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夢の共演!

ヘリオス伯爵に聖獣を呼び出せと言われ、どの聖獣を呼ぶのかと聞いた。


「すべての属性が揃うように呼んでくれれば、どれでも構わない。あぁ、光の聖獣は忘れないように」


ディーだけ念押しされた。カルヴァがいるからだろうか?


「すべての属性って……」


火の聖獣はソルしか知らないから、ソル以外ありえないけど、ここには入りきらないが?

それに、地の聖獣もカイディーテ一択になる。

地竜がいるのは知っているが、今どこで寝ているかわからないし、もし起こしてしまったら地形が変わるほどの惨事が発生する可能性が高い。

風の聖獣はラース君と風竜だが、やはり大きさの問題でラース君を呼ぶしかないだろう。

水の聖獣は、サチェとユーシェだが……。

ユーシェは氷漬けの前科があるので、ここに呼ぶのは危ないかもしれない。


まずは、一番冷静なサチェから呼ぼう!

水の聖獣を呼ぶには、水が必要だ。

私はプールに近づき、うっかり落ちないよう気をつけながら、水面をバシャバシャ叩く。


「サチェ!ここに来てー!!」


突然呼び出しされてもすぐには来られないだろうと思ったら、マジですぐに来た。

プールの水面が盛り上がり、流れるように水が落ちると、そこにサチェがいた。

サチェは登場の仕方にも品があるなぁ。ユーシェなら、派手に水柱を噴き上げて登場するのに。


「サチェ!」


サチェは私の側に来ると、ヘリオス伯爵から庇うように立ち、鼻面を私に押しつけてくる。

大丈夫かと、心配してくれているようだ。


「大丈夫だよー。心配してくれて、ありがとう」


サチェの(たてがみ)を手で遊びつつ、私の方からもサチェの顔に頬を擦りつける。

白とは違ったふるふる感が気持ちいい!白がわらび餅ならサチェとユーシェはババロアかな?ゼリーよりちょっと固い感じ。


サチェと戯れていると、こちらを見つめるヘリオス伯爵の姿が目に入った。

彼女は先ほどとは様子が異なり、どこか淋しげで、今にも泣き出しそうだ。


サチェがヘリオス伯爵の視線に気づくと、サチェもじっと彼女を見つめる。

波紋一つもない、静謐(せいひつ)な水面を思わせる眼差しは、何かを見定めようとしているようでもあった。


ヘリオス伯爵は、そんなサチェの視線に耐えられなかったのか、わざとらしく私に声をかける。


「次の聖獣を呼べ」


その一言に、たちまちサチェが殺気立つ。

サチェの体がどんどん冷たくなっていくので、私はサチェの気を引くために話しかけた。


「カイディーテ、呼んだら来てくれると思う?さすがに地竜さんを呼ぶのは危ないと思うんだ」


――ブルルッ。


一鳴きしてから、鼻先でグイグイやられる。

いいから早く呼べってことかな?

サチェがすぐ来てくれたところをみると、私の置かれた状況をカイディーテも把握しているのかもしれない。


「カイディーテ!」


名前を呼んで、ちょっと待ってみる。

……あれ?


「おーい!カイディーテ!!」


やっぱり、皇太后様の側を離れたくないから、来てくれないのかな?


――グルルルルゥゥ。


低く、明らかに不機嫌ですっていうような唸り声が聞こえてきた。

でも、どこから!?

キョロキョロと周りを見回すと、大きな岩の上に不機嫌オーラをまとったカイディーテが座っていた。

なぜそこに!?

そして、そこから動く気はないようで、岩の上から私たちを睥睨(へいげい)している。

その貫禄(かんろく)は、王様や陛下に通ずるものがあった。

凄く格好いいんだけど、ちょっと近寄り難い。


「サチェ、カイディーテがめっちゃご機嫌斜めなんだけど……」


サチェは放っておけとでも言うように、カイディーテに興味を示さなかった。

次はラース君かな。

ラース君はもう、なんの心配もいらないと断言できる!


「ラース君!おいでー!」


さて、ラース君はどうやって現れるかなぁ。ヴィと一緒は……ちょっとまずいかも?

ヴィと一緒に来たらどうしようと不安になっていたら、天井の空調ファンが急にギュンギュンと激しく回転し始めた。

マジで壊れるんじゃないかと戦々恐々していたら、プールの水面上に小さな竜巻が発生したではないか!

これ、ラース君の力だったりする?だとしたら、確実に怒っているのでは??


ラース君は風を扱う。つまり、かまいたち的な技も使えるわけで……。

ヘリオス伯爵が切り刻まれたりしないよね?

風竜の方が、平和的に対応してもらえたかもしれないと、今さらながらに思った。


竜巻の中からラース君が現れると、竜巻はたちまち霧散した。

竜巻の残りみたいな風が、建物の中を通り抜けていく。

ラース君は牙を剥き出しにして、ヘリオス伯爵へ怒りを向けた。

やっぱり怒ってるー!


「ラース君、ラース君!落ち着こう!私は大丈夫だから、ちょっと話を聞いてくれる?」


ラース君にそう言って、こっちにおいでと手をブンブン振った。

ラース君はちらりと私を見ると、仕方ないというふうに牙を収め、降りてきた。


「ラース君!」


ラース君の首元に飛びつけば、極上のもふもふが私を受け止めてくれる。

このふわっふわ感はラース君が一番だね!


――ガウッ。


ラース君が私の左手をじっと見たあと、なぜかアイセさんを睨んだ。

あっ、風玉!アイセさんに取られたまま、返してもらってない!

ラース君がアイセさんを見たってことは、今もアイセさんが持っているのだろう。

それに、うさぎさんリュックも返してもらわないと、ソルと念話ができないよ。


「ヘリオス伯爵、ソルを呼ぶから、竜玉(オーブ)を返してもらいたいんだけど?」


「竜玉がなくても、精霊が声を届けるから問題ない」


ヘリオス伯爵、ラース君やサチェの様子を見ても問題ないと思っているならとんでもない!


「ちゃんと説明しないと、呼んだ瞬間にここが火の海になるかもしれないよ?この子たちがいるなら、私は安全だと判断して、遠慮なくやるんじゃないかな?」


ソルと風竜が遊んでいるときですら、怪獣映画みたいになっていた。ソルが本気で攻撃をしたら、焼け野原を通り越して更地になったりして……。


「……アイセント、ネフェルティマ嬢に(ぎょく)を返してやれ」


アイセさんはポケットから風玉を出し、鞄からうさぎさんリュックを取り出した。

うさぎさんは頭を鷲掴みされて、顔が残念なことに……。


「うさぎさんの頭が……」


手元に戻ってきたうさぎさんの頭を丁寧に整える。首元のリボンも皺が寄っていたので伸ばしてみたが、あまり変わらなかった。

宮殿に戻ったら、パウルに綺麗にしてもらおう。

うさぎさんリュックを背負うと、その重みを懐かしく感じた。

それに、なんか完全体になった気分!


「それがある方がネマって感じかするな」


アイセさんがしみじみと呟いた。

そうだろう、そうだろう。私のトレードマークだもんね!

あとは、風玉の腕輪をつけたら完璧。


――ソルー!ソルさんやーい!


早速、ソルに念話を飛ばす。


――お主、無事であったか。


精霊たちに聞いて、私がどう扱われていたか知っているだろうに、それでも心配してくれていたようだ。


――ヘリオス伯爵……あ、ルノハークの親玉の聖主が、聖獣を集めていて、ソルにも来て欲しいんだけど……どうかな?


――あぁ。光の契約者が言っておった件か。近くまで来ておるぞ。


――近くにいるの!?


お兄ちゃんがソルに伝えていたのはいいとして、近くってどこよ?


――途中、弱き竜たちに懇願(こんがん)されて、魔物を追い払っていたら遅くなってしまった。


ソル的には、呼ばれる前に到着している予定だったらしい。

しかし、こちらに向かっているときに、竜騎部隊の竜種たちに見つかったと。

あの子たちからすれば、原竜(げんりゅう)であるソルは上位種だが、使えるものは上位種でも使うのか……。


――聖主が、獣王の力を使って闘争本能を極限まで高めたって言っていたオーグルのことだったりする?


――オーグルとホブゴブリンがいたようだが、様子がおかしかったのはそのせいだったか。


本来、ソルの姿を見て怯えない魔物はいない。唯一の例外は、私が名付けした魔物っ子たちだろう。

ソルの姿を見ても逃げ出さなかったオーグルの群れは、ソルによって焼き払われた……。

多少の手加減はしたそうだが、我に返って逃げたものは少なかったそうだ。


――結局、ライナス帝国の方もと言われて、時間を食ってしまった。あれらは我をなんだと思っておるのだ。


どうやら、竜騎部隊に加勢したのを、飛竜兵団のワイバーンに見られて、こっちもとお願いされたらしい。

飛竜兵団のワイバーンたちはわからないけど、竜騎部隊の子たちは『頼りになるおじいちゃん』って思ってんじゃないかなぁ。

これを言うと怒られそうだから言わないけど。


――それと、聖主がレイティモ山の魔物たちにもオーグルと同じことをするって……。


「ネフェルティマ嬢、それくらいでいいだろう?」


ソルにレイティモ山のことを聞こうと思ったら、ヘリオス伯爵に肩をぐいっと引かれ、意識がそちらの方に向いてしまった。

私はまだ、集中しないと念話が上手く繋げられないのに!


――……心配ない……。


かろうじて繋がっていたのか、ソルの声が微かに聞こえた。

ソルが心配ないと言うなら、レイティモ山の子たちは安全だろう。


「ソルが近くまで来ているって言うから、どうやってこの建物に入るか相談してたの」


そんなことは相談していないが、実際問題、ソルをどうすればいいんだろう?

ソル、小さくなったりできるかな?


「この建物に近くにいてくれれば問題ない。それより、早く光の聖獣を呼ぶんだ」


どこか焦っているヘリオス伯爵。

聖主は精霊と意思疎通ができるってことだから、ソルがオーグルを倒しちゃったことを精霊が教えたのかもしれない。


「ディーって呼ぶだけでいいの?何か用意しないといけない?」


ヘリオス伯爵なら何か知っているかなと思って聞いてみた。

おそらくだけど、この祭壇、四つの属性を祀っていたんだと思う。

それが聖獣のためにしろ、精霊のためにしろ、属性のものがあると聖獣も精霊も現れやすいのは確かだ。


私の質問に答えたのはヘリオス伯爵ではなく、黒いうねうね、カルヴァだった。


『光があればよい』


そっかー。じゃあ、採光用の穴から差す光で大丈夫かな。

じゃなくて、黒いうねうねが出てきた先には、獣人たちがせっせと運んでいた大きな荷物がある。

もしかしなくても、この中にいる!?

カルヴァも連れていっているだろうと思っていたが、まさか荷物扱いされていたとは……。

私が驚いていると、荷物の影が突然濃くなり、その影から黒い塊が湧き出た。カルヴァだ。

尖塔と同様、囚われていたのではなく、ただ好きにさせていたのだろう。

その証拠に、カルヴァの姿を見て、ヘリオス伯爵は驚いていた。


「今の明るさで十分なのね?」


『そうだ』


天井は植物が覆っているが、壁の採光用と思われる穴からは光が差し込んでいて、建物内だけどかなり明るく感じる。

この建物、プールの仕組みといい、いろいろ計算して作られているのだろう。

必ずどこかの穴から日が差し込むようになっているみたいだし、そして常に影ができるようにもなっているっぽい。


「ディー!ここにおいでー!」


ディーはどうやって現れるかなってワクワクしていたら、意外にも普通に私たちが入ってきた出入り口から来た。

堂々とした足取りに、後光が差しているかのように煌めく鬣。これぞ光の聖獣!っていうくらい、神々しい光景だった。


「ディー!」


ディーに駆け寄ろうとしたら、外からたくさんの悲鳴が聞こえてきた。

何事かと足が止まる。

ヘリオス伯爵とアイセさんが二人して天井を見上げたので、上から何か降ってきたのかと、私もつられて天井を見上げた。

パキパキと木の枝が折れるような音とともに、周囲に焦げ臭いにおいが立ちこめる。

天井の半分くらいの範囲が、突然真っ赤な炎に包まれたかと思ったら、あっという間に灰となって床に降り積もった。

その一連の光景は、まるで動画を倍速で見ているかのごとく。

覆っていた植物がなくなると、外の日差しが遺跡内を照らす。

天井だと思っていたが、吹き抜けのように天井自体がなかったとは……。


『待たせたな』


吹き抜けからぬっと顔を出したのはソルだった。

どの聖獣よりも度肝を抜く登場の仕方である。

外でたくさん悲鳴が上がっていたのも納得だ。

突然、大きな原竜が舞い降りてきて、聖主が入っていった建物に炎を吹きかけたら、信徒たちは大混乱になるのも当然のこと。


『久しい顔があるな』


そう言って、ソルは私の後ろの方を見つめる。

振り返ると、ヘリオス伯爵と彼女の側にカルヴァがいた。

カルヴァがグルルと鳴いているので、久しぶりの挨拶でもしているのだろうか?


ソルの登場にびっくりしたが、ディーが私のもとに来て、周りをぐるぐると何周もし始める。

たぶん、私に怪我がないか調べているんだと思う。


「ディー、ちょっとおいで」


ぐるぐる回るのをやめさせ、私はディーの鬣を軽くわしゃわしゃした。

灰が降る中を歩いたから、鬣にも背中にも、うっすらと灰がついていたのだ。

ディーの体についた灰を落としていると、ラース君が風で一気にぶわーっと吹き飛ばす。

なるほど、その手があったか!


「ラース君、ありがとう!」


ここで私はあることに気づいた。

目の前にはラース君とディー。あっちにはカイディーテとカルヴァ。

にゃんこの聖獣が勢揃い!!

これは千載一遇のチャンス!!


「ディーはここね。あ、ラース君はちょっと間開けてここがいいな」


プールサイドにラース君とディーを並べる。


「カイディーテ!」


カイディーテを呼ぶも、カイディーテはみんながいる場所には降りたくないのか無視された。

それで諦める私ではない!


「カイディーテ、ここに来て」


ここ(・・)と、ラース君とディーの間を示す。

いつにもない強い口調だったからか、カイディーテは私をじっと見ると、今度は素直に降りてきてくれた。

それでも、ラース君とディーの間には入りたがらなかったが。


「ネフェルティマ嬢、何を勝手なことを……」


「ヘリオス伯爵は黙ってて!今やらなきゃいけないことなの!」


ふむ、ちょっと並びが悪いか?種類ごとよりも色味の方がいいかな?


「カルヴァー!」


今度はカルヴァを呼んで、カルヴァをラース君とディーの間に座らせる。

そして、ディーの空いている横にカイディーテを押し込む!

よし、色味に合わせて正解だね。

だが、まだ完璧じゃない。

少し距離を取って、四頭が並んだ様子を眺める。


「ディーはもう少し顔を上げて、尻尾はこっち。カルヴァの尻尾は反対側ね」


ディーとカルヴァはお座りの格好で、正面からちゃんと尻尾が見えるように位置を整える。


「ラース君とカイディーテは伏せて……そう!そして手はこう!」


自分の腕をクロスさせて、ポージングの見本を見せる。

ラース君はすぐに片方の前脚をもう一方の前脚に乗せてくれたけど、カイディーテは渋っていた。

私がカイディーテの側に行こうとしたら、何かを察したのか、カイディーテも前脚クロスをやってくれた。


「素晴らしい!!二度と見られない絶景!この目に焼きつけなければ!!」


白い虎、黒いライオン、金色のライオン、銀の虎。これぞファンタジーの世界でしか味わえないって光景が今ここにあるっ!!


「くぅぅ……なんでカメラがないんだ!アイセ様、絵を描けたりしない?」


この光景をなんとか形にして残したい!

そんな私の熱量がやばかったのか、アイセさんは引き笑いで描けないと答えた。

ダオの前でもう一回この子たちが集まってくれ……ないだろうなぁ。特にカイディーテが。


「ネフェルティマ嬢、もう気はすんだか?」


「まだダメ!」


まだ堪能していない!一生に一度のことかもしれないんだからね!

ヘリオス伯爵を突っぱねると、ソルが笑いながら言った。


『諦めろ。こやつはこうなっては誰にも止められん』


人を暴走列車のように言っているが、間違ってはいないので否定はしない。


「というか、ヘリオス伯爵も見よ!」


日差しを受けて白く輝く毛並みに、可愛く揺れる尻尾。そのもふもふに埋もれて過ごしたい。頼れる存在、風の聖獣ラース君!

光の中にいても異彩を放つ漆黒、摩擦を感じさせないその毛並み。年長者の余裕漂わせる眼差しに落ちぬ者はいない。闇の聖獣、カルヴァ!

そよ風に揺れる鬣、日差しを受けて煌めく角。すべてが光り輝いている上に、甘え上手で可愛いうちの子。光の聖獣、ディー!

艶めく毛並みは天下一品、契約者を一途に慕うところも格好いい。ちょっとツンデレなのが癖になる。地の聖獣、カイディーテ。


この子たちがアイドルグループだったら、私、破産するまで推してると思うわ。

あ、ダメだ。破産したら推し活できなくなるから、切り詰め極貧生活くらいにセーブしないとだ。


「ヘリオス伯爵わかった?この奇跡は、今しか味わえないのよ!」


「ネフェルティマ嬢が、愛し子の中でも特に変わっているというのはわかった」


私の方は、ヘリオス伯爵が同志になりえないことがわかった。

これが獣騎士やエルフ族だったら、一緒にキャーキャー言って盛り上がってくれるのに。


『もう地のが限界のようだぞ』


ソルに言われたので、満足はしていないが堪能はできたので、みんなにお礼を伝える。

カイディーテからはガウガウと不満のようなことを言われたけど、その姿も可愛かった。


「子供の遊びに付き合うのもここまでだ。聖獣たちよ、この場にお前たちを集めた理由は察しているだろう」


『カノワの神殿は創造主のために造られたもの。この神殿ですべての力を注ぐと、創造主にお目見えできると言われているが、我の知る限り、叶えた者はおらん』


カノワってなんか聞いたことあるなぁとか、ソルが知らないんじゃ誰も知らないだろって、心の中でツッコミながら、成り行きを見守る。


「光の聖獣と闇の聖獣が同じ時代に現れることなど、この先あるかもわからない。やってみる価値は十分あると思うが?」


ソルはため息を吐くと……って、ソルのため息は局地的突風になるから!

私の方を見て、ソルは重々しく告げた。


『我らは愛し子の意思に従う』


私に決定権を委ねましたよ!

とはいえ、私も陛下の指示に従うので、ある意味予定調和とも言える。


「私はやってみるだけならいいと思う。ただ、条件が揃っても、女神様みたいに来てくれるかわからないよ?」


私の発言に、ディー以外の聖獣が頷いたことに驚いた。

私より神様のことを知っているであろう聖獣たちが同意するのは、よっぽどだと思うぞ、神様!


『お主がこれから行おうとしていることは、世界の(ことわり)を歪めるものだ。その反動がどのような形で返ってくるかもわからぬが、それでもよいのだな?』


ソルがヘリオス伯爵に、本当にやるのかと意思を確認する。

ヘリオス伯爵は、ソルに気圧されることなく、やると告げた。


『相わかった。炎竜ソルグランディオが望む。各々の力を注がれよ』


何が起きるのか、本当に神様は来るのか、来るとしたらどんなふうに現れるのか。

いろいろな考えが脳裏をよぎっていった。



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