに仲良くするようにして欲しいという内容でもよかったはずだ。

それなのに、あんな極端な考え……神様自身も傷つくようなお願いをしたのは、神様の心が限界だったからではなかろうか?


私はディーにお願いして、神様のもとへ連れていってもらう。

ディーは軽快に祭壇まで駆け上がると、神様の足元で伏せた。

近くで見ると、神様の像、めちゃくちゃ大きい!

ずっと見上げているのも首が疲れるし、しゃべりづらいなぁ。

よし!登るか!

意を決して、神様の像に手をかける。

私のやろうとしていることを察したのか、ディーが鼻先で私のお尻を押してきた。

椅子の部分に足を乗っけられれば……。あとちょっとのところで届かない!


――グルルルゥ……。


なんか、ため息みたいな鳴き声が聞こえたと思ったら、ふわっと体が浮いた。

そして、神様の膝の上に下ろされる。


「ラース君、ありがとう!」


私の下手っぴな像登りを見かねて、手伝ってくれたようだ。


『急にどうしたのだ?』


「神様……本当のことを言おう?」


今度は誤魔化されないぞ!と、気合いを入れて神様を見つめる。

それでも、神様は困ったように笑うだけだった。


「淋しいんでしょ?本当は神様もみんなといたいんでしょ?」


業を煮やして、私が感じ取ったことをぶっちゃける。

すると、神様は面白いくらい狼狽した。


『いや……そんなことはなくてだな……』


私が膝の上にいるせいで動けないこともあり、ギギギとロボットのように頭を動かして視線を逸らす。


「か〜み〜さ〜ま〜!ここにいるみんなの力を合わせたら、神様の本当の望みを叶える方法が見つかるかもしれないんだよ?」


こんなチャンス、二度と来ないかもしれないよ?本当にいいの?後悔しない??

神様の大きな手の指をギュッと握る。

感触はツルツルした石のようだった。冷たくて、無機質な感じが伝わってくる。

私の体温がしだいに移り、冷たさを感じなくなる頃、ようやく神様が観念した。


『……クレシオールのように、私の子たちと交流を持ちたかった。愛し子だけでなく、他の子たちとも……』


先輩神様の助言通りに世界を創ったら、自分は見ているだけしかできなくて。それならと、干渉できる存在を創ったら、その存在が羨ましくて仕方がない。まさにジレンマ。


「神様を降臨させるお祭りをやるとか?」


交流をするなら、やっぱりお祭りだよねってことで提案してみたが、即却下された。


『私が頻繁に降臨しては、世界が壊れる可能性がある』


あ、それはダメだ。世界が壊れたら、なんの意味もない。

んー、こういった部分では、日本の神様は参考にならないかもなぁ。

神道では御神体に神が宿る、もしくは分身といった扱いだし、仏教だと降臨自体が聞き慣れないし。

先輩神様、世界との関わり方を神様に教えてくれればよかったのに。

あ!教えると言えば、ぴったりな神様いるじゃん!


「女神様に何かいい方法を知っているか聞いてみようよ!知らなくても、何か手がかりがあるかもしれないし」


女神様が普段どのようにして、この世界に干渉しているのかがわかれば、神様にもできる方法が見つかるかも!


「おぉ!それはよい案だ!」


「愛し子、僕たちに任せて!」


私は神様に提案したのに、答えたのは精霊王たちだった。特に土の精霊が乗り気のようだ。

自分で言っておいてなんだが、神様そっちのけで決めてしまっていいのだろうか?


「いいの?」


『止められる気がしないからね。大人しくクレシオールに怒られよう』


神様なのに娘に怒られるのか。

……怒られるってことは、女神様を呼んではいけないのでは?


「ほれ、そこの小童(こわっぱ)ども。これを四隅に置け」


火の精霊王がヴィに何かを放り投げた。


「じゃあ、これもお願い〜」


同じく、風の精霊王も何かをお兄ちゃんに向かって投げ、土の精霊王と水の精霊王は二人に手渡しする。

大人の拳大ほどもある大きな石のようだが、それがなんなのか気になり、神様に聞いてみた。


「精霊王様たちは何を渡したの?」


『精霊石だ』


精霊石とな!?

そういえば、ミルマ国の遺跡にも超でっかい精霊石が隠してあったっけ。

女神様を呼ぶ必須アイテムということか。

あのときは精霊石を観察する暇がなかったから、どんなものなのか見てみたい!

お兄ちゃんに見せてとお願いしようと思ったが、距離が遠い……。

神様から降りないといけないし、ラース君の補助なしで降りられる気もしない。


「愛し子、どうしたのさ?そんな変な顔をして」


悩んでいたら、風の精霊王がスーッと飛んできた。

風の精霊王にお願いすればいいじゃん!

お供えしたお皿のように、ふよふよ飛ばしてお兄ちゃんのもとに連れていってもらえばいいことに気がついた。


「精霊石が見たいから、おにい様のもとへ行きたいの!」


「精霊石?それなら作ってあげるよ」


その言葉とともに、風の精霊王の周りにうっすらと緑がかったキラキラと光るものが出現し、風の精霊王を取り囲むように飛び回ったあと、彼の手のひらに集まる。

キュッと密集した次の瞬間には、キラキラが緑色の石に変わっていた。


「はい、どうぞ」


「ありがとう……」


差し出されたので思わず受け取ってしまったが、もらっていいものなのだろうか?

ヴィや陛下の話だと、かなり貴重なもののはずだが??

受け取った精霊石を光に(かざ)すと、石の中に先ほどのキラキラがあるのがわかった。しかも動いている!

キラキラが円を描くようにくるくる回っている光景は、魔石に付与してもらった精霊王の加護の(もや)に似ている気もするような……。


「風の精霊王、ネマに余計なものを与えるな」


こちらのやり取りに気づいたヴィが、そんなことを言ってきた。

なんだろう……動物園の動物というか、庭先で飼われているわんちゃんというか、勝手に餌を与えないでくださいって飼い主に言われている気分なのは……。

私が動物側の扱いなのも釈然(しゃくぜん)としない。


「見たいって言うから、小さいのをあげただけだよ」


「それでネマがとんでもないことをしでかしたら、風の精霊王が後処理をするんだな?」


ヴィよ。なぜにしでかすこと前提で話してるのでしょうか??


「しでかさないし、ちゃんと大切にするもん!」


「信用できん!お前には前科があるからな」


……前科?はて??

うっかり魔物に名前をつけたことはあったけど、あれは不可抗力だったし。

お姉ちゃんと違って、魔道具を爆発させたこともないし、魔力がないから誤作動すらさせたことないが?

え、本当に心当たりがないんだけど……。


「ユージンからもらった馬車の玩具で、王宮の傾斜路を滑って花瓶を割ったのは誰だ?」


なっ!いったい何歳のときの話してんの!!

確かあれは王宮に行き始めた頃だから、三歳とかのときでしょ!

偶然、王宮でジーン兄ちゃんに会って、どこかのお土産をもらったんだよね。

小さな馬車の模型みたいな玩具で、車箱……人が乗る部分の屋根を外すと、子供一人が座れる作りになっているやつだ。

本来は、これに子供を乗せて大人が引っ張るという遊び方なんだろうけど、もらった場所が悪かった。

王宮を形成する各棟の裏庭側には、荷物搬入のためのスロープが何ヶ所も設置してあるのだ。

そんな裏庭でもらったら、やっちゃうよねぇ?

なんでジーン兄ちゃんがあんな場所にいて、お土産まで持っていたのかは謎だけどさ。

んで、玩具の馬車に乗ってスロープを滑り下りたら、思ったより勢いがついて、別のスロープの近くにあった木箱に激突と。

その衝撃で木箱の中身である花瓶が破損。

東棟の侍女頭には怒られたけど、廃棄処分のものだからと不問になったはずなのに!


「それは初耳ですわ。殿下、あとで詳しくお話を聞かせてくださいます?」


声がした先には、にっこり笑顔のママンが……怖っ!!

つか、侍女頭は報告しないって言っていたのにぃぃ。誰がチクったんだ!


「セルリア夫人、承知した。ネマ、風の精霊がおしゃべりなことを覚えておくといい」


精霊か!

あのときは精霊がどんな存在なのか理解していなかったからなぁ。知っていたら、バレる前に白状したのに……。


「さぁさぁ、聖獣たちよ。女神様のために場所を開けるがよい!」


今度は火の精霊王がやってきたかと思ったら、神様に(はべ)っている聖獣たちを蹴散らし始めた。

ディーは心配そうに私を見たあと、素直に祭壇から下りてお兄ちゃんのもとへ。

サチェも逆らうことなく、プールの水の上に移動した。

カイディーテとカルヴァは不満げに鳴き、ラース君は我関せずといった様子で微動だにしない。


「女神様をお呼びするのだ。地虎(ちこ)よ、帰るでないぞ。それから天虎(てんこ)。愛し子は妾たちが守るゆえ、お主は不要だ。闇獅子(やみしし)は影にでも潜っておれ」


火の精霊王、なかなかに辛辣である。

聖獣たちはそれぞれ威嚇の唸り声を上げながらも、渋々と神様の側を離れた。

カルヴァだけは影に沈んでいったけど。


聖獣たちの代わりに土の精霊王がやってくると、ちょっと失礼しますと言って、祭壇の床を触る。

ズズズズという不気味な音が、私の下の方から聞こえてきた。

それとともに、ゆっくり視界が動いているような?いや、明らかに動いている!

何が起きているのかと、神様の膝の上から落ちないよう、そっと下を覗いてみると……。

神様が座っている、石の椅子ごと動いている!?


「女神様の像を作るのも久しぶりだから、腕がなる!」


土の精霊王は衣装の内側から何か取り出し、空いた手に泥を出現させ、何かと泥をおにぎりのように握っていく。

泥おにぎりを床に置き、何もない空中を手で捏ねる動きをし始めた。

するとびっくり!泥おにぎりの周りでパチパチと爆ぜるような音を発しながら、謎の結晶体が生えてくるではないか!

結晶体はグングン大きくなり、椅子の形を(かたど)っていく。

さらに、人型の下半身、女性の上半身と結晶体は成長しながらも、石像へと姿を変える。

座っている女神様の姿は見慣れないというか、違和感があるなぁ。


「そうか。生き写しのような女神像は魔族が作ったものだと思っていたが、降臨に必要な像は精霊王が授けていたのか」


ヴィは女神像が出来上がる光景を見て、妙に納得していた。

精霊王様たちがいそいそと女神様を呼ぶ準備をしているのを見て、いろいろなことがわかったらしい。


「ミルマ国の遺跡にあった女神像には、精霊石の気配があった。おそらく、精霊石を核にして、女神様を下ろす媒体にしているのだろう」


泥おにぎりの具材は精霊石だったのか!


「そして、四つの属性の精霊王の力と聖獣の力。その力に満たされた部屋の媒体にのみ、女神様は降臨することができるのではないのか?」


「そうだよ」


土の精霊王はヴィの言葉を肯定したあと、できたと女神像の完成を告げる。


「ふむ。(かんばせ)の彫りはもう少し深い方がよいのではないか?」


「これ以上深くすると、濃い影ができる。表情が(いか)つくなるから嫌だ」


火の精霊王は女神像の顔が不満だったようだが、土の精霊王のこだわりの方が強かった。

土の精霊王が絶対嫌だと譲らないので、火の精霊王が折れた。

そういった意見の衝突はあれど、精霊王様たちは楽しそうだ。


「次に移るぞ」


水の精霊王が号令をかけると、風の精霊王が待っていましたと言わんばかりに宙に飛び出す。


「風よ!」


どこからともなく微風(そよかぜ)が吹くと、辺りに先ほどのキラキラがたくさん現れた。

先ほどと違うのは、キラキラの光量くらいか。

この建物の中は薄暗いとはいえ、ちゃんと陽の光も入っている。その陽の光に負けないくらい、キラキラは輝いていた。

こうして見ると、薄く緑がかった光も相まって、蛍の光のようだ。


「水よ」


水の精霊王がそう発すると、プールの水が弾けた(・・・)

小さな小さな水滴が青みがかった光を放ち、緑のキラキラと同じように宙に舞う。


「火よ!」


火の精霊王の声に、ちょっとドキドキした。

水の精霊王のときみたいに、灯明皿(とうみょうざら)の炎がファイヤーするのかなって。

しかし、実際は予想外のところが()ぜた。火の精霊王の髪が、パチパチパチッて火花を放ちながら爆ぜた……。

そっちかい!ってちょっと拍子抜けしたけど、段々とパチパチ音が激しくなって恐ろしくなる。

これはもはや、爆竹では?

爆ぜた火花は赤いキラキラとなって、他のキラキラたちに混じる。

残るは土の精霊王だけど、どうくるか想像がつかない。


「土よ」


土の精霊王は軽く拳を握ってから告げ、ゆっくりと拳を開く。

すると、手の中から細かい砂が溢れ出てきた。

サラサラと砂がこぼれ落ちるのを気にすることなく、土の精霊王はタンポポの綿毛を飛ばすかの如く、フーッと吹き飛ばす。

演出は地味だが、吹き飛ばした砂が黄金かとツッコミたくなるくらいキラキラして派手だった。


「さぁ、次は聖獣たちの番ぞ!」


またあの自然現象フィーバーを味わうのかと身構える。

風が吹き、灯明皿の炎が大きくなり、プールの水面が波打つ。

聖獣の力のせいか、四色のキラキラが強くなったような?

いや、確実に強くなっている!

そして、辺り一面真っ白になった……。


『えらく強引な呼び出しではないか、精霊王』


あのときのように、女神像の方から声が聞こえてきた。


「愛し子の望みゆえ、ご勘弁願いたい」


恭しく頭を下げる水の精霊王。他の精霊王たちも、女神像に向かって礼を執っていた。


『冗談だ。見ていたので、呼ばれた理由も知っておる』


女神様でも冗談を言うんだ……。

降臨された女神様は、こちらを見てふわりと微笑む。


『とはいえ……父神様とご一緒というのは、しばし都合が悪い』


「どうして?」


とっさに聞いてしまったものの、この親娘の仲が悪かったりしたらどうしよう?

日本の神様にも、海外の神様にも、親子や兄弟、夫婦で仲が悪い神様はそこそこいるし、可能性はなくはないよね。


『父神様と我が同時に顕現(けんげん)しては、世界の負担となる』


親娘仲が悪いわけじゃなくて安心したけど、なる早でお帰りいただかないといけないとヤバいのか。神様たちって時限式爆弾かなにか?


「じゃあ、早速本題に入りましょう!」


女神様を呼び出した理由、神様が世界と関われるようにするにはどうしたらいいかを聞いた。

女神様の表情が一瞬だけ曇る。


『ネフェルティマよ。その答えは、世界の根幹から変えれば可能だ。父神様のお力なら、変えることもできよう。しかし……』


女神様は言い淀み、神様の方を確認してから話を続けた。


『根幹を変えるのだ。世界そのものに大きな変化が起こるであろう。どのような変化となるかは我にもわからぬ』


やっべー。また滅びルートが来ちゃった……。

でも、逆に言うと、根幹の修正を最小限に抑えることができれば、変化も小さくて済むってことだよね?


「神様が長くこの世界にいると危ないんだよね?」


(しか)り』


「でも、神様や女神様が普段いるところでなら、少しは干渉できるんだよね?」


この質問には女神様ではなく、神様が答えてくれた。


『君たちが考える干渉が、どこからどこまでかによるだろう』


……なぞなぞかな?つか、答えになってねぇ!


「模造品な魂を創ったり、異世界から愛し子呼んだりするのは干渉じゃないの?」


『それは、領域の問題だ』


女神様も神様と同じ意見なのか、軽く頷くのが見えた。

もう少しわかりやすく説明してもらっていいですか?

しかし、神様たちも当たり前のことすぎて、どう説明していいのか悩んでいる様子。


「間違っていたら訂正をお願いします。領域とは、許容範囲の意味もあるのではないですか?」


初めの方で(つまず)いているのを見兼ねてか、ヴィが話題に入ってきた。


『そうだな。一つ一つの事柄にここまで、と線が引かれているような感じではある』


それで模造品な魂を創ったり、異世界から魂を呼ぶのはセーフだと!?余計に意味不明なんだが??


「例えば、ネマが俺の部屋に遊びにきたとして、俺を『鬼畜王子』と呼んでも不敬罪に問われることはない。まぁ、俺の気持ち次第ではあるが……」


どういう設定の例え話なんだ!部屋以外でも鬼畜王子と呼んだことはあるぞ!


「だが、それが公の宴の場だったらどうだ?」


公の宴で??

ヴィに懸想(けそう)するご令嬢にフルボッコされそうだし、怖くてそんなこと言えないよね。

それに、証人がたくさんいたんじゃ、何かしら処罰は与えないと示しがつかないだろう。


「つまり、時と場所と場合によるってこと?」


「違う。許容範囲だと言っただろうが」


私が一発で理解できなかったのは頭の出来の差もあるかもしれないけど、ヴィの例え話も原因じゃないか!


「俺の私的な空間でネマがどれだけ粗相をしようが、俺の一存でどうにでもできる。創造神様も、普段お()す空間ではある程度自由にできるが、公の場……この世界に対してはお声を届けるくらいしかできないということだ。それ以上は、神勅のような強制力を持ってしまうのではないか?」


ヴィがこれで合っているかと神様に問うと、(おおむ)ね合っていると返ってきた。


「神様にも制約があるってこと?」


『そうだね。神と呼ばれる存在は、自分が創り出したものへの愛情がとても深い。それゆえに、世界を駄目にしてしまうこともある』


神様が、他の世界の事例を聞かせてくれた。

神との距離が近く、交流を持てるようにした世界。

初めは上手くいっていても、その世界に住む種族はすぐに神を頼り、それを神が甘やかして、なんでも叶えてしまう。

なんでも願いが叶う環境は、その種族を怠惰にし、ついには生きる気力までもなくしたそうだ。

生きる気力がないのなら、当然子供を生もうともならず、その種族はゆっくりと滅びていった。

また、他の世界では、神に成り代わろうと、神を殺して食べた者も現れたとか。

只人が神の力に耐えられるわけもなく、神の力にのまれ、世界とともに爆散したそうだ。

爆散って……なんか嫌だな。


『そのときは神が殺されたこともあって、他の世界にも少なからず影響が出た。そんなこともあり、今は神が干渉できる範囲を始めから定めるんだ』


なるほど。それで神様は、極力干渉しないように定めたってことか。

ただ、干渉しなくなると、世界が停滞する。

どこまで干渉するかの塩梅が難しそうだなぁ。


「じゃあ、森鬼やうちの魔物っ子たちの謎の進化も干渉にあたらなかったの?」


森鬼はホブゴブリンから謎の進化をしたし、星伍と陸星はハイコボルトなのに小さいままだし、白は奇妙な遊び方ばかり覚える。


『それは理の外にいる愛し子の作用だ。愛し子が名を与えたことによって、その者らの理が変化したのだろう』


チートでキャラクターのステータスやスキルをいじった的な感じかな?

やっぱりやらかしてたかぁと思う反面、神様が変化を望んでいるならセーフでは?とも思う。

あ、でも、変化が大きすぎてもダメなんだっけ……。


「本当に神様は干渉できない?」


『あぁ。この世界に起きた変化は、すべて愛し子が起こしたものだね』


…………ってことは、私がいろいろ神様のせいにしたことは、まさかの冤罪だった!?

なんかこう……罪悪感がひしひしと押し寄せてくる。


「ごめんなさい。全部神様のせいだとばかり……」


私が謝ると、神様は仕方ないことだと許してくれた。

言い訳になるけど、神様が面白がっているようなところがあったし、厨二病疑惑もあったし……ん??


「神様……私のやらかしを面白おかしく見てたりした?」


おそるおそる聞いてみるが、神様は微笑むだけで答えてはくれなかった。

そういうとこやぞ!




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